3話 情熱
俺は死に続ける
それが生きる道であり死ぬ道だからだ
はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・
先生「えー、このように、移項して右辺が0になるように整理ひたときに、左辺が2次式になる不等式を2次不等式といいます。」
はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・
先生「えー、次にですねえ、2次不等式を成り立たせるxの値の範囲を・・・」
はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・
生徒A「ちょっと、あいつ、授業中に何してるの?」
生徒B「どうせ、変なことでもしてるんでしょ?」
順調だ。このままいけば・・・!今回の難易度はHARD。ミッションは焼死。制限時間は12時間。教科書で周りからは見えないようにバリケードを作っておいた。正直、手が痛い。だが、やらねば・・・やらなくてはいけないんだ!
キーンコーンカーンコーンッ
キーンコーンカーンコーンッ
キーンコーンカーンコーンッ
キーンコーンカーンコーンッ
2時間目が終わったようだ。だが、俺の手の動きは止まらない。
???「おう!白!俺の彼女の自慢聞いてくんねー?」
白「・・・」
なんだこいつ。名札に伊藤と書かれた男が俺の席まで近いてきた。
伊藤「おい、白〜!でさ、俺の彼女がさ・・・」
白「うるせえぞ、伊藤!俺は今、消しゴムに熱い情熱を燃やしているんだ!てめえみてえな、どこにでもありそうな名前のやつとなんざ、関わってられねえよ!」
伊藤「どうしちまったんだよ、白・・・」
白「Only my friend eraser!!」
伊藤「助けてくれ佐藤ー!白がおかしくなっちまったよー!」
よし、邪魔は消えた。そう、この俺白は、消しゴムで木の机を擦りまくり摩擦を起こして火を起こし、焼死をしようと考えている。一見、バカに見えるが教室というフィールド上、これしかないのだ。幸い、席が窓側だから風を自在にコントロールできる。この能力さえあれば、風で机が冷えることはないだろう。まあ、窓を閉めれる権限を持っており、窓側の席ってだけだが・・・
キーンコーンカーンコーンッ
キーンコーンカーンコーンッ
キーンコーンカーンコーンッ
キーンコーンカーンコーンッ
どうやら、3時間目が始まったようだ。だが、俺は手の動きを止めることを知らない。
熱血教師「感染症とはどういうものかを・・・そうだな、白。答えなさい。」
白「・・・」
かなり熱くなってきた。これなら!
熱血教師「聞いてるのか、白!」
だんだん熱血教師が近づいてくる。
バンッ
やばい、バリケードが!教科書のバリケードを破られた。まずい、このままだと・・・!!だが、俺は消しゴムで擦り付ける。もう少しで・・・!!もう少しで・・・!!
熱血教師「おい!!」
ガシッ
クソッ!消しゴムを持っている方の腕を掴まれた。
白「離せッ!!消しゴムに熱い情熱を注いだ男だぞ!俺は消しゴムを愛しているんだ!消しゴムと一生愛していくって誓ったんだーーー!!」
手の疲れで、まともな言葉が出てこなかった。
生徒A「何あいつ・・・」
生徒B「気持ち悪い〜!」
まあ、そうなるでしょうね。
熱血教師「そんなに消しゴムが好きなら、お前の頭を消しゴムにクリアにしてもらえ!」
腕を掴まれたまま、廊下に連れ出されようとしたその時・・・!
バーンッ
いってえ!なんだこれ?廊下に出るためのドアには、見えない壁が貼られていた。
熱血教師「いいからさっさと廊下に出ろ!」
バーンッ
バーンッ
見えない壁の衝撃波が腕から全身に伝わってものすごい痛みを感じる。フィールド制限ってとこか・・・
熱血教師「廊下に出ないなら、ロッカーにいろ!!」
ガシャンッ
白「うっ!」
そして、俺はロッカーに閉じ込められた。
ガシャ
ガシャ
ガシャ
白「クソッ、鍵までかけやがって、あの体罰教師め・・・」
キーンコーンカーンコーンッ
キーンコーンカーンコーンッ
キーンコーンカーンコーンッ
キーンコーンカーンコーンッ
3時間目が終わって、俺は解放された。だが、目の前には絶望的な光景が広がっていた。開いてる窓、そして、冷えた机・・・
白「あの野郎!!」
終わった。俺の焼死大作戦はクソ教師によって終わりを告げた。俺はこのまま死ぬのか?こんなところで終わるのか?いや、まだだ!まだ死ねない!!
白「うぉーーー!!」
その後も、何度も机を擦り続けた。昼食の時間だろうが、掃除の時間だろうが。
そして・・・
学級委員「白くん、もう教室閉めるけど・・・」
学級委員が教室を締めに来たようだ。だが、ここで死ぬわけには・・・まあ、結果的には死ぬんだが。
白「俺が鍵を掛けておくから先に帰ってていいよ。」
学級委員「で、でも・・・学級委員として・・・」
クソ、また邪魔が・・・
白「俺の愛を邪魔する気かーーー!!」
学級委員「きゃーーー!!」
よし、2つの意味で引かれて助かったよ、学級委員さん。制限時間は残り約6時間。だいぶ熱くなってきた。その後も、擦り続け・・・
教室に鍵もかけておいた。あと、少しだ。あと少しで・・・
ブォーーー!
火が出てきた。死ねる!これでやっと!!
熱血教師「おい、白!さっさと帰れ!ん?なんか焦げ臭いぞ?白、大丈夫か!?」
俺は、ロッカーにあるほうきや、木製でできた机を火元にあつめる。
白「あばよ、クソ教師。」
バチバチバチバチッ・・・
【ミッションクリア。クリアタイム8:50。これより転送を開始します】
白「にしても、熱かったぜ・・・おい、なんだ?」
殺戮ちゃん「いや・・・あんた、そこまでの消しゴムフェチだったなんて・・・♡」
白「演技に決まってんだろ。」
殺戮ちゃん「なんでもいいけどさ、次はEXTRAだから覚悟しといてね♡」
EXTRA・・・一体、どんなものが待ってるんだ?
どうも、今からあなたは死んでくださいの作者ゆいたんです!2回目にして焼死が出てきましたね。そして、消しゴムで死ぬという、白くんの突拍子もない発想力w今回も無事、死ねましたねw次は、EXTRAなので乞うご期待!!