#01D MIESTA
前回のドックのくだりからの続きです。
町を抜けて外界人地区地区まで行きます。
今回は全部で3話を投稿する予定ですが、相変わらず誤字脱字の添削が済んでおりません。
後でまとめてやります。 申し訳ありませんがこのままお付き合いください。
ドワーフ族
馬車は、スピードを緩めて停止した。
クカ 「旅人だよ。 管理センターまで案内するんだ」
町の検問所には3人の警備兵が道路に立っていて、クカとは顔見知りなのだろう。 ガムを噛みながら武器を持っていない方の初老の男が小さくクカに手をあげて答えた。
検問所に来たというのに馬車の中は騒がしいままだ。 御者台のダンテが苦笑しながら、衛兵たちに頭を下げた。 ジーナたちは大きな声でしゃべりっぱなしだ。 それに衛兵たちの顔色も少し緩んだ。
御者台から飛び降りたクカが上役風の衛兵の横を歩きながら、人数は全部で14人だと説明する。 上役は胸のワルキーで交信しながら、後方へ回る。 武器を構えた衛兵の1人も数歩離れてついてゆく。 馬車の前方でも武器を構えたままの衛兵がいるが、どちらも銃器で、その表情とは裏腹に洒落にならない代物だ。
初老の上役が合図をすると、武器を構えた若い衛兵は数メートル離れて距離を取った。 上役が馬車の荷台に足をかけて、中をのぞく。
―― 「…ご歓談中、失礼するが、中を見させてもらうよ?」
上役の言葉で、馬車の中はシンと静まり返った。 だが、しかし、それも一瞬だった。 荷台の前方に陣取ってお喋りをしていた女性たちの代表が言う。
ジーナ 「あら? ごめんなさい。 もう町に着いていたのね? 私はてっきり、また、ダンテがおしっこに行ったのかと…」
そう言うと、また女性たちは大笑いを始める。 『また、ダンテさんの悪口――』 『あっ、でも、不思議ですね? あんなに大きいのにたまる所が少ないなんて――』 『そうよ、アリス。 今度、調べておいて』 『 … 』
上役をそっちのけで大笑いをもっと大きくしていくジーナたち。 後方で優がダンテの代わりに、『申し訳ありません』と初老の男性に頭を下げた。
ひととおり中を見まわした上役は、『異常なし』と明るい声を優たちに残して馬車を降りた。 後方の衛兵の銃口は、上役の合図を待たずに地面を向いていた。
ワルキーで『ガーガーガー』といくつかやり取りをして、初老の衛兵は管制塔に合図を送った。
ゲートが開かれ、クカが御者台に戻った。 ダンテが初老の衛兵に頭を下げ、クカが手を振ると、初老の衛兵は親指を立てて答えた。 そして、前方を指さした。 検問所の駐車場から2台のトリラティスが出てきていた。
―― 「我々が管理センターまであなた方を護送します。 先頭のトリラティスに続いてください」
首からIDを下げたカジュアルな服装の男性は、肩で息をしながらダンテたちに頭を下げた。 断る理由のないダンテたちは、同じように頭を下げて従った。
馬車は前方と後方をトリラティスに挟まれながら進みだした。
検問所は、人族の住む居住区の南側の入り口にあった。
ゲートをくぐってからすぐに、道は右側に居住区へ下る道と、左側に上る道に分かれた。
トリラティスに先導されて、馬車は左側の上りの道を進んで行く。
海沿いのこの道は、居住区の外側に作られた高い堤防の上を通っていて、居住区と海の両方を見下ろすことができた。 目的地の入国管理局はこちらからは遠回りになるのだが、クカによると町の中を通るよりもこの道の方が早いらしく、クカもこっちを通るつもりでいたと言った。
MIESTAの町は、4つの区画に分かれている。
堤防に囲まれたMIESTAの住人たちが暮らす居住区。
居住区の先に見えているモクモクと白い煙が上がっている所が、港と隣接した水産・小工業地区。
