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図書委員のおもちちゃん  作者: 鵲三笠


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17/30

第17話 御曹司の家を出たおもちちゃん

とある日の病院。あずきの病室におもちはお見舞いに来ていた。


「明日退院できるんだね」

「えぇ。まだ松葉杖はいるけど、歩けるようになったしね。おもちには苦労かけるかもしれないけどごめんね」

「大丈夫。私にできることは全部やるから安心して」


病院を出たおもちは何かを思ったのか、ふと立ち止まる。


(お母さんが退院する……それは嬉しいけど……大翔君と一緒に暮らすのも終わっちゃうってことだよね?)


そう思うと寂しそうな顔になった。



家に帰ると、玄関に大翔が靴磨きをしていた。


「おかえり」

「た、ただいま……」

「お母さんはどう?」

「予定通り、明日退院できるらしいです」

「それはよかった」


靴磨きが終わると、靴を棚に戻す。


「じゃあ明日にここを出るんだね。杏が寂しがりそうだ」

「はい……」

「まぁ……俺も寂しいけど……」


それを聞いておもちがドキッとする。


「その……家に戻っても……また遊びに来てもいいですか?」

「もちろん。杏も喜ぶよ」


大翔は通りかかった博俊に声をかける。


「ねぇねぇ。おもちちゃんが明日、家を出ていくらしい。だから今日のご飯は豪華にして」

「かしこまりました。腕によりをかけて作らせていただきます」

「そんな……申し訳ないですよ」

「いいって。おもちちゃんとこうやって暮らすのも今日が最後だろ?最後くらいいっぱい食べて、話そうよ」

「……そうですね。ありがとうございます」


おもちは嬉しそうに微笑んだ。



夕食の時間になり、机にはいつもより豪華な食事が並んでいた。


「すげぇ……頑張ったな」

「いつもお坊ちゃまと仲良くしてくれていますから。これは私からのお礼です」

「……俺の保護者みたいな言い方だな」

「お坊ちゃまの身の回りの世話などが私の仕事ですから」


杏とおもちが遅れてやってくると、杏が目を輝かせる。


「凄~い!これ全部秋山さんが作ったの?」

「えぇ」

「どれも美味しそう!」

「ありがとうございます。秋山さん」

「いえいえ。ささ、料理が冷めないうちにお召し上がりください」


3人が席に座ると、手を合わせる。


「「いただきます」」


それから3人は食事をしながら、会話を楽しんだ。

学校の話……好きなものの話……小さい頃の話……

途中から博俊も参加し、4人で夕食の時間を楽しんだ。


「はぁ~いっぱい食べた~」


杏は満足そうな顔をする。


「毎日こんなご飯だったらいいのに」

「バカ言え。そんなこと言ったら贅沢したくなるだろ。たまにでいいんだよ。こういうのは」

「それもそっか。それにしても意外だったのはさぁ~お姉ちゃんって結構食べるんだね」

「!!!」


それを言われておもちは恥ずかしそうな顔をする。


「……言わないで」

「ごめん。嫌だった?」

「嫌ではないけど……恥ずかしいから……」

「えぇ~恥ずかしがることないのに~」


恥ずかしがるおもちを大翔がじっと見つめる。


(おもちちゃんっておとなしい印象だったけど……こんな顔するんだ……)


まだ知らない一面を見れて、嬉しい自分がいる。


「お姉ちゃん!一緒にお風呂入ろう!」

「いいよ」

「あっお兄ちゃんは……」

「入らねぇよ」



ご飯を食べ終わった大翔はいつものように、勉強していた。


(ふぅ~今日の復習はこれで終わり。飲み物取りに行くか~)


部屋を出ると、パジャマ姿のおもちがいた。


「あっ……お風呂上がりました……」

「う、うん……」


可愛い……


「大翔君?」


見惚れていた大翔がハッとする。


「あ、あぁ……すぐ入るよ」


大翔はドキドキしながら歩いていく。


(ヤバいなぁ俺……おもちちゃんのこと本当に好きだ……)


おもちちゃんが体調不良で休んだ時から、無意識に目で追ってしまう。

気づけばおもちちゃんのことばかり考えている。そこで自覚した。

俺は……おもちちゃんが好きだと


(おもちちゃんは俺のことどう思ってるのかな……)



翌日。学校が終わり、おもちは荷物を持って家を出ようとしていた。


「お世話になりました」

「またいつでもいらしてください」


おもちはチラッと大翔の顔を見る。


「大翔君……ありがとうございます。なんとお礼を言ったらいいか……」

「いいって。また困ったことがあったらいつでも頼って」

「はい」


もう一度頭を下げると、家から去って行った。


「お坊ちゃま。寂しそうですね」

「そ、そう?学校でも会えるし別に……」

「そうですか……私の勘違いでしたね」


博俊がニッコリと大翔に微笑む。もしかして気づいてる?


「杏も送り届けたがっていたけどな」

「部活ですから。仕方ありません」

「じゃあ部屋に戻って勉強するわ。もうすぐテストだし……ご飯できたら呼んで」

「かしこまりました」


博俊は頭を下げた。

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