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第6話  最近ママンの様子がおかしいんだが

よろしくお願いします!

感想など頂けるとうれしいです。

ども、今年で4歳を迎えましたアーサー・ロードです。

今日は何故か俺の天敵太陽が燦々と光り輝く中、庭にて剣の練習。


何を思い立ったか誰かが家を訪れた後、ママンは俺に剣の修行を付け始めた。

何故ダ、昨日の優しかった俺のママンの面影すら見えん。

今俺の眼前に映るのは木刀を握りしめて佇むマイ・マザー。



その目には軽く殺意すら感じる。

怖い、怖いよ。

我が子に向ける目じゃないよね?


何で急に・・・

俺がそんな事を考える暇を与えないかのごとく繰り出される

疾風怒濤の攻撃が俺の体をいとも容易く捉える。


最初の打撃で勢い良く空中に放りだされた俺はそのまま地面に叩きつけられる。



「グッハァ・・・・!?」



しかし攻撃は止む事はせず最初の攻撃を躱すまで続いた。






「うぅ~ん・・・此処は・・・天国?」



「もう、びっくりさせないでよね。アーちゃんが死んじゃったかと思ったじゃない。」



「すまん、すまん、これで大丈夫なはずだ。」



俺の前には俺の事を必死に心配するママンの姿が。



(俺はきっと悪い夢を見ていたに違いない。そうだ、きっと悪いゆ――)



「じゃ、アーちゃん。アランのお陰で傷も治ったことだし稽古の続きをしましょう♪」



ボキッ!


あッ、今心の折れる音がした。

だめだ、現実やん。

おおい、ダァティー、ヘルプミー!


お前の妻がイカれてるぞ、何でお前まで協力してんだ、止めろ!

