【余談】ハンバーグを食すには
完結して暫く経ちますが、試験的に投稿してみます。
今、私の目の前にハンバーグとパンのセットがある。
鉄板の上で肉汁を滴らせる楕円形の塊が、ファミレスの室内照明の光を受けて淡く輝いている。
実に美味しそうである。
しかしながらそのハンバーグに、私からナイフとフォークを差し向けることはしない。と言うか、できない。
その理由が
『くっ!』
テーブルを挟んで対面に座る少女――少女姿の「幽霊」である。
彼女が両手の指先をナイフとフォークに透けさせて、悔し気な声を上げるのである。
「…………」
『もう一度……うーーっ、ハッ! ……くっ』
これでもう何度目の挑戦になるだろうか?
彼女の両手がナイフとフォークに重なるが、これらがピクリとも動く気配はない。
それならばと彼女は隣のパンに手を伸ばすが、その指先もパンから突き抜ける。
少し前に店員によって運ばれたハンバーグとパンのセットは、私が彼女に差し出した形から一切の変化がない。
鉄板で肉汁の弾ける音が小さくなっていくのを覚えながら、私はハンバーグと同時に運ばれてきたブレンドコーヒーを啜る。
……これらを注文する前から、こうなる気はしたのだ。
幽霊である彼女の存在は、どうやら私以外の人間には知覚できないらしい。
さっきも彼女が決めたハンバーグのセットは、彼女ではなく私が注文した。
その時に思った。「現実の物に干渉できない幽霊に、現実のハンバーグを食べることができるのか?」……と。
いわゆる「お供え物」でも、霊が現実に消費するとは聞いたことがない。
このため、彼女も現実のハンバーグを食べるのではなく、何らかの別の方法で満足感を得るのではと考えた。
そうなると、その現実のハンバーグのセットは、最終的にそのまま残る形になる。
このため、私も腹は減ってるが、自分にはブレンドコーヒーだけを注文した。
仮に私が富豪であれば、彼女とは別に好きなものを注文したのであろう。
しかし贅沢は敵だ。
彼女が頼んだセットを丸々残して帰るなど、私にはできない。
彼女の食べ残し? を最後まで残さず食べる責任が、私にはある。
そうしたわけで、彼女が満足……はできなさそうなので、私は彼女があきらめるのを待っている。
のだが……いかん、本格的に腹が減ってきた。
美味しそうなハンバーグを目前にして、私の我慢の限界が近い。
「なぁ、キミ」
『うるさいですちょっと黙っててください。今集中しているので……くっ!』
「…………」
再度のチャレンジに失敗した彼女に、恨みがましい目で見られてしまう。
うん? 私の方こそ恨めしいのだがな。
食べ物の恨みは怖いとのことわざがあるが、まさにその通りだと思う。
「…………」
私は渋々とコーヒーを啜りながら考える。
そもそもの話、どうしてこんな状況になったのか?
それは恐らく、彼女を縛っていた呪い? を私が解いたからである。彼女曰く、地縛霊が背後霊に昇格したのだとか。
そうなるまで——具体的にはあの事件が発生した先週末の金曜日から今日の夕方まで、彼女の姿は橋の上にあった。
私が会社への通勤で使う自宅近所の橋である。
その橋の上に、彼女はぼんやりとした様子で、独りでポツンと座り込んでいた。
私以外の誰にも気づかれず、見向きもされることなく。
私はその寂し気な様子がどうしても気になってしまい、通勤時の通りがかりに私からの一方的な挨拶を続けてきた。
これまで私に視線を向ける以外の反応を示さなかった彼女が、今日の夕方に突然話しかけてきた。
そのことに舞い上がってしまった私は、勢いで、彼女を拘束していたと思しき呪い——橋の手すりに刺さっていた藁人形の釘を、自宅から持ってきたバールで引き抜いた。
以上が事の次第である。
「…………」
先ほど私は彼女を「キミ」と呼んだが、私は彼女の名前を知っている。
——森安 遥、これが彼女の名前である。
つい先週、事件が起こった金曜日までは生きていた。
16歳の女子高生である……あった。
二重瞼の小顔の美少女であるのに加え、学校では成績優秀で人気もあったとか。
そういった彼女の生前の情報は、テレビのニュース番組やインターネットの記事から得たものである。
私自身は彼女の縁者関係者でなく、ましてや知り合いですらない。
この歳にもなって結婚すらしていない私にとって、女子高生とは未知の存在である。
『ぐぬぬぬ』
そんな美少女が幽霊になっており、今私の目の前で、ハンバーグにしかめっ面を浮かべていたりする。
……人生とは先の見えないもの。
どう転ぶのか、本当に分からないものである。
『っ、そうだ!』
空腹を通り越してぼんやりとしていた所、彼女はハッとこちらに顔を向けてきた。
『……すみません。お名前、何でしたっけ?』
「私のか? 天海だが」
そういえばまだ名乗っていなかったな。
『アマミさん、折り入ってお願いがあります!』
「……何だろうか?」
わざわざ折り入って何だろう?
