47 魔界2
「じゃあ行ってくる」
スーザーとライラ、それからソルジャーが二名。
俺が従えているわけではない。スーザーが先頭で、ソルジャーが後方に構えてくれる。
「魔界に行く格好とは思えないわね」
ライラに指摘されて、はっとする。
「武装するようなもの持ってない」
「そう。じゃあ、あとでお金払ってよ」
ライラが魔法で装備を強化してくれる。
トムじいさんに全員分の通行料を支払う。
石柱に鉄の門。その門に扉がついていて、じいさんはこちらからそこの鍵を開けるのが役目。
「これを入った瞬間、襲われたりしないの?」
向こうでモンスターが待ち構えているかもしれない。
「もうひとつ門があって、魔物はそこからこっちには来れないみたいなの」
とライラが答えた。
「へぇ」
どういう仕組みなのだろう。
確かにもうひとつ門というか、人間ならば体の向きを変え工夫をして通れる薄い鉄の板があった。魔物は横を向いて歩けないのだろうか。
「気を抜かないように」
うしろのソルジャーが言った。二人も魔界に行くのは初めてではないらしい。
魔界って、なぜか地面はぬるっとしているし、なんか臭いし、なぜか日が当たらない。木が多すぎるのだ。
「この木を少しずつ切ったら?」
俺は提案した。
「空気が薄いのか火を起こしてもあまり燃えない。暖が取れなくて冬は滅茶苦茶寒いんだ」
先頭のスーザーが答えた。
「この天候じゃずっと冬みたいだ」
「夏は暑いの。じめっとしてる」
ライラが振り向かずに言った。
「くるぞ」
スーザーの言葉に俺以外が剣に手をかける。
弱々モンスターをスーザーが秒で倒す。
「おお」
「感心している場合ではない。そこのキノコはうまいぞ。おっと、水晶だ」
スーザーは先頭で忙しそう。
「確か、ここをまっすぐ行くとあの女の子の家よね」
ライラが言う。
「うん」
地図があるからそれは間違いない。
「そこに行ってみよう」
スーザーが道案内をしてくれる。
コウモリかと思ったらモンスターだったし、小動物だと思ったらアンデットだった。魔物とアンデットの差がよくわからない。
禍々しい石だと思ったらメノウという宝石に近い鉱物らしい。
「売れる?」
俺は聞いた。金にならないならこんな重いものは持って帰らない。
「それなりに加工ができれば。とりあえず小さくして私のバッグに入れとくよ。向こうに戻ったら元の形にしてあげる」
「ありがとう、ライラ」
ミンティの家は廃墟のようになっていて、
「扉を開けたら魔物がいそう」
とスーザーも言った。
エリックたちもここへは来たものの、そう思って開けなかった可能性もある。結界はもう張られていないようだ。




