phantom day
―――――――早朝。――――――
僕は、何に怯えているのだろう。警察?…いやいや、何もしていないし。うんーと…。
何か、何かに頭を支配されているような…。……眠い。
うーーん…。僕って変なのかな?
こんな朝から考えていることじゃない気がする。…まあいいや。寝る。
…霧雨は窓を濡らす。
―――――チガウソウチョウ。――――
「おいおい、初々しいな」
「そりゃ、新人だからです」
「嘘つくなって。気づいてるんだぜ?」
「何を?」
「……何かを」
「いったんそこの水たまりに頭を突っ込んで下さい」
「…すいませんでした」
「そこ!仕事する!」
「へいへい」 「はい」「頭が上がんねえわ。さすが最強頭領と言われるだけあるな」
「最後に言葉発した奴は後で残るように」
「げ」
「良かったな。うれしいうれしいお呼び出しだぞ。何かしてもらえるんじゃね?」
「そこのあなたも残るように。まとめた方が楽です」
『げげげ!』
「まあ、ちゃんと仕事をしたら免除してあげても」
「今すぐに!!」 「したいと思います!!」
「あ、いっちゃった…」
「こうやれば早いの。わかった?」
「…は、はいぃ…」
「ちなみに、免除なんかしないわよ。最後まで言ってないうちに行っちゃったからね」
「………」
…雨はまだ降り続く。
――――日の出。――――
「うぅ…」
朝から騒がしい保育園児(複数形)のせいで、ただでさえ寝不足なのに6時起床って…。
「まじめか?…はあ…。」
「ほら!お兄ちゃん!早く!」
「げ。ノックしろって何度言ったら」
「今日、運動会だから!見に来てよ!」
途中で切られた兄様(?)は渋々下へと降りる。そこにはおいしそうな匂いが漂っていて、いかにも運動会のお弁当らしい具が入った小さい赤と青の弁当箱が並んでいた。
「ねえ!ママ!トマトはダメって言ったでしょ!」
「好き嫌いはダメよ!あ、お兄ちゃんが来たわよ」
僕が起こされたのはこの声か…。とか思っていると、母がこっちに弟を投げよこしてきたような気がした。…くそ、それでも親か。子供をなめるなよ。
「お兄ちゃん、ママがトマトを入れてくる!何とかして!」
そら来た。
「うーん。それはお母さんに言わないとな…。もうちょい粘ってみれば?」
今、明らかに母が嫌悪の表情を示したが、気にしないことにする。
「だってお母さん!」
「ダメなものはダメなの!ほら、お兄ちゃんと遊んできなさい!」
な…!今母がいかにも悪そうな笑みを浮かべたぞ!!(ここに舌打ちの音を入れると臨場感が味わえる気がするので、ぜひしてみてほしい)それでも親か!子供の面倒は自分で見るんじゃないのか!
「じゃあ、お願いね〜」
「は?」
「ねぇ、…あ、そ、ぼ!」
邪悪(?)な声が聞こえてきた。どうする?
諦める………?
追い返す……?
寝たふりをする……?
偉いお兄ちゃんは、?を選んだ。 …なんでやろ?
…雨は止んだ朝。
―――――サバキのお時間―――――
「お、お」 『終わったーー!』
「お疲れ〜。かえっていいわよ〜。」
『はーい!』
「あなたたちは宴会があるから残ってよ?」
「いやいや」 「そんな僕たちが」
「謙遜しないでよろしい」
『…はい』
最強頭領は二人を事務室に連れ込もうとした。
二人はどうする?
逃げる……?
捕まる……?
戦う………?
二人は、?を選んだ。しかし、トウリョウに捕まった!
…雨は降り続く(ある意味)
―――――ミート―――――
あれから、何とか弟を離し切り運動会へと向かわせ、一段落した。とりあえず、寝た後、適当に朝食を食べた後、テレビを見ていた。
しかし、今日は不幸な一日らしい。そう感じた一部始終をお話しする。
チャイムが鳴った。
「はい?」そう言いながらドアを開けると…。
「おはようございます」
…ドアを閉めた。…いや、正確には、ドアを閉めようとしたら、邪魔された。ということだろう。
「誰…ですか?」
「はい。私は、幻想官です」
「ごめんなさい。言ってる意味がわからないんですが」
「大丈夫です。すぐ分かります」
「え?」
「では」
そう言われた後、目の前が真っ暗になり、気づいた時には、明るい洞窟に放り込まれていた。横にあった看板には、「月光の洞穴」…RPGか。それとも中二病か。…よし。
呪文を唱えてみる……?
幻想官とやらを呼び出してみる……?
寝てみる……?
放っておかれた兄は、?を選んだ。
…しかし、何も起きなかった。
…静かな時を過ごしそうだ。
―――――ウラノセカイ―――――
「はぁ、無事にできた…」
「あ、お疲れ〜」
「あれ?もう終わったんですか?」
「ん?…あ、宴会のこと?」
「え、えんかい?」
「もしくは監禁っていうのかな」
「よ、よう」 「うまくいったようでなによりだ」
「あれ?…宴会されてた方々…?」
「そうだ」 「でさ、お願いがあるんだけど」
『この頭領様から救ってください!!』
「ふぇ?」
「これから、奴隷のように扱われるんだ」
「そ、そうなんですか…?」
「ああ」
「即答!?」
「救ってくれ!!」
選択肢は以下の通り―。
救う……?
