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17 17歳だ 2

「悪いがコッテン、ちょっと様子見てくるから待ってろ」


「リットンです」


 私はコッテンという名前を訂正する。


(コットンだよ)


 ステラに訂正された。


「じゃなかった、コットンです」


 私が再訂正して言った時には既にディマスの姿はなかった。後でもう一度伝えよう。

 

 少し待つとディマスと仲間の男2名とステラくらいの身長の女の子1名がやってきた。

 

 女の子の耳は丸く、しっぽは細長く、その姿は鼠を思い出させる。


 鼠人ねずびとという種族かな? 他が猫人ねこびと兎人うさびとと単純だからそう名付けられてるに違いない。


「待たせてごめんねユウゲさん」


 猫人の男に却下した偽名で呼ばれてしまった。


(あぁぁぁぁぁ変な名前で覚えられてる!)


 頭の中にステラの声が大きく響く。

 コットンってそんな覚えにくい名前でもないはずだけど、なんでこの人達覚えられないんだ? 

 いや私も間違えたな。人に言えないや。


(デシリア! 強く訂正して!)


(わ、わかったよ)


「コットンです!」


「え、あ、うん、コットンだね。気を付けるよ」


「そしてそのユウゲって言葉は忘れてください!!!」


 語気を強めたからか猫人の男は怖じ怖じと頷いた。


「お前ら、コッテンに名前を教えてやれ」


(コットンだってば!)


 ステラがディマスの間違えを訂正するけどその声は私にしか届いていない。

 よく間違えてるけど耳でも悪いのだろうか?


 でもさっきはコットンで通じたんだけどなぁ。


「あの、コッテンじゃなくてコットンです」


「ああ、すまねぇ。分かった、コッテンだな!」


(コットン! ……もういい!)


 ステラは正しく呼ばせるのを諦めたようだ。


「言い出しっぺが最初に紹介しないといけないな。知ってると思うが俺はディマスだ。この4人組のリーダーみたいなもんだ、よろしくな。ランクはBだ」


 ランクBって何のランクだ?


「アージェンだ、よろしくコットン。ランクはB」


 アージェン、耳も尻尾も無く、特徴のない姿なので人間だろう。声や体型からどう見ても男だ。

 この男もランクBか。何のランク?


「フェリクスです。よろしくねコッテ……トン? さん」


「コットンです」


「ああ、ごめんね。よろしくコットンさん! 頼りにしてるよ、ランクはCです」


 フェリクス、性別は男で特徴的な耳と細長い尻尾から猫人だと思われる。

 種族名を言わないのはみんな種族なんて気にしないということだろうか。


(ねぇステラ、ランクって何かな?)


(多分だけど冒険者ランクのことだよ、私のお姉ちゃんはBだよ)


 なるほど、でも今の私には彼らの凄さがよく分からないな。

 そして最後に自己紹介をするのはステラくらいに見える女の子だ。


「私はイブリン、17歳だ。どうだ、17歳というのは若いと思わないか?」


 イブリンは見た目と声から女だと思われる。

 でもその自己紹介はなに? なぜ若いということを強調する?


「コットンです。11歳です。私よりも年上なんですね」


 同じくらいに見えたけどステラの方が若いようだ。


(同じくらいだと思ってたら、私のお姉ちゃんと同じでビックリした)


(私もステラとそんなに変わらないと思ってた)


 11歳と答えるとイブリンは一瞬うろたえた。


「む、お前11歳だったのか? 実は私も11歳だ。17歳というのはどういう反応をするのか見たかっただけだ」


「嘘つくな、32歳だろ」


 しかしディマスにすぐ訂正された。

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