そこを抜けた向こう側、港がある区画から北側に、海岸から離れて外界人地区がある。
そして、もう一つの区画があるのが、ダンテたちの進む方向の真逆、南側のリゾート地区だ。 町の中心地から離れたリゾート地区は開発中だ。 しかも、そこはLEDASの物理防壁の内側になっている。
MIESTAの町は外界との国交の場所なので、人界の国境沿いにある宿場町と同じ役目を担ってもいる。 だから、MIESTAの町の大部分はLEDASの国境を囲んでいる物理防壁の外側にあり、防壁内へ入るためのゲートは、外界人地区と水産・商工業地区の間にある。 ダンテたちの目指す入国管理局もそこにある。
防壁内へ入るためのゲートと人族の暮らす居住区が離れているのは、この居住区が後から作られたからだろう。 きれいに格子状に通された道が、都市計画が近代のものであることを物語っている。
クカによると、近年、一番盛り上がっているのがこのリゾート地区らしい。
建設ラッシュで、居住区の空いている働き手は出払ってしまっているのだとか。 クカの母親も飯炊きに駆り出されていて、週末にしか帰ってこないと言った。
開発のおかげで落ちていた景気が良くなって、町の治安も回復してきているらしいが、しかし、まだまだ夜に女性が1人で出歩けるほどにはいかないのだとか。
道路は居住区を迂回して進み、港が見下ろせる場所まで来た。 人通りも多くなり、大型の乗り物が増えてくる。
馬車はトリラティスに先導されて、そのまま大通りに出て、左手に商工業地区のバリケードフェンスがある道を進んだ。
潮風の匂いが薄れてきて、代わりに油の酸化した匂いや排ガスとゴム製品の匂いがしてくるが、さほど、不快というほどのものではない。
荷を積んだヴェジミスが工場に隣接した倉庫から出てきて、騒音を立てながら馬車の進行方向と同じ方に走り去っていく。 御者の老人は邪魔にならないように、馬車を目一杯に端っこを走らせた。
町に入ってから注目を集めているのはジルガスたちだ。 もちろん、トリラティスに先導されているから目立つということもあるのだろうが、ここではジルガスは珍しいのだろう。
MIESTAにも馬車は走っている。 だが、その動力はカルベだ。 ごついガタイは重荷を運ぶには向いていそうだが、ジルガスと比べると足も遅いし、“見てくれ”もよくない。
時々すれ違うカーロスは、ダンテたちの馬車を見ては走るスピードをゆるめ、中には身を乗り出してジルガスを見る者たちまでいた。
馬車の後方では、セシリアとアーネの制止を聞かずに、ミエスがナトとウリと一緒に身を乗り出して周りを見回して騒いでいた。
ここへ来て、しゃべり疲れた女性たちは静かになり、男性陣が盛り上がってきた。 フェンスの向こう側の工業地帯で、器用に荷物を乗せたパーレットと積み込むクーリフや、インフラの工事をするグルーなどを見て、ナトたちの興奮は最高潮だ。 御者台のダンテまで、クカに色々と質問する口調に力が入っていた。
右手側の居住区が終わって、道は物理防壁が敷かれている丘の崖にぶつかって丁字路になっている。
右方向が居住区に降りる道で、左が入国ゲートに向かう道だ。 LEDASの入国ゲートの標識が見えた。 前方のトリラティスが信号待ちで止まっているので、ダンテがクカに『もう、大丈夫だ』と言ったのだが、クカは入国管理センターまで一緒に行くと馬車を降りなかった。
そこから入国ゲートまでは、そう遠くなかった。 商工業地区の出口の方がしりすぼみに細くなっていて、外界人地区と人族の居住区は、商工業地区の出口を挟んで3kmくらいの幅だった。
