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辺境のスケルトン  作者: 高田 知幸
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第4話 スケルトン、連行する。

「おら!トットと歩け!よそ見するな!」


「おい!そこ!隊列がずれてるぞ!ちゃんと馬車を引っ張らんか!!!」


「いい加減にしないと、またサンダーボルトくらわすぞ!コラァ!」


・・・と言う感じで、体力も精神力もボロボロになった盗賊や闇商人を只今連行しているところである。


行き先は、俺の()()()()()の街にする事にした・・・まあ、後々手間が掛からないしな。


昨晩、盗賊や闇商人を殴ったり蹴ったり玉を潰した後、ヒールなどで回復させ再度同様な拷問を行い、ナッシュの故郷『ガレット』の街に続く道を聞き出す事に成功した・・・そこまでやる必要はあったかどうかは疑問だが。


それほど遠くないらしい・・・まぁ嘘を言っている可能性はあるが仕方が無い、騙されたと分かった時には、改めて脅すとしよう。


しかし、見覚えのある物が一切ない・・・本当にあっているのかね?


そう思いながら、昨夜の出来事を回想する・・・。



しかし、本当に大変だったぜ。


オーバードーズでゲロ塗れで痙攣しながら糞尿漏らす奴もいたが、ヒールをかけながら活性炭を飲まして吐かしたのが1番良かった様だ。


最終的には適合するポイズンキュアを見つけ回復させたのだが、活性炭を飲ませななかったらどんだけ大変だったか…恐らく死人は出ていただろう。


途中で面倒臭くなって心肺停止した奴に、サンダーボルトをくらわせて心肺復活させようとしたが、火力が強すぎて、身体が焦げて全身けいれんを起こしてしまったり、治療している最中にゲロぶっかけられたり、錯乱した奴が股間に手を入れたと思いきや、漏らした『う○こ』投げてきたりしたな・・・。


あの時『う〇こ』が直撃したにも関わらず、キレて皆殺しにしなかった俺は偉いと思いたい・・・。


「ああああああああ!!!!!糞が!!糞がぁぁぁぁ!!!」と叫びまくっていたが、それは正常な人間の行動だろう・・・俺は、『う〇こ』を好む変態ではない!


しかし、よくあの状態から全員無事に生還させらる事が出来たなぁ・・・よく頑張った、俺。


どうせ生きていても、ほとんど世の為にならないクズ共だ、一部精神崩壊しかけている奴もいるが、まぁ、許容範囲だろう…多分。


弱ったままではヒールを施しても、すぐにぶっ倒れて連行出来ないので、手っ取り早く盗賊共のエネルギー補給させる為、砂糖でも作って飲ませるか・・・。


・・・


う~ん、錬金術で砂糖を作り出したのだが・・・見た目が麻薬と変わらんな。


ちょっと、すくって、舐めてみる・・・やっぱり、よく分からん。


スケルトンだからなぁ・・・変な物を作ってないか検証も必要だ、仕方が無い、魔法で分析でもやるか。


「立体魔法陣展開!!解析魔法!!!クロマトグラフィー質量分析!!!!」


・・・チン! はい、砂糖です! 間違いない!


ついでに『ラッシュ』も分析してみるか・・・あっ、サンプルデータが分からんから無理だわ・・・と言うより、俺の能力不足だな・・・解析が出来ん。


立体魔法陣出した事に滅茶苦茶ビビる盗賊と闇商人・・・。


とりあえず、砂糖の検証が終わったところで・・・あ奴らに食事を与えに行くか。


「はい!みなさ~ん、食事の時間ですよ♪」


砂糖が入った袋を持ち、盗賊と闇商人近づいていく・・・。


「うぁぁぁ!!!いや!!止めて!!!『ラッシュ』はもういらない!もういらないから!!!」とか「イヤだ・・・イヤだ!イヤだ―――!」とか「助けて下さい、神様!!!」と盗賊や闇商人が騒ぎ始める。


『神様助けて』は無いだろう・・・大体、バチ当たる様な事やっているんだから諦めろよ!


それ以前に、神に祈る前に、真面目にやる事やりなさいよ! 願うのはそれからだ!


前回同様に強引に砂糖と水を摂取させる・・・が、慌てて吐き出そうとする盗賊共。


あぁ・・・頑張って作ったのに、もったいない。


まあいい・・・そこまで拒絶するなら、お前らが心折れるまで繰り返してくれるわ!!!


そして、叫び声は深夜まで続いた・・・。



で、現在に至る・・・。


町まであと、どの位なのかねぇ・・・。


「おい、お前!町まで、あとどの位だ?」


「2時間ぐらい・・・だと思います、ハイ」


「そうか・・・それなら1時間で着かなかったらお仕置きな!」


「「「「「え?」」」」」


「倍の速さで歩けば達成出来るだろ?」


「無理ですって旦那ぁ~、持ちませんよ!」とか言っている盗賊と闇商人共


「大丈夫だ!問題無い!丁度そこに、気分が滅茶苦茶高揚する薬草が有る!錬金術で精製して摂取させたら解決だ!」と道の片隅に生えている毒草を指差す。


「・・・それ、扱い誤れば廃人になるやつでないですか!」


「『ラッシュ』よりマシだろ?」


「いやいやいや!そっちの方が数段ヤバいじゃないですか!」


「ヒャッハー!となってハッピーになるぞ、しかも、上手くいけば辛い事も同時に忘れるぞ…一生な」


昔、犯罪奴隷を戦争に使用する際、軍隊の管轄下でよく使用されていた麻薬の原料だ・・・と言うより、原料の時点で、すでに軍隊の監視下で管理しないと危な過ぎて管理出来ないほど危険性が有る。


ジャンキーですら手を出さないほどヤバい毒草の代表格の一つとも言われている。


それほどの毒草だ、精製して出来た麻薬の効力は絶大で、反抗的な奴も、この草を錬金術で処理して食わすと、あら不思議・・・順応な戦士に早変わり。


しかし・・・中途半端な処理をしたり、過剰摂取量してしまうと、一生、知能障害が治らないと言われている。


十分な処理をせず毒草を摂取したり、処理した物を過剰摂取した場合、最悪三日三晩苦痛を味わい死に至る・・・。


クスリ止めますか?人生辞めますか?の謳い文句を代表する麻薬の原料だ・・・真っ青な顔をして叫び始める盗賊と闇商人たち。


「イヤー!止めて!ちゃんと走るから!」とか「完全に人格崩壊しますって!勘弁して下さい!」など言っている。


「ちゃんと走る? ・・・いやいや、()()()()()()()()()大丈夫!」と言いながら毒草を採取する。


「「「「「ああああああああああ!!!!!」」」」」と絶望の声を上げる面々。


十分に毒草を採取してから出発した・・・。



出発してからの盗賊や闇商人の必死の顔・・・物凄い勢いで走り続け1時間も掛からずに街の関所に到着した。


どうやら、今までは時間稼ぎしていた様だ・・・。


気に食わん、ちゃんと走るなら走れよ・・・まったく。

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