9話 呼吸
ガキは頭が回りやすい・・・
前は振り回された思考誘導だが、今回は逆にそれを利用して死んでやるよ!
殺戮ちゃん「じゃあ、次に進もうか♡」
白「・・・」
楽しさ・・・今の俺にはあってはならない感情であり、邪魔な存在である。死ぬことさえ考えればいいんだ。
【かしこまりました。それでは次のステージに移ります。難易度はNORMALです】
またNORMALか。
【今回のミッションは溺死です】
溺死・・・水に浸かれば終わりだが、海でもない限り、反射的に顔を上げてしまう。
【フィールドを生成し、転送を開始します】
殺戮ちゃん「それでは、レッツゴー♡」
浜辺に1人、俺はいた。あぁ・・・青い海に、暑い太陽・・・そして、海パンの俺。てか、今回はぼっちなんだな。まあ、その方が動きやすいがな。海・・・溺死・・・思いつく行動といったら・・・!!
ダッダッダッダッ
俺は海に向かって走り出した。
白「うおーーーーー!!」
バーンッ
白「ですよね〜・・・」
そんな簡単に死ねるはずもなく、フィールド制限によるダメージを受けたのであった。つべこべ言わず、時計を見ろよって話だよな。制限時間は2時間・・・8歳、小学生・・・8歳・・・これ、絶対迷子っていう設定だよな・・・ママンが来るまでに、終わらせてやるぜ!
しばらく歩いていると、目を洗うシンクがあった。これなら死ねる・・・問題は、水を貯めるにも排水口に流れてしまうことと、俺が8歳っていうせいで身長が届かないのだ。仕方がない、ガキの知恵ってものを見せてやるか。
まずは、浜辺に人が集まっているうちに、男子更衣室に入り、ベルトを調達する。ロッカーの鍵がたまに開いてるところがあるから、そこから盗めばいい。何に使うかって?それは、いずれわかるさ。
白「あったあった。」
盗みは良くないが、どうせプログラムだから問題ないだろう。あとは、排水溝の蓋だが・・・浜辺の砂をそこらへんに落ちていたペットボトルに入れた。
白「よし、準備はできた。」
これまた、適当に盗んできたクーラーボックスを台にして、シンクに顔を近づける。そして、排水溝に砂を詰める。これで、水は流れないはずだ。さらに、シンクの蛇口をひねり、シンクを水で満タンに貯める。きわめつけは、ベルトで円を作り、先端部分を頭にかけ、後端部分を足元の近くにぶら下げておく。そして、それを思いっきり踏んづければ・・・
ゴボッ
くっ、呼吸ができない・・・結構苦しいな・・・8歳の体だ・・・体力もそこまでないし、すぐに死ぬだろう・・・
ゴボッゴボッゴボッ・・・
【ミッションクリア。クリアタイム02:21。これより転送を開始します】
【溺死:液体を気道末梢まで吸引して死ぬことをいう。水に溺没して死亡する水死では,水によって呼吸気道が閉塞して窒息が起り,これに血液の希釈 (淡水の場合) あるいは濃縮 (海水の場合) が加わるために死亡するのが大部分である】
白「呼吸ができるって素晴らしい!!」
殺戮ちゃん「今回は、あっけなかったわね♡」
白「最近、女絡みが多かったからな。なんか、新鮮に死ねたぜ。」
殺戮ちゃん「それはそれは、よかたな〜♡」
知恵を使ったおかげで、彼女のことは少しだが頭から離れた。大丈夫、彼女は俺の心の中にいるのだから。
どうも、今からあなたは死んでくださいの作者ゆいたんです!今回は、子供ならではの知恵を使った死に方で、無事クリアしましたねwというか、殺戮ちゃんもいっていましたが、ひさびさにあっさり終わりましたね。でも、次回は長いですよ〜!なんてったって、EXTRAですから!