入国ゲートの建物は巨大な四角い形をしていて、その建物の下に、アーチ状の大きな入り口が開いている。 そこに4本の道路が繋がっていた。 外側の2本の道路は一般道のようで、入り口側には数十台の列ができていた。 中央の2本は小工業地帯から一般道の下を通って真っすぐに繋がっており、一般道から隔離されていて、優先的に税関にアクセスが許されているようだ。 大型のヴェジミスが止まらずに奥に進んで行く。
一般道の出口側、その外側のロータリー近くには、アトブスの停留所に人だかりが出来ていて、大勢の人たちが次の便を待っていた。 クカの言っていたリゾート地区から戻ってきている居住区の人たちだろう。
入国審査局はそれらの税関支署が入っている建物を通り過ぎて、入国ゲートの向こう側の外界人地区にあった。 人族のエリアから入国してくる者がほとんどいないせいだろう。
ダンテたちはトリラティスに先導されて、ゲート前の大通りのロータリーを回って、2番目の出口から外界人地区へ進む。
そして、外界人地区の境に設けられている検問所の背中側から入ることになった。
閉じられた門の手前に馬車は止められて、後方のトリラティスからカジュアルな服装の男性が1人で管理局に入っていった。
『ビィー』というブザー音とともにゲートの扉が開かれていく。
クカは御者台から飛び降りて馬車の後方に回り、全員が見える位置まで下がって頭を下げた。
クカ 「おれは中には入れないのでここまでです。 機会があったらまた会いましょう。 楽しかったです」
気分の良い好青年にミエスが目を細める。 ダンテたちも『ありがとう。 バルさんとネザさんにもよろしく伝えてくれ』 『ありがとねー』 『またね』 と手を振って別れた。 クカは停留所の方へ走り去った。
ゲートが開き切ると、スピーカーから中へ進むようにアナウンスが流れた。 20m程の鉄格子のフェンスの中を進むと、前方の扉が開いて広場に出た。
ダンテたちから見てフェンスの外側でカジュアルな服装の男性が『では、自分たちもここまでなので』と一礼して戻っていった。
間をおかずに、2人の検査官が小さな魔獣を1匹ずつ連れてやってきた。
検査官は軽く挨拶を済ませると、『馬車を調べるので、皆さんは必要な荷物だけを持って降りてください』と穏やかに言った。
魔獣たちが大きな両目を長い舌で湿らせながら、鼻をひくひくさせて匂いを嗅いでいく。 幌の中へ一組が入り、もう一組は馬車の下へ入った。
前方のジルガスたちも確認し、小さな魔獣たちが興味を失ったのを確認して、検査官は『どうぞこちらへ』と入国審査局へのゲートを開いた。
御者の老人とジルガスたちが前を行き、後ろをダンテたちがついて歩く。
馬車は駐車場へ通された。 検査官には、ダンテの方から御者の老人は入国しない旨を説明して、老人はジルガスたちとともに残った。
検査官に『この先へ真っすぐに進んでお待ちください』と裏口のような扉から通路に通された。 扉が閉じられると、廊下の先から静かなバイオリンの旋律が聞こえてくる。 ダンテを先頭にぞろぞろと廊下を進んで行くと、『待合室』と書かれたガラスの扉の向こうに、たくさんの人影が見えた。
そのほとんどが、ドワーフたちだ。
身長は人族の脇ほどの高さで、体がガッシリとしている。 ドワーフの男たちの肩幅は人族よりも広いかもしれない。 数人女性の姿も見えるが、こちらは男たちに比べて線が随分と細い。 しかし、男たちと同じで、筋肉質でたくましい。
ドワーフたちは、非常口と書かれたガラスの扉を開けて入ってきたダンテたちを見て、聞き取れない言葉を話し始めた。 PRAMONESは独自の言語を話す。
先頭にダンテ、優、ジーナが続いて、待合室の入り口で立ち止まっている。 ダンテたちは大人数なため、13人がまとまっていられる場所を探しているのだ。