『わたしに、あ~んってしてくれますか? その、ハンバーグを』
「あーん……何だって?」
『だからあ~んですあ~ん! ほら、お母さんが小さい子にするやつ』
「ああ。……あー」
なるほど。
つまり私がハンバーグを切り分けて……「あ~ん」と食べさせて欲しいということか。
だがそれは、お母さんが小さな子供にというよりも、むしろ恋人同士がやるやつでは。
「……それでも」
ワンチャンあ~んで、彼女がハンバーグを食べられる可能性はある。
だがそれは……マズイのではなかろうか。
恋人うんぬんもそうだが、その前に人目というものがある。
「…………」
私はそっとファミレス店内を見渡す。
ちょうど夕食の時間帯であり、目に入るテーブル席のほとんどが客で埋まっている。
問題なのは、これらの客も店員も、彼女の存在を知覚していないことにある。
私から見て、彼女は人目を惹くレベルの美少女であろうと思うし、さらにその全体がうっすらと透けている。
にもかかわらず、彼女に対して何らかのリアクションを示した人物を、未だ私は見ていない。
少なくとも店内に入ってから今に至るまで、彼女に視線が向くことは無かった……ように思う。
むしろ人々の視線が向けられるのは、私の方である。
それはそうだ。
傍から見れば、運ばれてきたハンバーグセットを誰もいない席に向け、独りでコーヒーを啜る中年男である。それは、さぞかし奇怪に見えるであろう。
この場にいる大多数の客が注目する先は、運ばれてくる料理であったり、同席する家族や友人、恋人であったりするだろう。
それでも、いやがおうにも感じるのだ。
時々私に向けられる、非常に怪しげなモノを見るような視線がっ!
ここファミレスにおいて、私の存在は明らかに浮いている。
それに輪をかけて、あ~んをしてほしい……だと? それは何というかもう、致命的なレベルで
「恥ずかしいのだが」
『えー!』
「…………」
むしろ私がえーと言いたい。
本当に、勘弁してほしい。
「だって仕方ないだろう、人目だってあるんだから」
『むぅ』
そう言ってふくれっ面を見せる。
……かわいいな。こういうのを、あざといと言うんだろうか?
彼女はその場で立ち上がってぐるりと店内に視線を巡らすと、『はぁ~』と深くため息をついた。
ため息をつきたいのは私の方である。
『仕方ないですね。分かりました。ならこっちに来てください』
「は?」
今度は何だ?
唐突な指示に一瞬混乱してしまう。
理解が追いつかない私に、目の前の彼女は『はーやーくー』と隣の椅子をバンバンと叩く様子を見せる。
……音は鳴らないが。
「はぁ」
目的は分からないが、席を移れというだけなら聞ける範疇である。
私は立ち上がり、彼女の隣に体を移した。
『はい。では改めて、あ~んをお願いします』
「……ぇ?」
あ~んはあきらめたんじゃなかったのかッ!?
