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100万年後に幽霊になったエルフ  作者: 霊廟ねこ
2章 才色兼備の猫人魔術士
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54 レンゼイ村へ移動中 1

 あの後、出発時間まで暇を潰してから私達は鳥バスに乗ってツグスタ村から出発した。


 次はレンゼイ村という所に泊まるそうだ。

 到着予定は夕方、着いたらすぐ夕食だろうな。


 食べるのはステラだから私には関係ないけどね。


 車内では昨日と同じくルイザを含めた4人で和気藹々(わきあいあい)と話しをしていた。

 座席は、ステラは通路側の座席で左にキディア、正面にはルイザでその隣はケミーとなっている。


 ルイザは既に3人が座っていたために正面にステラという彼女にとっては嫌な席となってしまった。

 最初は不機嫌な顔をしていたけど時間が経つにつれて慣れたのか笑顔でお喋りするようになっていた。


 楽しくしている私達だけどケミーとキディアは昨日と変わらず二人で喋ることはない。


 昨日までは脱走の時のことを引きずっていたけど、今日はそれに加えて密猟おばさんのせいでさらに溝が深くなった……気がする。


 ケミーは動物よりもお金を取り、キディアはお金よりも動物を選んだ。


 ケミーは、キディアが屋敷からの脱走時に見捨てようとしたことと、密猟おばさんの時の交渉でまたもケミー達とは逆の動きを見せたことで、致命的なまでの不信感が募っている。


 キディアは、囚われた経験があるにも拘わらず動物を見捨ててお金を選んだケミーに対して憤りを感じている。


 まぁ、私が余計な事をしなければこうはならなかったんだろうけどね。

 後の祭り、ないはずの胃が痛む。無い場所は魔法でも治せないから痛みは消せない。


 どうすれば二人とも仲良くなれるんだろう、どうにかしたいけどさっぱり分からん。


 そんな険悪な二人だけど、内に秘めてるであろう棘のある感情は表には出さずいつも通りを振る舞う。

 ルイザがいるから、というのもあるかもしれない。


 だからかルイザは変わらない態度で二人に接しており険悪な雰囲気には気づいてなさそうだ。


 ステラはルイザと話をしたがってたのでステラに任せて私は内側に引っ込むことにした。

 いつもの如く肩から出した霊体からの視界で4人の様子を眺める。


「ニャーニャー」


 三毛の兎猫ラビキャットはあの後どこまでもしつこく付いてきたのでステラが飼うことになった。

 ギルドの中まで追いかけて来て引き離すのが可哀そうだということで飼う許可を特別貰った。


 今は動物を入れるためのカゴに入れて私達が座る部屋の床に置いてある。

 カゴは動物が逃げ出さない様に全方位が塞がれていて、出入り口は横に付いた金網のような扉の1か所だけとなっている。

 このカゴはギルドから貰ったものだ。


「おー、よちよちよち」


 ケミーが網目状の扉に指を入れて兎猫の頭を撫でる。

 兎猫は気持ちよさそうに目を細めた。

 指を離してしばらくするとまたニャーニャーと鳴きだす。


 キディアが横にある窓のような小さな穴から指を入れると兎猫は自分から体を寄せていた。


「次のレンゼイ村は様々な研究施設があるのですわ」


 ルイザは次の経由地であるレンゼイ村に行ったことがあるようだ。

 ケミーは興味深そうに質問する。


「施設ってどういうの?」


「魔術研究所、キメラ研究所、飛行機研究所、タイムマシン研究所、他には――」


 とにかく色々あるようだ。


(ねぇステラ、タイなんとかって知ってたりする?)


(タイムマシンだよ、過去に入ったり未来に入ったりする機械を研究してるんじゃないかな)


(へぇ)


(興味無さそうだね、私はデシリアのいた100万年前の時代に行ってみたいなぁ)


(今と比べたら多分何もないよ)


 よくよく考えたら今の時代では親や友達、知り合いには会えないのか。

 そうか、過去に戻れない限りはもう会えないのか……。


 ……胸が苦しくなってきた。

 

 このことを考えるのはやめた方が良さそうだ。

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