「13.戦いの後…」
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時間は数十分前に戻る。場所はモニタールーム前の廊下。そこに、歩きながら会話を交わす三人の姿があった。それは、研究室でもう一人のアリシアと戦闘を交わした、あの黒兵士達。隊長、チュリア、ギーハの三人だ。
「しっかし、オマエの力は本当に重宝するな。」
ギーハがチュリアに対してそう言った。両方の腕をグルングルン回し、今にも両脇で歩を進める隊長とチュリアに当たりそうな勢いだ。そう、もう一人のアリシアによって切り落とされたはずの両腕が、今は完全に復活を遂げていた。
「まぁね…回復する事しか私にはできないから。」
「まさに天使様だな。お陰でアイツも一命を取り留めたわけだし、オレの腕もすっかり回復。ほら、この通り…」
チュリアの返事を聞いているのかいないのか、そう言ってギーハは更に大きく腕を回した。ブンブンと空を切る音が鳴る。それぐらい力一杯腕を振っても大丈夫だと言う事を、他の二人に伝えたいのだろう。でも二人にとっては良い迷惑だった。
「ちょっとぉ、その邪魔な腕回すのやめてくれないかな…。」
チュリアの声には、確実に怒りがこもっていた。それをすぐに察知したギーハはピタリと腕を止め、手持ち無沙汰で腕組みを始める。
「それに…もう私に向かって、天使だなんて言わないで。」
「あ…あぁ…スマン、あまりに嬉しくて…。」
更に怒りを強めるチュリアに対し、ギーハは両手を合わせ謝罪の態度を取った。でかい体を少しくの字に曲げ、小柄な女に謝る様が滑稽に映ったらしく、「ガハハハハハハハ…」と、隊長は大笑い一つ。先程のアリシア戦の時とは打って変わり、和やかなムードがそこにはあった。アリシアが去り、4人全員が無事生きているという事実が、3人の緊張を解きはなったようだ。
「二人ともそのへんにしておけ。そろそろモニタールームにつくぞ。」
「了解。」と、ギーハとチュリアの返事がハモる。それがまたおかしかったらしく、隊長は再び大笑いした。
「なぁチュリア。オマエ、本当にクレイのそばに居てやらなくてよかったのか?」
「え?あ…あぁ…そりゃぁそばにいて治療を続けたかったけど、今はこっちの任務が優先でしょう。」
「そうか…。」
一人大笑いを続ける隊長をよそ目に、二人の会話が交わされた。そして、笑いながらも二人の会話を聞いていたのか、隊長が急に話に参加する。
「まあアイツなら大丈夫だろう。チュリアの力で今は死 んだように眠ってるし、仮にあの化け物が戻って来たとしても死 んでるとしか思わんよ。」
「そうだな。あの状況じゃ、まだ当分は寝ているだろうし。」
隊長とギーハがそう話す間に、三人は目的の扉の前にたどり着く。扉の横のプレートには「モニタールーム」と書かれていた。
あの戦いの後三人は少し休憩し、今後の行動について軽く話し合った。そこでまとまった案が、「とりあえず、モニタールームで他の場所の動きを探ろう。」だったのだ。だから三人はここへ来た。
「チュリア、中に入ったら後は頼むな。機械オンチのオレには、どうもこういう場所は性に合わん。」
隊長がそう言うと、チュリアは軽く笑いながら「わかったわ。」と一言返した。ギーハも「頼む。」と言いたげな感じで、うんうん頷いているばかり。チュリアがクレイをあの部屋に残し、二人に同行した大きな理由がそこにあった。二人には、機械をいじるという行為が苦手だったのだ。
「よし…入るぞ。」
隊長がそう言い、扉の横のボタンに手を伸ばそうとした。まさにその時、「ピーピー」という音が三人の耳に届いた。その音の正体は、他の兵士から入った無線連絡を告げる音。頭の防具にスピーカーとマイクが直に備え付けられているらしく、三人の耳元で小うるさく響いたのだ。それに気をとられ、隊長は伸ばそうとしていた手を戻した。
「誰だよ、るせ〜な。」
そう不機嫌そうに呟いたのは隊長だ。もちろんこの声も、マイクを通して無線の相手に届いている。
「るせ〜じゃないぞガーランド。このオレにそんな態度を取るとは、貴様なかなか良い度胸してるじゃないか。いつからそんなに偉くなったんだ?あ?!」
「!!!」
隊長はその声を聞き、一瞬にして凍り付いた。他の二人も、それは同じらしく無言のまま背筋をピンと伸ばし立ちつくしている。隊長をガーランドと名前で呼べる人物、それは思いつく限り一人しかいなかった。全ての小部隊をまとめる、大隊長ルキアである。
自分の上司に対し、あんな失言をしてしまった自分を悔やむ隊長。しかし時すでに遅し。大隊長ルキアの大きな声が、固まる三人を更に恐怖へと導いていく。
第十四話へ続く…