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第3話  ママン最強伝説

ここからいったん主人公の両親の話に入ります。ちょっと長くなるかもしれませんが最後まで見てくださいね。



ついに、ブックマークが増えました。感激です!

これからも頑張って行こうと思いますので、よろしくお願いします!

冒険者とは冒険者ギルドに所属している者達の総称で、

主に騎士団や国の軍が対処しきれない魔物の討伐から

迷子の猫探しまで幅広く仕事をこなす何でも屋だ。


そんな世界各地にある冒険者ギルドにはレベルに応じてランク分けがされている。

強い順に並べるとこうだ。

SS、S、A、BB、B、C、D、E、F、Gの10段階。

魔物の強さのランクは1~13まで13段階。



そんな中、ステラは『黒髪の獅子』というふたつ名を持つ凄腕の冒険者だった。

その女騎士のような高貴な佇まいと美しい風貌から男の冒険者達からの求婚は日常茶飯事だった。


礼儀を知らない、貴族が「私の愛人にしてやる。どうだ、光栄だろ?」と言ってきた時には

顔面を拳で陥没させてやった。


そんなステラのクラスはAランク。

並みの者ではたどり着く事のできないと言われたランクである。

平凡な才能しか持たないものがいくら頑張っても成れるのは精々Dランク。


B、BBランクは才能ある人間が努力を惜しまず鍛錬を続け、

高位の魔物達を葬ることでやっと成れるランク。


Aランクはそれを才能だけでいとも容易く補える上に努力をした上で

勝ち取る事の出来るランクであった。


そのため彼女の周りにはソロの彼女を自分達のクランに入れようと近寄ってくる

ものが後をたたなかった。

ステラは自分の事を過大評価しており、自分に勝てる奴なんていないと思い込んでいた。


でも、それはあながち間違いではなく、現にこの商業都市ガルルの支部には

彼女を上回る実力者がいなかったのだ。


その日は調子もよく今日は火竜でも狩りに行こうかと、

受付の人から火竜討伐クエストを受け、ステラは商業都市ガルルの近隣に聳え立つ

アルカス山脈まで来ていた。


だが彼女はこの日を境にその幻想をぶち壊される事になる。





       ◆◆◆◆◆◆◆




火竜は強い。

冒険者だけでなく、一般人にも知れ渡るほど火竜の強さは認知されていた。

固体では竜種の中で最弱とされる火竜だが、何故それほどまでに恐怖されていたか。

それは彼らの知能が高いことに由来する。


彼らは群れでの団体戦を得意とし、人間の様に6~8組みの群れを形成、

その群れによって数多くの敵を葬ってきたのだ。

それでもたまに高位の冒険者達には遅れを取っていた事もあった。


だが、それと比べて今彼らの前にいる黒髪の女の強さは常軌を逸していた。


仲間の一人がブレスを放つ。


火竜のブレスはその高温と威力から鉄をも一瞬で熔解変えるとされている。

だが、ブレスを放った後の地面には傷一つない女の姿があった。

女はブレスを剣で弾いていたのだ。



仲間達が驚愕の表情を浮かべていると、黒髪の女は助走もせず、地面を軽く蹴った。

たったそれだけで、空を飛んでいる我々の所まで到達すると細剣で仲間の首を一撃で切り落とした。

火竜の外殻は硬い鱗で守られており並みの剣なら根元からポッキリと折れてしまうほどだ。


だが黒髪の女はいとも容易く仲間の首を両断していく。

その光景に恐怖を覚えた他の仲間たちは逃げ出していく。


この群れのリーダーである火竜は撤退の指示を出した。

これ以上この女と戦闘を続ければ無駄に、仲間の骸が積み重なるだけだからだ。

こうして強者として恐れられた火竜達はたった一人の人間の女に敗戦を期すことになる。










ステラのその、目にも止まらぬ速さで繰り出される剣撃によって

すでに4匹の火竜が物言わぬ骸と化していた。

だが火竜の被害が5匹を越えた所でその群れは逃げていってしまった。


ステラは早速火竜の素材を剥ぎ取り、アイテムポーチに入れるともっと奥まで進んでいった。

今日は調子が良く、さっきの戦闘でもかすり傷一つ受けなかった。



