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鏡の中で恋して  作者: よし
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僕の恋愛歴史

幼稚園生の時が初恋だったと思う。その子はショートカットの女の子で僕ととても仲良くしてくれた。夫婦役でおままごとだってしたと思う。もちろん親の計らいではあるがバレンタインのチョコをもらったしそれなりに仲が良かった。うちの幼稚園は大多数の園児が第一小学校と第二小学校という小学校に進級する。家の近さで大抵は決まる。もちろんお受験をして私立の小学校に行く子もいただろう。でも僕は第一小彼女は第二小と別々の学校になってしまう。

小学校の時はイベントごとに毎回好きな人が違った気がする。運動会に演劇会、合唱祭に修学旅行。最初に好きになった女の子はロングヘアーでプクッとした顔立ちだった。ふわふわした感じの子で優しさを可視化した物という感じだった。今となってはその子の名前は思い出せない。小学校最後に好きになった子はショートカットのメガネの子。運動神経が良くいつもリレーの選抜に選ばれていた。クラスで席は隣。休日は一緒に遊んだこともあるしそのうちの何回かは2人だけだった。僕の家は犬を飼っていた。その犬の散歩に行くと彼女もまた犬の散歩をしていてよく2人で散歩した。彼女に会いに犬の散歩に行っていたと言っても過言ではないかもしれない。

中学に上がると今度は第一小と第二小が合併する形になる。小学校の初めに好きだった子は途中転校してしまったのでいなかったがそれ以外の僕が好意を抱いた子の殆どが中学にいた。幼稚園のとき好きだったあの子も小学校最後に好きだったあの子も。

高校に入ると周りには男しかいなかった。男子校だから。もちろん学校には愛という類で好きになった人はいない。しかし通学の時に使っていたバスで一緒になる女性に僕は恋をしていた。乗るバス停も降りるバス停も同じだった。年はわからないが学生であることは制服を着ているのでたしかである。彼女はショートカット。純日本人の可能性は大いにあるがそれでも顔立ちがハーフかクォーターといっても過言ではないくらい綺麗だった。僕が高校二年生になると同時に彼女をバス停で見ることはなくなった。この時僕は彼女が高校生であるという情報の先へ進んだ。しかしその後彼女を見かけることはなく僕の恋は打ち切りになった。そしてこれが初めて一目惚れを理解した恋であった。

それから大学に進学する。高校とは違い周りには女の子が多い。好きでもない女の子が周りにうじゃうじゃしているのは少こし窮屈に感じた。入学当初は僕に好意を抱いてくれる女性すらいた。しかし僕は今までのように好きな人がコロコロ変わることましてや好きな人を見つけることすらできなかった。好きな人なんて探しても見つかるものではない。そんなことはわかっているが今まで片思いを続けて来た僕からすればそれは退屈で不安な日々だった。

僕が友達に今まで好きになった人の話をすると皆口を揃えてショートカットについて言及する。否定はしない。僕はショートカットの女性を好む傾向にある。小学校中学校と流れに流れていつも好きだと思う子はショートカットだったしそういう子は次のイベントの時には髪が長くなっていて僕は知らず知らずのうちに影響されて好きでなくなっていたのかもしれないとすら思う。一目惚れした年上の高校生もショートであった。僕の中にある不動のショートカットブーム。いつから始まったのかはわからない。でも中学校の頃には自分でもショートカットが好きだと認識していた。そんな僕だが大学にいるショートカットの女の子を見ても可愛いと思っても好きになる気配は微塵もない。大学に入ってショートカットブームが過ぎたのかもしれない。

好きな人と付き合いたいという段階にすらいない僕は不安で仕方なかった。

僕は天然パーマと言われる部類に分類される。だから毎朝出かける前にヘアアイロンと30分格闘している。ヘアアイロンをかけやすくするために少し長めに髪があるといい。だから伸ばしていた。伸ばさないと変な髪型になってしまう。好きな子がいないからといって変な髪型で生活するのは何だか癪だ。毎朝鏡の前で自分の顔とにらめっこ。もう少し長い方がとか短い方がとか色々悩んだ。僕はもともとナルシズム的人間で自分の髪型とかで悩むのは嫌いじゃなかった。切りに行くのは面倒だし失敗するととても落ち込む。それがわかっているからいつも髪は伸びて行く一方だった。次第に髪は伸び下手なショートの女性くらい伸びていた。髪は重くなりますます女性に近づいていった。髪が伸びるにつれて顔が 隠れていることが多いからか顔も白っぽくなっていた。

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