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プロローグ
私はいつになれば家に戻れるのだろうか。
真珠湾攻撃から早5年・・・
もう日本が優勢だった時代は終わった。ゼロ戦が最強だった時はもう過ぎた。
そんな中我々航空隊は毎日特攻隊を送り出している。
帝国の敗北は目に見えていた。
「敵機襲来!!対応可能な隊員はただちに迎撃に向かえ!!」
そんな命令も今や日常だ。
特攻隊ももう護衛はつかない。
では銃弾を積まない丸腰の特攻隊に何が出来るのだろうか。本部は命を何だと思っているのだろうか。
私に特攻命令が下ったのはそんな中だった。
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自分が死ぬとわかっているのに戦場に向かうのは変な気分だった
「やはりゼロはいいな。」
私の愛機は零式艦上機52型である。
しかしこれに乗るのも最後だ。
私は別に死にたかったわけではない。
パイロットになりたかったのだ。
確かにその夢は叶い、もういつ死んでもいいと思っていた。
だが、丸腰で敵艦に突っ込んで死ぬのは嫌だ。
私はそう思いながらも愛機に乗り込むのであった。