第零話
リメイク版です
よろしくです。
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しんと静まり返った道はとても不気味で、不安な気持ちになった。いつもは人で溢れている道に今はたった一人で立っていた。
街灯がチカチカと点滅していていっそう不気味な雰囲気を作り出している。
午前3時。
なぜこんな時間に外にいるのかもわからない。親と喧嘩でもないしコンビニとかになにか買いに行くわけでもなく、ただ気がついたらこの人も車もいない交差点の真ん中にポツンと突っ立っていた。
なんだかここがとても危険な場所に思えた。交差点の真ん中だからというわけではなく、全く別の理由だった。でもそれがなんだかもわからない。
とりあえず家に戻ろうと歩き始めた。
ぽつぽつと立っている街灯は、さみしそうに光っている。
しばらく歩いていると後ろから自分の足音ではないもう一つの足音が聞こえてきた。
俺は気にせずいままでとと同じペースで歩いた。
しかしその足音はだんだん近くなりすぐ後ろまで来る。するとそいつは俺の肩に手を置いた。
とても冷たいその手には生気を感じられなかった。
俺は勇気を出して、振り返った。
そこには見たことのない生き物がいた。
形は人間に似ているが全身が真っ黒だし、関節が見つからない。頭部のようなものはあるが顔は口だけで、鼻も目もなかった。
その変な生き物は手らしきものをちぎって地面に落とし、ニヤッと笑うと俺の影の中に消えていった。
俺はたまらず逃げ出した。手だったものが俺を追ってくる。
俺は体力の限界の先の先まで走った。
俺は恐怖のせいで体力を少し早く使ってしまって、もう走ることはできなかった。
だが、ここまでくればもう大丈夫だろう。そう思って腰を下ろしたのが間違いだった。
「油断したね」
突然後ろから声が聞こえ、バッと後ろを振り返る。
何もない。
誰もいない。
怖い。
立ち上がることができない。
逃げなければ。
でもどこに逃げればいいのだろうか。
さっぱりわからない。
俺の影から黒い手らしきものが現れた。手が地面に手をかけてズボッとさっきの変な生き物が姿を現した。
俺はそれから地面を這って逃げた。
それをべちゃべちゃと音をたてて追ってくる。
ついに、追いつかれてしまった。
俺はどうなる。死ぬのか。どうして。俺が何をした。なんで俺なんだ。
疑問と恐怖で頭が埋め尽くされていった。
「うわああああああああああああああああっ」
もう、叫ぶことしかできなかった。