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小さな星と聖杯の秘密(0次魔法シリーズ②)  作者: sisousi.kenta


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魔法のない時代⑤

私にはわかる。おそらくヘレンも知る男。魔術師協会最後の会長ブランドン。魔術師協会は一度壊滅した、中心勢力てあった女神教団の解散と離脱で勢力の7割を失った。その際に1度なくなったのだが、細々と再会していた。その後勢力を折り返すこともないまま再度解散した。その最後の会長。現代では最強の魔法使い候補の筆頭。

それが月の光で育つ樹木の森の入り口にさへ達せない私たちの前に現れた男。

ヘレンは警戒する。私はヘレンが帰る事を困るというその男に

「困れば?」と伝え、ヘレンに目線を送る。昔の魔法使いでは考えられない、稚拙なコミュニケーション。ヘレンを逃がす。移転は危険だ、移転は実力が上や近いものの前では逆に隙をさらす。これも昔の魔術師なら・・・。彼女ははしる。「あなたも・・・」逃げようと言いかけて彼女は言葉を止める。逃げられるのは最初から一人、それさえも彼女が迷いなく進んでいればこそ。もうおそい、それでも私は「止まって」叫ぶ。もうおそかった。

彼女は失われたはずの大魔境人食い鬼の胃袋に飛び込んでいた。この大魔境は生贄を捧げるための迷宮といわれていたことを思い出す。

「すべて君が原因だ。君が実力の足りない魔術師を連れてきた。君が人食い鬼を殺したから代わりを差し出さねばならなかった。たった二人でも残り少ない魔術師を君が減らした。君の行動が世界を滅ぼす。大魔境の先の世界の住民、特に吸血鬼と人食い鬼の世界の住民は常に人を喰いたがっている。大魔境を復活させないためには生贄が必要だ」

ブランドンはそう答えた。最後の大魔法使い。そういわれているが、今は潜伏しているという話だった。なぜあらわれたのか。

「なぜ彼女なのです?」

私は納得できずにそういう。彼は私をまじまじと見つめる。人食い鬼を殺したのは私だ。私はみた限りヘレンよりかなり上の実力を持っていただろう。だから実力の劣るヘレンが生贄にされた。今の世界の状況を考えたら 無理からぬことと頭では理解できる。それでも納得しきれない。ブランドンは

「あっちの子がたまたま飛び込んだだけさ、本当は君を生贄にするつもりだった。大昔の魔法使いはそうやって生き延びてきた。」と答えた。どこか安心していることを悟られたくない。私はこの男が君も死ぬんだよという事をきっと予想していた。私は彼女に逃げるように言ったとき本当にこの状況を予想できていなかったのだろうか。わざと彼女を先に逝かせたのではないのか。私は自分の魔力が高まるのを感じる。生き残る道を探り見つけた時、こういうことがあるという。ブランドンは私の秘密を察し、ニヤニヤと笑っている。


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