入室してきたダンテたち3人の方へ、ドワーフたち全員の注目が集まってきた。 別に人族が珍しいわけではないのだろうが、この場所に入国審査を受けに来る人族は稀なのだろう。
立ち止まっている優とジーナの間をくぐって、アリスがダンテの隣までくる。 アリスを見たドワーフたちは何気に騒がしくなった。
ドワーフたちの反応に気付いて、審査室と書かれたプレートを胸に付けた女性職員がかけてくる。
―― 「申し訳ありません。 今日は込み合っておりまして、大人数の来訪者様が座れる席は空いておりません。 全員で13名様の来訪者様でよろしいですね?」
ダンテが『はい』と答えると、職員は頭を下げた。
―― 「もうすぐ係りの者が来ますので、こちらの壁際に並んでお待ちください」
ダンテが『わかった』と答えると、職員はまた頭を下げて、ガラス張りの部屋の中へ戻っていった。
ダンテが進んで、ジーナの後ろをウリを抱えながらナトの手を引いてハンナが入ってくる。 ドワーフたちのざわめきが大きくなる。
その後ろをサテラが続くと、ドワーフたちから何やら歓声のようなものが上がる。 そして、ミエスたちが入ってきて、最後のスクが扉を閉じると、ドワーフたちは興奮して待合室が熱気でいっぱいになった。
壁際に見世物のように並んで待たされているダンテたちを見て、何やら、わからない言葉で意見をぶつけ合っているのがわかる。 騒がしくなったが、職員たちは特に気にしている様子はない。 淡々と仕事を進めている。
ジーナたちの方も『居心地が悪いわね』と話していると、ドワーフたちのざわめきが収まっていった。 そして、待合室が静まり返ると、年老いた男のドワーフがダンテのもとに近づいてきた。
―― 「ワシはワヴェフというものだが、いくつか質問するがいいかの?」
ダンテ 「はい、答えられる範囲でなら…」
ワヴェフ 「うむ。 まず、お前たち全員で一団だな?」
それに、ダンテが『はい』と答えると、ワヴェフの後ろドワーフたちがまた騒ぎ出す。 喜ぶ者と悔しがる者の2種類だ。 いつの間にか女性は女性たち同士で集まり、男は男たちだけのグループに分かれている。 どうやら、ダンテたちの素性を推測して賭けをしているらしい。 負けた者が、勝った者に小さな紙きれを渡している。
カウンターで手続きしていたドワーフたちまで参加していて、ガラスの向こう側の職員たちが頬づえを突きながら待たされている。
ワヴェフ 「よし! 次じゃ。 お前ら人族はそっちに居る老人たち一族の警護のものであろう?」
質問の意味が分からずダンテが聞き返すと、ミエスが笑いながら割って入った。
ミエス 「いやいやいや、ワヴェフ殿。 貴方には残念な答えだが、この一味の長はそこのダンテ殿だ」
ワヴェフ 「何と!? 人族が長とな? くっ、うぅ... 外した...」
後ろのドワーフたちは、さっきよりもさらに熱気を帯びて騒がしい。
ワヴェフがこぶしを握りながら悔しがる。 ワヴェフと同い年くらいの老人が出てきて、ニマニマとワヴェフに手を出す。 ワヴェフは胸のポケットから小さな紙を2枚取り出して、何か書いて投げつけるように老人に渡す。 老人は『ケケケ』と笑い声をあげて席の方へ戻っていく。
ワヴェフ 「で、では。 そこの子守をしているエルフは、お前らの小間使いじゃな?」
ダンテと優とジーナとサテラは、自分たちが賭けの対象にされているのに気付いて緊張が緩んだようだ。 答えを待つワヴェフの必死な表情に、ジーナが笑いをこらえる。 ミエスも興味津々にドワーフたちの動向を見ている。 だが、その他の面々は礼儀知らずな老人の立ち振る舞いに、緊張が怒りに代わり始めている。
ジーナ 「いいえ、ワヴェフさん。 この子は私の娘よ」
ワヴェフ 「な、なんと!? エルフが娘とな…」