息子を殺す気か、ああ止めて、お願い・・・・・



俺の願いは誰にも聞き届けられる事無く儚く霧散するのだった。






     ◆◆◆◆◆◆◆






さて時は過ぎ1年の月日が流れた。

俺もついに修行の日々から解放され、自由に――



「脇が甘いわよ、アーちゃん!」



「グヘッ!」



なんて事はない。

俺の悪夢は1年も続いていたのだ。

修行もどんどんハードになり最早俺を殺そうとしているんじゃないかって

程辛く厳しいものになっていった。


人間環境に適応する生き物だ、とはよく言ったものだ。

俺も今じゃステラの攻撃を受け流したり出来るようになった。

本人曰く4割だが・・・


おっと、言い忘れていたぜ。


実は俺の両親の名前だが

パパンことアラン・ロード

ママンことステラ・ロード

と言うらしい。

ま、知ってたけどな。




因みに俺の稽古は剣だけに留まらず、体術、双剣術、魔法と様々なものをやらされている。

チョー強引な手口で始まったこの修行だが始まると案外面白いものが多い。

特に魔法だ。


これは別格、アランは剣も出来るらしいが魔法の方が得意らしい。

ま、それは御伽話でしか出てこないような化け物を魔法の障壁で

防じてしまうんだから当たり前。

そんなアランには初級魔法から教えてもらっている。


魔法の応用や基礎術式を改造し威力をあげるなど様々な方法で楽しく学んでいっている。


だが、やはり剣の稽古はキツイ。

俺はゲーム世界でしか剣など振った事無いためやはり知識は利用できず、

うまく振れているいるのかすらよく分からない。


そして、ステラが厳しいのなんのって。

剣の稽古が終わった後は嘘みたいに優しくなるのにこの時だけは本当に怖い。

俺のこの家の子供だよね?って心配になるほど厳しいものだ。


初めての子供で、しかもこんなに若い歳で持ったからどうすればいいのか分からないんだと思う。

近くにそれを教えてくれそうな人達も居ないわけですし。

でも限度を考えようぜ、俺は中身高校生だからまだ良いけど、

これが正真正銘ガキだったらお前ら親権制限制度の

法律に触れているからそく逮捕だよ。


この世界にあるのかは知らんけど。

俺の心配尽きる事を知らない。





稽古が終わり自由時間。

俺は早速部屋に戻りアランの書斎から頂戴してきた本を読み始める。


どんなに強くなろうとそれを使うタイミングを見誤れば世界常識を

知らない俺なんか瞬殺されてしまう。

だからこうして本を読み、その字を習得する事である程度の

知識を身に着けるのだ。


俺が勉学に勤しんでいるとお邪魔虫が俺の部屋に入ってきた。




「アーちゃん!遊びましょう!」



「アーサー、遊ぼう。」



来たぜ、親バカが二人も。

俺はすぐさま本と文字を練習していた紙束をベットの下に隠し、

笑顔で二人を迎える。



「はい、お父様、お母様っ!」



俺も最近演技に拍車がかかってきたものだ。

歳相応の愛らしい笑顔に、ふてくされた時の表情まで全てを網羅した。

この時間だけは俺が奴らに反撃する事を許された空間。


最初はさも楽しそうに振る舞い、途中から飽きた事を

分かりやすく態度に表す事で奴らの心を抉る。

そして、それでもしつこく絡んできた所を

ふてぶてしい態度でそっぽ向いてしまえば完璧だ。

これで、奴つらは地を這う虫ケラと化す。


この世界での俺の容姿はステラ曰く「超やばいわ!可愛いィィィ!

これ以上可愛い子がいるって言う奴がいたら私が目を覚まさせてあげるわよ!」

レベルに可愛いらしい。


俺は客観的捉える事が出来ないから鏡を見てもよくわからん。

それでも、効果は覿面だ。


俺のふてぶてしい表情一つで、さっきまで心抉られたいた

二人が頭からハートマークを噴出しつつ地面に這いつくばっている。

フ、ちょろいぜ。



「可愛い・・・なんてくぁわいぃぃぃんだ、アーサーは!」



「ええ、末恐ろしい子。この先どうなるかが心配だわ・・・」



俺の中の二人に対する尊敬という名のパラメーターは

この時ばかりは著しく低下する。

これがそんなに強い人達なのかって疑いたくなる。

だから俺は精一杯冷たい視線を浴びせた。

だが、彼らは気持ちよさそうに身をクネラセルダケダッタ。


変態めっ!









     ◆◆◆◆◆◆◆





今日も修行という名の恐ろしい稽古は続く。

朝起きれば早速、剣の稽古だ。

俺が「太陽は嫌いだから無い時がいい。」って言ったら稽古は朝になった。


ま、俺的には日中でないだけありがたい。

稽古が終わりもう一眠り。

そして太陽が昇り朝日がカーテンを通して俺の部屋に流れ込む。


鳥達の囀りと共に俺は再び起床する。

だが、隣には当然のごとく一緒に寝ているステラの姿が。

しっかりと俺を抱きしめ、放すまいとしている。


こんな時の起こし方はこうだ。

アラン直伝の技!



額にそっとキスをする。


ガバッと勢いよく起き上がるステラ。

顔は真っ赤に染め上がっている。

きっとアランと勘違いしたのだろう。


俺も羞恥心から頬を軽く染める。

顔を俯きながら、ゆっくりと口を開く。



「お、おはようございます。お母様、お腹が空きました、

朝食をお願いできますか?」



「アーちゃん・・・・誰からそんなの習ったのって、一人しか居ないわね・・・」



こうして、目が笑っていないステラはゆっくりと部屋を出て一階の食堂へと降りていった。

その際、悲鳴らしきものが聞こえたが俺は無視する、俺の演技もレベルが上がったものだ。

さて、朝食が出来上がるまでは魔力消費に努める。


これもアランから聞いたんだが成長期に魔法を使い続けると

普通は増えないはずの魔力総量が使った分だけ増え続けるらしい。

とてもいい情報だ。


俺的には最強を目指したいので日々魔力消費に努めてる。

それにしてこんな裏技的なのも知ってるって本当に内の両親は何者なんだ。



ま、気にしても始まらん。

さっそく俺は風魔法で「ボール」を生成する。

俺は五系統ある魔法の中で『風』が一番得意なのだ。


別に他のが出来ないわけではなく何故かこれだけが飛びぬけてうまい。

アランも得意らしいので遺伝なのだろう。

俺は風魔法で「ボール」を作成し、それを凝縮。


さらにその上から風魔法をかけ、また凝縮。

この作業を俺の魔力が尽きる手前まで繰り返す。

魔力が尽きると頭痛と吐き気に見舞われて大変だそうなので無理はしない。


そして出来た「ボール」は窓から外に向かって投げる。

これだけでも結構威力があるので、空中で霧散させる。



「よっし、後は物思いにでもふけりますか・・・」




俺は目を瞑り、ゲーム世界で駆け回る俺を想像し日々俺のイメージ力強化に励んでいる。

楽しい生活・・・ではあるんだが、どうにも足りない。


やはりゲームは俺の生きがいだったのだ。

それが無いとどうにもやるせ無い気持ちになってくる。



(ゲームしてたいなぁ・・・)


俺の願いはいつか届くのだろうか。














最後まで読んでくださりありがとうございます。

誤字脱字等ございましたら教えて下さい。


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