過去の夢
「あれ?私、異世界転生してる!?」
衝撃の事実と前世の記憶を取り戻した私は、突然思い出したことによる情報過多で脳が耐えられなくなり…
そのままベットの上で気を失うように眠ってしまった。
〜〜〜〜〜〜
「うーん…」
朝日が上り始めるにはちょっと早い早朝。
転生した事実を思い出した日から数日が経ち、大量の情報も整理できてきた頃。
私は前世の夢を見ていた。
「…これで終わりっと!よし、定時ぴったり!早く帰ってご飯食べよーっと!」
いつも通りの会社終わり。
35にもなっていい人の影もなく実家暮らしの私の毎日の楽しみは会社終わりの母のご飯。
定食屋をやってる母が作るご飯はなんでもおいしくて小さい頃から大好きなのだ。
……いい大人になっても実家暮らしから抜け出せないほどに。
今日も私はいつも通り仕事を終えて、家に帰っていた。
あの曲がり角を曲がったら家が見えてくる!
家に近くなればなるほど仕事終わりの疲れた体に元気が湧いてくる。
今日の晩御飯は何かなー?
オムライス?ハンバーグ?カツ丼?
なんでも美味しそう…
ドンッ
え?
何かに当たった衝撃で体が宙に舞い、道路で跳ねる。
跳ねた体はそのまま道路脇に転がり落ちた。
ドサッと落ちた体に激痛が走る。
頭から血が流れているのかうっすら見える視界が真っ赤に色づいていた。
なに、が…?
意識が遠のき、視界がどんどん霞んでいく。
薄れゆく景色の中で走り去るトラックがやけに目についた。