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仙の道  作者: たくあん
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小悪魔女

「你再不说人话,我就把你的腿给打断,看你说不说!(これ以上人間の言葉を喋んなかったら、足を折るぞ!)」

男が怒鳴る声が遠くから聞こえた。三人はとっさに足を止めて耳を澄ませた。


「你不要以为你不说人话,就可以糊弄我们!(人間の言葉を喋らないからと言ってうちらをごまかせると思うなよ)」

怒鳴る声が続いた。別の人の声のようだった。


「中国語だ。なにかもめてる。」

蓮が小声で言った。こいつ、中国語もわかるのかと徹は変な目つきで蓮を見た。


「すみません、よくわかりません、!Sorry, Sorry! I’m Japanese!」

今度は若い女の叫ぶ声が聞こえた。


「日本人じゃないですか!見に行きましょう!」

徹はすぐに声を上げた。


「静かに!まだ状況がわからない。危険だ。」

蓮は小声で言った。

ののこも焦り出したが、じっとしていた。


「没完没了的。大哥,看这还是个美人,拿去镇上卖了吧!(きりがねえな。アニキ、こいつ美人だから、町に持っていって売ってやろうぜ)」

続いて男の声がした。


「不用那么麻烦,直接拿来做我媳妇不更好?(そんなめんどうなことはいい。おれの嫁にした方がいいじゃねーか)」

別の男の声が続いた。


「いや!やめてください!離して!」

女の叫ぶ声がした。


「行こう」

声を聞くや否や蓮と徹は同時に動いた。ののこも二人に続いた。

「話はとりあえずおれに任せてください。少しだけ中国語がわかります。」

蓮はそう言って走り出した。徹とののこは少しビックリしたが、すぐに後を追った。


少し大きめの木造住宅の庭のなかに4人の男と2人の女、3人の子供がいた。一人はさっき叫んでいた女だとすぐにわかった。地面に座っていて、彼女の肩を一人の男がつかんでいたからだ。

彼女はとても可愛らしい顔立ちをしていて、ののこの上品で洗練された絶対的な美しさとは違うが、男が守ってあげたくなる小悪魔のような魔性を持っていた。そしてどこか少しだけハーフに近い白人の面影もあった。年はおそらく17、18くらいだが、中学生だと言っても信じてしまいそうな顔だった。ののこよりも一回り小さく、150cm強程だった。そして偶然か必然か、ののこと全く同じ服装をしていた。彼女は大きなけがこそなさそうなものの、いまにも大泣きしそうに目は赤くなっていた。

対して男は身長が190cmある大柄だった。20代後半のようで、その場にいたおじいさんを除いた3人は同じくらいの年だった。だれがどうみても彼女に対して暴力をふるおうとしていた。4人の男は全員同じようなぼろ雑巾のような服を着ていて、文化的素養がほとんどない村の住人のようだった。


「住手!(やめろ)」

蓮は向かっていこうとしている徹を片手で止めながら、大男に大きな声で言った。


「你们是?(何者だ)」

男が振り向き、蓮に聞いた。


「这位兄台,我们是什么人,你还看不出来吗?(私たちがだれかみてわかりませんか?)」

蓮が返した。ハッタリでこの場を切り抜けるつもりのようだった。


「我不管你们是谁。竟然又有一个美人送上门来,还是更香的!二弟,地上的这个就给你了吧,我要这边这个。兄弟们,我们上!(お前たちが何者かはどうでもいい。もう一人美人がのうのうとやってくるとは、しかももっとおいしそうじゃないか。この地面にいるのはおまえにやるよ、おれはこっちのをもらう。野郎ども、かかれ!)」

男が怒鳴った。


蓮はすぐにののこを連れてくるべきではないことに気付いたが、もう遅かった。蓮は一気に体に力を込め、背後の剣に右手を伸ばした。鞘からは抜かず、そのまま剣を握っていた。その様子をみた徹とののこは物事が思うように運んでないことを悟った。


「なんだかやばそうだぞ」

徹が喋った。ののこは頷いた。蓮は大男を見つめて動かない。

そのときに小悪魔女はこちらをさっと向いた。日本人がいることがわかって彼女の心は激しく動いた。もしかしたらこの意味のわからない状況から助かるかもしれないと思った。けれども彼女はじっと見ているしかなかった。

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