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図書委員のおもちちゃん  作者: 鵲三笠


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第21話 御曹司の短期留学(後編)

朝。寝不足の状態で大翔は、バスで短期留学の学校に向かっていた。


(はぁ……眠い……)


おもちと話せたことが嬉しくて、なかなか寝ることができなかった。


(日本に戻ったら絶対、おもちちゃんをデートに誘おう。楽しませて……そして……)


自分の想いを……伝えたい……

そう思っていると胸がドキドキしていることに気づく。


(はぁ……会いたいなぁ……)


そう思っているとバスは最寄りの停留所に到着した。



停留所から歩いて数分、大翔は学校にたどり着いた。


(ここが……|Pacific Academyパシフィック・アカデミー……)


大きな学校の雰囲気に圧倒される。


(どんなことを学ぶのか……楽しみだな……)


教室に入ると、大翔と同じ留学生が少数いた。

大翔が席に座り、数分経つと先生と思わしき人物が入ってきた。


「皆さんこんにちは!サンフランシスコにようこそ!」


高身長でナイスバディな美女がウインクする。


「私はマナラ・サマンシス。この学校の教師で今回の留学生の授業を担当するわ。よろしく」

「「よろしくお願いします」」

「ではまず皆初対面だから緊張破壊遊戯アイスブレイクを始めましょうか」


そう言うと、マナラはニッコリと微笑んだ。



同時刻。おもちは部屋で本を読んでいた。不思議な力を感じ、手に取った本を。


(面白いって感じた……)


本を閉じると、自分の本棚に直した。


(決めた。私はこれを夢にする。そうと決まれば……)


パソコンを開き、調べ始めた。自分の夢を実現するための環境がある学校を求めて……



学校が終わり、大翔は緊張破壊遊戯アイスブレイクで仲良くなった橋本悟はしもとさとると帰っていた。


「それにしてもまさか悟がサッカーを観るために短期留学するとは……」

「今推してるチームがあってさ。そのチームがアメリカで試合するんだよ!

どうしても行きたくて親に頼んだら留学のついでならって滞在費出してもらって実現したんだよね!」

「なんていうチームなの?」

「フランスのプロサッカーチーム……ブルターニュ・オセアンだよ!今フランスサッカーリーグで勢いのあるチームなんだ!

そのチームがアメリカのプロサッカーチーム……ゴールデンベイFCと試合するんだ!」

「へぇ~もしかして親善試合?」

「うん。ブルターニュ・オセアンがアメリカに遠征に来てるんだ。今日試合だし、会場はサンフランシスコだからこの短期留学があって本当に感謝してるよ!」


悟はスマホで時間を見ると、慌てたように走り始める。


「ごめん!早く行かないと!またね!」

「あぁ」


大翔が手を振りながら、悟の後ろ姿を見つめる。


(俺も何か趣味ほしいなぁ……)



ハナスル家に戻ると、ダニエルとエリックがテレビでサッカー観戦していた。


「もしかしてそれブルターニュ・オセアンVSゴールデンベイFCの試合?」

「そうだぞ!」

「大翔詳しいね」

「仲良くなった人がサッカー好きで楽しみにしてたから」


エリックと話していると、ダニエルが悔しそうに頭を抱える。


「マジかよ!一点取られたぞ!」

「やっぱりフランスのサッカーチームは強いね。それに決めたのはブルターニュ・オセアン唯一の日本人選手……」


大翔がテレビを見ると、シュートを決めた人物の名前が表示される。

それを見ると、驚いたように目を開いた。


六皇子ろくおうじ……修也しゅうや……⁉」

「知ってるの?」

「俺が通ってる高校の卒業生だよ。在学中に海外のプロサッカーチームからスカウトされたって聞いてたけど……それがこのチームだったなんて……」

「へぇ~高校生でスカウトされるってすごいなぁ……高校では有名だったの?」

「あぁ……有名だった……」

「やっぱりそうか……」

「休み時間いつも彼女とイチャイチャしてて……それがクラスメイトの間で有名だったらしい……」

「……そっち?」



試合が終了し、修也はベンチに置いた水筒の水を飲んでいた。


「修也お疲れ。今日も良いシュートだったぞ」

「ありがとう」


飲み終わると寂しそうな顔をする。


(夕香ゆうか……)


チームに入ってから彼女の夕香とは会えていない。電話もしていない。

メールはたまにするが、お互い忙しくて頻度が少ない。


(念願のプロになれて嬉しいけど……夕香がいないと寂しいよ……)


ロッカールームに入り、ユニフォームを脱ぐと鍛えられた筋肉が露わになる。

ロッカーを開き、スマホを取り出すと新着メールがきていた。


(……!夕香!)


メールを開き、文を読むと嬉しそうな顔になった。


「どうした修也?」

「なんでもない!それより今日のMVPは俺だからシーフード奢れよ」

「しょうがないなぁ」


スマホには夕香からのメール画面が表示されていた。


『試合見たよ。かっこ良かった!』



数日経ち、短期留学も終わりが近づいていた。

サンフランシスコ国際空港でエリックたちハナスル家が大翔を送り出そうとしていた。


「いやぁ……あっという間だったな……」

「大翔君お兄ちゃんよりお兄ちゃんだった!」

「それどういう意味?」


ハナスル家が笑いが生まれる。大翔もそれにつられて笑った。


「短い間でしたがお世話になりました。ありがとうございました」

「またいつでも遊びにおいで」

「私、次は大翔君とデートしたい!」

「ありがとう。でもごめんね」


大翔はおもちの顔を思い浮かべる。


「俺……会いたい人がいるから」


それを聞いてエミリーが不満そうに頬を膨らませる。


「それは残念だな~」

「そんなこと言わない」


エリックがエミリーの頭をポンポンと叩く。


「大翔。君と会えてよかった。僕も日本に行きたいし、その時は案内してね」

「もちろん」


大翔が時計を見ると時間が近づいていた。


「ありがとうございました!また会いましょう!」

「またね!」

「バイバイ!」


エリックたちは暖かい目で見送った。



成田国際空港に到着し、大翔がスーツケースを持って現れた。


「おかえりなさいませ。お坊ちゃま」

「おかえりお兄ちゃん!」


博俊と杏が迎えに来ていた。久しぶりに二人に会って心がホッとするような感じがした。


「ただいま」

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