……私が彼女に顔を向けると、彼女はしたり顔でこう説明する。
『いいですか? 人目が気になるのは、人が見えてしまうからです。
こっちの席であれば、人があまり見えないのでそこまで気になりません』
「…………」
いささか暴論ではないだろうか?
私が見えているかどうかは、人が私を見ているかどうかには関係ないと思うのだが。
それでも、確かにこちらの席では、先程まで私が見えていたテーブル席に背を向ける形になる。
この席からでも他のテーブル席が見えなくはないが、明らかに数は減っている。
『それに、私との距離も近くなります。テーブル越しにあ~んをしようとするから、目立って恥ずかしくなるのです。
この距離であれば、あ~んはむしろ自然では?』
「……ふむ」
あ~んが自然かはともかく、聞いたことがある。
心理学で、相手の対面に座るのは警戒心を高めるが、隣に座ることで警戒心を薄めて安心感を得られると。
パーソナルスペースというやつだ。
確かに席を移る前まで感じていたプレッシャーは、軽くなった……気がする。
「なるほど。……良いだろう」
『っ……では!』
「しようじゃないか。あ〜んというやつを」
『ーーーーっ!!!!』
その瞬間、ガッツポーズを掲げて彼女は声にならない叫びを上げた。
よほど嬉しかったのであろう。
それを横目に私はハンバーグにナイフを入れる。
「では、いいかね?」
『…………!』
彼女は居住まいを正し、コクコクと首を縦に振る。
薄目になって大きく口を開けた。
歯並びが綺麗である。
そこに向けて、私はゆっくりと慎重に、先端にハンバーグが刺さったフォークを伸ばしていく。
『「……あ~ん」』
………………
…………
……
『もぐ……もぐ』
「………………」
説明せねばなるまい。
……気は進まないが。
ハンバーグは今、彼女の口内にある。
私が右手で持ったフォークに刺さった状態で。
繰り返しになるが、彼女はその全身が薄く透けている。
このため、はっきり見えているのだ。
その……口内のハンバーグが。
私がカットした形状そのままに。
『もぐっ、もぐっ!』
彼女は必死に顎を動かしている。
しかしながらハンバーグは微動だにせず、形状に一切の変化も認められない。
『もぐっ……もぐ』
物を噛んで? いる時に口を開けないのは育ちが良いのかな……などと思っていると、次第に顎の動きが弱くなってきた。
『ファマミ……ふぁん』
「…………」
天海さん、と言ってるのかな? どこぞのコンビニではないはずだ。
それに応える形で、私は「どうかね」と聞いてみる。
『ふぁめ、まへん』
「…………」
噛めません、であろう。
まぁ……予想できたことだ。
当初から物体に干渉できない幽霊に、ハンバーグを噛めるのかと思っていた。
恐らく彼女の歯は、ハンバーグに当たることなくそのまますり抜けるのであろう。
「そのようだな」
『…………』
彼女は眉をひそめる。
その彼女の閉じた口から、私はハンバーグを引き抜いた。
やはり物理的な抵抗は何もない。
『ん゛っ……ちょっと!』
彼女はそう言って怒りの視線を向けてくる。
そんな目で見られてもな……。
私は首を振って「はぁ」とため息を漏らす。
「仕方ないじゃないか。実際に全く食べられていないんだから」
そう言って、彼女にハンバーグを突き出して見せる。
それは、私がナイフでカットした時点でのきれいな切断面を見せている。
『それは……』
「気持ちは分かるが!」
気持ち強めの口調で彼女の言葉をさえぎった。
らちが明かないと思ったのである。
「その、キミは幽霊なんだ……残念ながら。現実にハンバーグを食べるのは、無理があるんじゃないかな」
『…………そうかも、しれませんが』
彼女の視線が下がる。
眉間にシワを寄せているあたり、納得したようには見えない。
それでも怒りの矛先を私から逸らすのには、成功したようだ。
この流れで、私は続けて説得を試みる。
「なので代わり……と言っては何だが、このハンバーグは私が食べようと思う。
頼んだものを粗末にするわけにはいかないからな。はむ」
と、フォークに刺さったハンバーグを、今度は自らの口に放り込む。
……うむ、冷めてしまっているが美味いな。
やはり肉は正義だ。
非常に分かりやすい正義が、ここにある。
その肉の味が残っているうちにとパンをつかんで口に入れる。
個人的にハンバーグにはライス派なのだが、たまには良いだろう。
『ちょっと!!?』
「んむ?」
突然、彼女が大声をあげた。
私は驚いて、口の中にものが入っている状態で硬直する。
『なんてことをするんですかっ!? わたしの口に入っていたものを自分の口に入れるとか、正気ですかっ!』
「んぐ」
なるほど、間接キス的なことを気にしてるのか。
そこは年頃の女の子ということか。
だが、実際に彼女のツバがついているわけではないだろう。
別に気にする必要はないと思うのだが。
目の前の彼女はゆらりと幽鬼のように立ち上がり、私の肩をつかむ。
私の肩に、彼女の手が突き入れられる。
『汚いです吐き出してください! 今すぐっ!