ジーナ 「ええ。 でも、この子はエルフの血を引いているだけで、純血ではないわ」
ワヴェフ 「くっ、くそう。 また、ハズレか」
また、もう一人の老人が出てきて、ワヴェフが数枚の紙に何かを書いて渡す。 老人は高らかに笑って席に戻る。
ここへ来て、ドワーフたちの大半の者たちが、ワヴェフと同じように肩を落としている。 2割くらいの者たちだけが、お祭り騒ぎだ。
肩を落としていたワヴェフは、ドワーフたちの方を振り返って何かを言う。 すると、再びドワーフたち全員が盛り上がりを見せた。
どうやら、仕切り直しのようだ。 また、何やら集まって言い合いを始めた。
それを見ていてダンテたちがため息をつく。 また、見世物にされているからだ。
しかし、それもパタパタと走ってきた男性職員の足音で終わりを告げた。
―― 「申し訳ありません。 長らくお待たせしました。 こちらへ――」
ワヴェフが気付いて、大きな声を上げる。
ワヴェフ 「ま、待て、待ってくれ! 最後に1つだけっ! お前たちの中で一番高貴な血族は、そっちのちっこいハーフリングの女であろう?」
ワヴェフの必死な問いかけに、男性職員も止まった。 ダンテたちも、ドワーフたちも職員たちも、全員がアリスを見る。
アリス 「えっ? ちっこい? えっ? わたし? 高貴って、元の家柄のこと?」
ダンテ 「たぶん、そうだろう」
アリス 「…元々の貴族の家柄って意味なら、ハンナが一番上よ? 公爵だもの」
アリスは老人に嫌悪しながら、ウリを抱えたハンナを小さな指で指した。
ジーナが大笑いして、『残念でした! 行きましょう』と優の背中を押す。
ワヴェフが崩れ落ちて、またドワーフたちの2割くらいの者たちが大喜びする。
首からIDをぶら下げた男性職員が苦笑しながら、奥の通路へ案内する。
―― 「あの人たちは、いつもあんな感じです。 いつもお酒を飲むための口実を探していて、ああして騒いでいるんです」
ジーナ 「そのようですね…」
―― 「ええ。 彼らとお付き合いするコツは決して『怒らない』ことですよ」
職員の言葉にダンテとジーナとサテラとミエスが納得するが、他の者たちはそうではなかった。
特にハンナは『小間使い』とまで言われたので当たり前だが、ムッとふくれていた。 優が笑ってそんなハンナの頭をなでる。 それを見てイライラと嫌悪感を表に出していたアーネが、怒りの矛先を変えて優をにらんだ。 アーネの正義感が『笑ってないで、ぶっ飛ばしてきなさいよ!』と目を通して言っていた。 アリスもアーネよりかはランクが下だが、同様の眼差しをダンテに向けている。 セシリアたち3人は、どちらにも同調しないことを選んだようだ。 少し離れて歩いている。
若い男性職員は、多様な反応を示す一同を見て説明を加える。
―― 「若いドワーフたちの中には、近代的な意識を持っている人が多くいます。 ですが、PRAMONESはもともとカースト制度の厳しい国でしたから、年寄りほど差別意識が強いんです。 その上、PRAMONESは強国ですから、彼らは他の種族を自分たちより下に見ています。 皆さんもLEDASにいる以上、少なからず関わることになるでしょうから、あまり、連中の話を真摯に受け止めないことをお勧めします。 相手にしても仕方ないので、適当に流すのが一番です」
職員の親切なアドバイスに感謝しながら、ダンテたちは通路を歩き出した。 後ろでは、ドワーフたちの話し声やら笑い声やらが鳴っていて、ハンナとアリスとアーネがこぶしを握って振り返る。 優が『どうどう』と怒れる3人をなだめながら背中を押して、優たちも歩き出した。
エピソード3に入ってから、試験的に文字数多めでアップしています。
ご意見を聞かせていただけると嬉しいです。