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図書委員のおもちちゃん  作者: 鵲三笠


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第22話 御曹司とデートするおもちちゃん

とある日の朝。鞄を持つとおもちは玄関のドアを開けた。


「い、行ってきます……」

「今日はデート?」


あずきがニコニコしながら聞くとおもちの顔が赤くなる。


「ち、違うよ!お出かけ!デートじゃ……」

「ふふっ。わかったわ。楽しんでね」

「うん」


おもちが家を出るとあずきはじっと閉まったドアを見つめる。


(あの子が私以外の誰かとお出かけするのはこれが初めてかしら?)


昨日、おもちが部屋で服を迷っていたのを思い出す。


(大翔君いい子だったなぁ……これからもおもちと仲良くしてくれるなら嬉しいな)



駅前に着くと、大翔はまだ来ていないようだった。

集合場所でじっと待つが、ドキドキが止まらない。


(うぅ……ドキドキする……)


このドキドキは緊張からきてるのか……大翔と二人きりで出かけるからなのか……


「ごめん!待った?」

「大翔君……」


大翔が慌てておもちの元に走って来た。


「大丈夫ですよ。まだ時間じゃないし……」

「よかった。てっきり遅れたかと……」


おもちを見るとアイボリーのワンピースを着ていて、その可愛さに見惚れていた。


「大翔君?」

「あっ……えっと……可愛いね……」


それを聞いておもちの顔が赤くなる。


「あ……ありがとうございます……」

(照れてる顔も可愛いな……)


お互いの顔が周りの人もチラチラ見るほど赤くなっていた。


「……行こうか」

「は、はい!」


二人がやって来たのは遊園地だった。


「遊園地……来るの久しぶりです!」


おもちが目を輝かせるのを見て、大翔はクスッと笑う。


「何ですか?」

「ううん。何でもない。チケット買ってるから早速入ろうか」

「えっ⁉申し訳ないですよ!」

「俺が誘ったんだから。はい」


チケットを渡すと、少し躊躇して受け取る。


「ありがとうございます……」

「じゃあ入ろう」


入場口を通り、園内に入る。


「どこ行きたい?」

「大翔君が行きたいところでいいですよ」

「じゃあ……あれいい?」


指をさしたのはジェットコースター。キャァァァァァという叫び声が聞こえる。


「ジェットコースターですか?」

「もしかして苦手だった?」

「いえ……私、遊園地一回した行ったことがないので懐かしいなと思って」

「……俺も一回した行ったことないな」


確か……母さんと行ったんだっけ?

幼い頃に母親と遊園地を楽しんだことを思い出す。


「……」

「大翔君……大丈夫ですか?」


おもちの声でハッとする。


「大丈夫だよ。行こうか」

「はい」


おもちの手に伸ばしかけた腕を、慌てて止める。


(恋人じゃないから……ダメだよな……)



大翔たちの順番になり、乗り込むと安全バーを下げる。


『それでは出発します』


発車すると、上にどんどん上がっていく。


(久しぶりだけど上がっていくとやっぱりドキドキするな……)


頂点てっぺんまで上がると、猛スピードで下がっていく。


「「キャァァァァァ!」」


坂がなくなっても猛スピードでレールの上を進む。


(これ……結構きつい……!)


スタート地点に戻ってくると、安全バーを上げる。


「いやぁ……きつかったね……大丈夫?」

「……」

「おもちちゃん?」

「凄く楽しかったです!もう一回行きませんか?」

「えっ……」


これを……もう一回……?