…………?』
「……ん?」
どういうわけか、彼女は困惑したような表情を浮かべた。
吊り上がった彼女の目尻が、私の目の前でみるみる下がっていく。
『おい……しぃ?』
「……ごくん」
彼女が左右に瞳を揺らしている間に、私はようやく口の中のものを呑み込んだ。
……何だ?
何が起こっているんだ?
と困惑していると、彼女はおもむろに私に背を向け、私の膝に腰を下ろす。
―――否、私の座っている席に腰を下ろしたのである。
音もなく彼女の太腿が私のと重なり、尻、背中、そして頭が、私の中に埋まっていく。
「な、何を」
『もう一口』
私の顎の下から彼女は言葉を発する。
自身の胸元を覗くと後頭部が完全に埋まっており、顔だけが出ている形である。
下を覗くと額から突き出ている長いまつ毛が見える。
『もう一口、ハンバーグを食べてみてください』
「うん? 私が食べるのか?」
ついさっきまでの主張とは真逆の指示に、私は困惑する。
ハンバーグを食べられるのは、私としては嬉しいが。
「……いや、キミがそこにいると食べ辛」
『いいから早く』
有無を言わせず伝えてくる。
「まぁ、良いが」
気持ち食べ辛くはあるが、食べられない訳ではない。
私は気を取り直してハンバーグを切り分けて、自らの口に入れた。
……うん、うまい。
『ん……やっぱり』
「?」
何がやっぱりなのだろう?
『もう一口……いえ、そのまま全部食べてください』
「え、良いのか?」
『はい。ガッツリいっちゃってください』
「……分かった。では」
彼女の思惑が気にはなる。
しかしそれ以外に、目の前の肉の魅力には抗えない。
私はいそいそとハンバーグを切り分けて口に入れる。
もちろんパンも忘れない。
「もぐ…もぐ…」
『…………』
肉、パン、肉、パン。
そして付け合わせのウインナーと温野菜。
そのすべてがおいしい———
「ふぅ」
『…………』
あっという間に食べ終えてしまった。
気づいたらなくなっていた感じである。
「おいしかった。ごちそうさま」
『ええ、おいしかったですね。
ジューシーで柔らかくて、ソースの味もちょうど良くて。これならいくらでも食べられそうです』
「はは、『いくらでも』は流石に無理だろう。
だが確かに、もう一皿くらいなら……」
食後の会話が弾みそうになったところで、違和感に気づいた。
何か今、ものすごく変なことを言わなかったか?