見捨てる……?
ドアを閉める……?
?を選ぼうと見せかけて、?を選んだ。
二人は、涙を流した。
トウリョウは、三分だけ泣く時間を与えた。
二人は、「最後の晩餐」を唱えた―。
――――ドウクツ――――
……暇だ。頭がおかしくなるぐらい暇だ。
あれから何回か呪文を唱えてみたのだが、(普通に言ってるが、確信は全くない)炎とか水とか風とかが出るはずもなく、何も起きなかった。某ポケモンのわざと同じ状況になったわけだ。
…で、どうしよう…?
と、その時、目の前に剣が現れた。
「これから10秒後に敵が現れます。その剣で戦ってください」と、機械音声が流れてきた。
…なんなんだ一体。急展開かよ。
取り敢えず剣をとって構えていると、前からモンスターが現れた。
どうすればいいの…?
選択肢は以下の通り―。
剣を振る……?
呪文を唱える……?
死んだふりをする……?
歌を歌う……?
…?と?を選んだらオワル気がしたので、?を選んだ。
てきはたおれた―。
…まじか。
――――ユウゴウモンダイ――――
『おお〜!』
結局、頭領ごと家の中に入れ、今まで「ドウクツ」の中にいる少年を見ていたのだが、無事最初のモンスターを倒してくれた。
「良かったな」
「これで一安心だ」
「はい。では、次の問題を出してみたいと思います」
「そうだね。無事にクリアしてくれたから」
「ドウクツに仕掛けをつくるんだね」
「はい」
どの仕掛けをおく?
モンスター大量発生……?
幻想官が現れる……?
とりあえず?を選んだ。
「ドウクツ」に幻想官が現れた―。
――――ヌケミチナシ――――
目の前に「ゲンソウカン」が現れた―。
「急展開ですね」
「そうですね」
「ここはどこですか」
「眠いですか」
「日本語通じてますか?」
「シカトしました」
「……」
「では、要件を手短に。これから、ボスが現れます。以上。」
目の前から「ゲンソウカン」が消えた―。
…は?
ここで取れる選択肢は以下の通り―。
諦めて戦う……?
寝たふりをする……?
「はねる」をつかう……?
本当に寝る……?
…もう何かばかばかしいので、逃げる……?を選んだ。
何も起きなかった―。
目の前に「ボス」が現れた。
…今にも炎を吐きそうだ―。
…ヤバ。
――――HOW?――――
「どうする?」
「意外とあの少年、バカだった案件」
「ほっとこーぜ。なんとかするよ。…たぶん」
「一回、リタさせてさ、説明してからもう一回挑戦っていう方向でいかない?」
「…あっ」
「どうした?」
「クリアした時の脱出ボタンおしちゃった」
『……』
選択肢は以下の通り―。
取り消す……?
そのまま放置……?
寝たふり……?
…?を選ぼうと思ったけど、さすがにやばいと思ったので、?を選んだ。
「ドウクツ」のボスモンスターはいなくなった―。
――――キセキ――――
…しょーじき、オワタって思った。
だけど、何か知らんけど敵消えて、謎のボタン出現。
ここで選べる選択肢。
ボタンを押して帰る……?
「はねる」を使う……?
この場所で寝る……?
俳句を作る……?
…?〜?意味わからんし?しつこいしって思って、?を選んだ。
目の前が真っ黒になった―。
――――帰ってきたけどカワラナイ――――
気づくと、そこは保育園の校庭だった。しかも、今朝迷惑した弟の横だった。時計を見てみると、10時だったので、
「何やってたのお兄ちゃん!!」
やっぱり……めんどくさい。
「何って、ずっといたぞ?運動会に夢中になってたから気づかなかったんじゃないか?」
…我ながらおかしい理論だと思う。
「そ、そうなの?」
…ごまかせてる!?
偉いお兄ちゃんは、弟が心配になった―。
「あ!これからかけっこだ!!応援してね!!!」
「お、おう」
しかし、息をつく暇は与えられない。なぜかというと…。
「おにいちゃん」
「はい」
「どこにいたの〜?」
「ああ、あのな、さっきも言ったけれども…」
「言い訳しないの!」
怒られた!?怒られた!?
「私の目はごまかせないんだからね!!」
「すいません」
「よろしい」
ちょっと待て。僕は…兄だよな?
「じゃあ、私も応援してね!!」
ここで最後の選択肢―。
応援する……?
自分もレースに出る……?
帰る……?
もう一回、「ドウクツ」に行く……?
…?とか勘弁してほしいし、?と?なんか訳わかんねえしって訳で、?を選んだ。
何も起きなかった―。
…太陽が輝く日。
――――ダイエンカイ――――
・表現できないような擬音が続いた―。
・トウリョウは心のストレスがきれいさっぱりなくなった!
・3人は給料減という被害を被った!
・ついでに作者も宴会に呼ばれた!
・被害者は四人に増えた!
・社員三人は逃亡に成功した!
・パラレルラインは抜け出せないようだ。
…なんで?