「もしかして……しんどかったですか?」

「それは……」


おもちが子犬のような瞳で大翔を見つめる。


「……行こうか」

「はい!」



もう一回ジェットコースターを楽しむと、おもちは満足そうな表情をしていた。


「楽しかったですね!」

「……」


大翔は今に倒れそうな顔になっている。


(行くんじゃなかった……でも……)


おもちの楽しそうな顔を見つめる。


(おもちちゃんの明るい笑顔見れたなら……行ってよかったかな)


大翔が微笑むと、ぐ~っという音が鳴った。おもちが恥ずかしそうにお腹を抑える。


「ご飯食べに行く?」

「……はい」


二人は遊園地にあるフードコートに向かう。


「何食べたい?」

「じゃあ……ラーメンがいいです……」

「OK!」


ラーメンを注文し、席に座る。


「ごめんなさい……まだ一個しか行ってないのに……」

「気にしないで。俺もお腹空いてたから」


タイマーが鳴ると、二人はラーメンを取りに行く。

大翔は豚骨ラーメン、おもちは醤油ラーメンだ。


「食べ終わったら次どこ行く?」

「次は……4Dアトラクションとかどうですか?」

「いいね」


大翔はラーメンを食べ終わり、手を合わせる。


「ごちそうさまでした。食べ終わったから行こうか」

「大翔君……あの……」

「……?どうしたの?」

「その……」


おもちが顔を赤くしながら、もじもじする。


「もうちょっと食べたいので……買いに行ってもいいですか?」

「……フフッ」


大翔は堪え切れずに笑ってしまった。


「全然いいよ」

「すみません……」

「おもちちゃんっていっぱい食べる人なんだね」

「恥ずかしいです……」


おもちはフライドポテトとアイスクリームを買った。


「大翔君もよかったらどうぞ」

「いいの?」


大翔はポテトをケチャップにつけて食べる。


「美味しい」

「あっ……大翔君ケチャップ口についてます……」

「本当?」

「拭きますね」


おもちは鞄からティッシュを出すと大翔の口を拭く。


「……!」

「拭けました」

「……」

「大翔君?」


大翔は思い出す。幼少期に母親と遊園地に行った思い出を……



―――「お母さん!お腹空いた!」

「そろそろお昼だし、ご飯にしようか」

「やった~!」


フードコートに入り、大翔はカレーを食べる。


「美味しい!」

「大翔はカレー好きだもんね」

「うん!でもお母さんが作るカレーが一番好き!」

「本当⁉嬉しい~!」


明美は嬉しそうに微笑む。


「ごちそうさまでした!」

「大翔。口にカレーついてるよ」

「本当?」

「拭いてあげるね」


明美がティッシュで大翔の口を拭く。


「大翔はイケメンなんだから。かっこいい顔が台無しだよ?」

「ありがとう!」


―――「大翔君?」


おもちの声にハッと我に返る。


「大丈夫ですか?もしかしてさっきのジェットコースターがしんどかったですか?」


心配そうな表情で大翔を見つめる。


「大丈夫だよ。少しボーっとしてただけだから」

「そうですか。もうすぐ食べ終わるので……」

「全然待つからゆっくりでいいよ」



それから二人で遊園地を楽しんだ。

4Dアトラクションやコーヒーカップなど様々なアトラクションを楽しんだ。

時間あっという間で気づけば夕方になっていた。


「大翔君。今日はありがとうございました」

「こちらこそ。俺の誘いに付き合ってくれてありがとう」

「楽しかったです。また……大翔君とどこかに行きたいです……」


そう言うおもちの顔を見て、大翔はドキドキする。


「あのさ……おもちちゃん……」

「……?はい」

「その……伝えたいことがあってさ……」

「伝えたいこと?」


大翔はドキドキしながらおもちを見つめる。


「俺……おもちちゃんの……」


そう言いかけた瞬間、後ろから声が聞こえた。


「あれ?あの時の店員さん!」


二人が声がした方に振り向くと、イケメンな男が遊園地キャラクターの仮装をして立っていた。


「あっ!心理学の本を探してた……」

「あの本凄く分かりやすくて勉強になりました。ありがとうございます」

「いえ……お役に立ててよかったです」

「ところで……そちらの人は?」


男が大翔を見ると、男の背中を誰かが蹴る。


「痛っ!」

「また他の人に絡んで!迷惑でしょ⁉」

「だってお世話になったからさ。お礼言いたいじゃん」

「それでも今、声をかけるのは違うでしょ!すみませんバカ幼馴染が迷惑……」


金髪の女子が二人を見ると動きが止まった。


「大翔君?それにおもちちゃんまで……」

「稲見ちゃん?どうしてここに……」


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