ステラは最近この山脈の頂上付近に新種の竜種が発見されたといいう情報を耳にしており、

火竜討伐のついでに見ておこうと思ったのだ。

だがステラが山の頂上付近まで来ると前方から此方に向かって走ってくる影があった。


すぐさま戦闘態勢に入るが、影が近づくにつれそれが人間であることが分かった。

格好から見て冒険者で間違いはないが、彼はすでに右腕を失っていた。



彼の切羽詰った様子からただ事ではないと判断したステラは辺りを警戒しながら彼に話しかけた。



「一体何があったの?貴方他のメンバーは?」



ステラの質問に男は顔を真っ青にして呟いていた。



「俺のせいじゃない、俺のせいじゃない。あ、あんなの聞いてない!!」


男はその場を転がるように走り去っていった。

ステラは男を無視し、この先に何かがあると思い、進んだ。

そこで彼女はとんでもないものを目にする事となる。






     ◆◆◆◆◆◆◆





トールを筆頭とするクラン名『風の旅団』は商業都市ガルルでも指折りの実力を誇っていた。

幹部である者達を加え、トールがもうすぐBBランクと噂されるほど実力者であることから

彼のクランは総勢240名の大規模なものだった。


そして今日、トールをBBランクに昇格するため、彼が選び出した精鋭部隊を持って

アルカス山脈の火竜達の大規模な狩りを行う事になっていた。


12人編成のパーティを2組作り、アルカス山脈に挑んだ。

最初は順調に進んでいった彼らだったが、ここで思わぬお宝発見をしてしまう。


もうすぐ昇格と噂される仲間の一人、カインが彼の固有スキル『鷹の目』で

頂上付近に卵が沢山あることが分かったのだ。


火竜の産卵の時期でないことから別種の卵と推測できる。

竜種の卵はそれだけで大変貴重な素材であり、万能薬ともされているだけでなく

国に売れば竜騎士団の竜が増えると高値で買ってくれるのだ。


本来の目的からは外れるがこんな一攫千金チャンスは滅多になかった。


そのため彼らは火竜などには目もくれず、こぞって頂上を目指したのだ。

そこに待ち構えている災厄など知りもせずに・・・。








「「「「「「おおおおおぉぉぉ!!」」」」」」



彼らは頂上に着いたとき思わず歓声が漏れた。


彼らの眼前には1mほどの巨大な卵がずらりと置いてあったのだ。

まだ親の竜は帰ってきていないらしく今がまさにチャンスだった。


彼らは手分けしてアイテムポーチに卵を詰め込んでいった。

卵は重く、二人係でやっと持ち運びできる重さだった。


そのため卵の回収には思った以上に時間を取られてしまい、

何時戻るか分からない親竜の恐怖に皆あせっていた。


だからだろうか、彼らがそれに気が付いたのは。

カインは辺りを警戒しており、親竜が帰還した際には報告する予定だった。

すると彼の固有スキル『鷹の目』に怪しげな影が映った。


カインは目を凝らしもう一度見たが、やはりそれは見間違いなどではなく親竜と判断した。

カインはすぐさまトールに報告するが、トールの様子がどうもおかしい。

目が金マークに変わっている。


他の者達も卵を回収するたび「グヒヒイ・・」など気持ち悪い声を漏らしており、

カインが大声で怒鳴って彼らはようやく正気を取り戻した。



「ハッ! しまったつい、目の前の欲に惹かれてしまって・・・いかんな、皆撤退するぞ!!」



トールの掛け声もあってか、皆渋々ではあったが移動を始めた。

だが、トール達は気づいていなかった、あの竜がいったいどれほどの速度・・で移動してきているかを。



移動を開始した直後だった、彼らの上空を大きな影が覆った。

次の瞬間甲高い鳴き声と共に、横殴りの暴風が吹き荒れトール達は思わず立ち止まってしまった。


彼が目を開いた時、そこは地獄と化していた。
















読んで下さり本当にありがとうございました。

誤字脱字等ありましたら、ご報告ください。


お気に入り登録してくださってる方に感謝の言葉を。

数字はやる気に直結するのです!

今後とも末永くお願いいたします!

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