「…………『おいしかった』?」
『ええ、おいしかったですよ?』
「ハンバーグが、か?」
『はい。ハンバーグが、です』
「…………」
『…………?』
いつの間にか私の胸から抜け出していた彼女が、私に穏やかな微笑みを向けて首をかしげる。
「食べられたのか?」
『食べられ……あぁ』
彼女は隣の席で手を打ち合わせた。
満面の笑顔を、私に向けてくる。
『わたしがさっきアマミさんに触れたとき、味が伝わったんです』
「味が、伝わった?」
思わずオウム返しになってしまう。
『はい。だからアマミさんに深く接していれば、アマミさんを通して私もハンバーグを食べられるんじゃないかな、と』
「それで……私の中に入ってきたのか」
『はい。その通りです』
彼女の回答に、私は小さく唸る。
あの奇妙な二人羽織の体勢に、そんな効果があったのかと。
「それで、食べられたと」
『ええ。食感まではっきりと。
ついでにパンや食器を持った感触もありましたね』
「ははぁ……それってつまり」
『——憑依、になるのかな?
ちょっと違う気がするけど』
「…………」
――憑依。
本来は霊が人の体を乗っ取ることを指している……と思う。
その手のオカルトに詳しい訳ではないから分からんが。
「私は何も感じなかったかな。普通においしいハンバーグだった。
実害はない、と思う」
少なくとも今のところは。
一般的な風邪や病気なんかでも、痛みやダルさのような自覚症状があって初めて問題になることだ。
なので医者の優劣は、まず患者から自覚症状を聞き出して、病気の種類や進行の度合いを正しく特定できるかで決まると聞く。
「いずれにしても、キミがハンバーグを食べることができて良かった。
満足しただろうか?」
何にせよ、結果は良しとしたい。
……この流れで成仏してくれると嬉しいのだが。
『満足? ……満足ですか』
私の秘かな願いに反して彼女が消える様子はなく、むしろ存在感を増しているように思える。
彼女は自らの口角を上げて、次のように問う。
『そう言うアマミさんこそ、満足しましたか?』
「私が、か?」
『えぇ。お腹いっぱいになりました?』
「…………」
実は物足りない。
先程もう一皿と言いかけたのは、正直な感想だ。
満腹中枢が働くまでの時間がかかっているだけかと思ったが、未だ空腹感が抜けない。
「本当にもう一皿食べられそうだな。いや、しかし」
『しかし?』
「あぁ、この年で食べ過ぎは良くない。ろくなことにならないからな」
高血糖や肥満のリスクがある。
それにこういう所では、金銭的な負担も軽くない。
『えー、良いじゃないですか。第一私が入った感じだと、アマミさん
―――あと二皿は余裕で行けそうでしたよ?』
「…………」
彼女はこう伝えてくる。
それは……さながら悪魔――もとい、幽霊による誘惑といった所か。
「…………」
私は不本意ながら……本当に不本意ながら、テーブル脇に立て掛けられているメニューに手を伸ばす。
『あ、このチーズが入っているのもおいしそうですね。目玉焼きが乗ってるのも良いなぁ』
「…………」
ウキウキと、隣の彼女はメニューを覗き込んでくる。
また私の中に入って食べるつもりなのか?
……食べるつもりなんだろうな。
「…………何が良い?」
ボソリと私が聞くと、彼女はパッと輝くような笑顔を向けてくる。
―――敵わない、な。
ふと私は、上司の言葉を思い出した。
孫が遊びに来るようになって、かわいいけど大変なんだ、と。
その時はそんなもんかと軽く考えていたが、その言葉に近しい体験を、私は今、しているのかもしれない。
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登場人物紹介
幽霊:森安 遥
近所の高校に通う16歳の高校生であったが、殺害され、偶発的に発現した呪いによってその殺害現場となった橋の上に固定されていた所を主人公に発見された。
ちなみに主人公は呪いを解いたと認識しているが、実際には呪いの本体が主人公に移っただけであり、固定先が橋の上から主人公に変わっただけである。
殺害されたときのショックと呪いの影響により、記憶の一部を失っている。
例えば、一般知識、常識、周辺地理や流行りの曲といったものは覚えているが、自らの名前を含めた生い立ち、家族、友人に関する記憶を一切失っている。
主人公:天海 一馬
中年のサラリーマン。
呪いを体内に取り込んだことで、少女の幽霊と霊的に繋がっている。
この呪いおよび少女の幽霊を現世に維持するため、飲食によるカロリーの摂取が余計に必要になった。