魔法のない時代②
魔法使いの減った時代。科学も衰退する。科学の多くはその動力を地に満ちる魔力の使用を前提としている。魔力の濃さは魔法使いの数に強い相関があるのだ。
「地獄との戦争は楽勝だったらしい。」兄は私にそう教える。人族を恐れかつて逃げ出した者たち。
まだ人族の魔法使いが強く、数も多かった時代。当時の者たちはなぜ彼らを滅ぼしてくれなかったのか。
今人族は彼らを恐れ、人族同士の争いを誘発している。ある魔法使いが世界を滅ぼす兵器をすべて消し去らなければ人族は自ら滅んでいた。いや、もうそれらの兵器は使えるだけの魔力を供給できなかっただろう。
「隠れ魔法使いがたくさんいたんだね。地獄付近はやっぱり魔力の濃度が濃いから魔法使いが生まれやすい。地獄の入り口付近には魔法使いがまだまだいた。」
地獄には数百万の魔法使いがいる。人族以外の魔法を使う者、人族の魔法使いから逃げて、地の底に移り住んだ。人族の魔法使いがどれだけいるかはわからない。多くて1万人、けれど魔法使いは簡単に実力が開く。1人強い魔法使いがいれば十分にかてる。人族と完全に同化したと思われた唯一の魔族の国が地獄の入り口付近の森にあった。元から弱くて逃げて地獄の住人、わざわざせめて来ようとするものはほぼ人食い鬼のみ、一度は退けることができた。今は多少の危険があっても魔法使いの生まれやすい環境、地獄付近への移住が推奨されているが進んでいない。戦争はしなくとも、日常的に鬼たちはやって来る。その他の種族にしても好き好んで地獄に住んだわけではない。常に危険が付きまとう。
「最後の魔族の国だ、夢を求めて移り住むものは少なくはない。地獄の住人に対抗できるのは魔法使いだけ、あの国にいかなければ何もできない。一応50人の魔法使いに守らせて人族の村も作るそうだし、魔法使いがいれば豊かになることは間違いないけれど、それで世界の魔法使いは30人をきる。今までの暮らしはとても維持できない。魔族の国だって本当に味方かなんてわからない。」人口は5万人を切る国だが魔法使いが数千人いるその国は世界を相手に勝つことができる。
「私に考えがある。」人族には最後の手段がある。世界には大魔境が一つ残っている。地獄付近で魔法使いが生まれやすいのならばその近辺にも秘密の国があるのかもしれない。都市伝説にすがるしかない。月の民の国を探す、月の光で輝く樹木の森へ向かうしかない。
途中であとがきを書いています。設定的にどう考えても地獄数百万くらい魔法使いがいるんですが、滅び待ったなし、どう収集つけよう。




