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29話 熱血

今回は、いろんな意味で熱くるしかったミッションだったな・・・

にしても本当にあいつには腹が立ったな

でもこれで世界に平和は保たれたんだ

悔いわない・・・

【それでは次のステージに移ります。難易度はEASYです】

 白「お前も大変だよな。毎回毎回説明してよお。飽きねえのか?」

 殺戮ちゃん「あ、私?♡いやー、心配してくれてサン・・・」

 白「お前じゃねえ。モニターだ。」

【いえ、これが私の仕事ですし、特に苦だとは感じません。それに、説明をするようにプログラムされているので】

 白「そうか。でも、体を休めるときには休めよ。」

【・・・】

 俺は少しこいつのことが心配になった。いくら、この女に作られ、プログラムされた存在だとしても話ができるんだ。それはもう、生きてるも同然だろ。

 殺戮ちゃん「え?♡私の心配は?♡」

 何が心配だ。このクソ女め。

 白「お前はあからさまな黒幕だろうが。こいつは、お前の命令に従ってるから少し心配になっただけだ。」

【・・・】

 殺戮ちゃん「えー♡ていうか、モニターちゃん、少し照れてない?♡」

【・・・】

 なんだ?このモニター。

 殺戮ちゃん「まあいいや♡モニターちゃん、さっさと転送を始めちゃって♡」

【かしこまりました。それでは次のステージに移ります。今回のミッションはえつ死です】

 白「焼死、熱傷・・・そして、えつ死。たくよお、俺はどちらかっていうとクールだってのによお。」

(熱くなろうぜっ!!)

 白「お前、そんなキャラじゃないだろ。」

【フィールドを生成し、転送を開始します】

 白「行ってくるわ。」

【頑張ってね、あなた】

 白「・・・ッ!?」

 殺戮ちゃん「な、なんじゃとーーーーーッ♡!!」

 なんで俺今、ドキッとしてんだ?唐突すぎてびっくりしちまったじゃねえか。

(お前、少し照れてねえか?)

 白「て、照れてねえよっ!!」


 白「またこの格好かよ・・・」

(結構似合ってるぞ。)

 白「しばくぞ。」

 転送された俺は海パン姿だった。まあ、女体化よりかはマシか。それにしても、こんなプールでえつ死ってなるとサウナぐらいなんだが・・・辺りを見渡す。サウナサウナ・・・あったあった。なかったらどうやって死ぬって話になるわな。俺はサウナの扉に手をかけ・・・


 ガチャッ


 扉を開け、中に入る。ん?誰かいるようだ。

 ???「うおーーー!!燃えろ、俺の体!震えろ、俺の心!立て、俺のすね毛、脇毛、まつげ、ヒゲ、産毛、鼻・・・」

 白「ちょーちょーおっさん!それ以上は言うな!」

 これ以上こいつにセリフを言わせたら、人が来てこいつの社会人生生活が終わるぞ。

 ???「なんだ、誰かと思えば白じゃねえか!」

 白「あぁ?」

 いやだから、あんま接点のないやつは覚えてねえんだよ。主に伊藤。

(こいつ・・・ッ!!)

 おい、なんでお前が怒るんだよ?


 って、なんで狭間の間に飛ばされてるの俺?いつのまにかまた、狭間の間に飛ばされていた。

 白「んー?」

 たしか、ここに覗き窓があったよな。この覗き窓は、元の世界に繋がっている自分のアバターの現在の状況を確認できるのだ。あ、アバターっていうのは、さっき俺が動かしたやつのことだ。今そう名付けた。とりあえず、元の世界に繋がっている扉の覗き窓をみる。

 白「何やってんだあいつ!!」



 バシッバシッバシッ


 黒「なかなかやるじゃねえか、てめえ。」

 ???「お前、結構強いんだな・・・」


 何あいつらバトってんだよ!


(黒!暴力はやめろ!そして、そいつは誰だ?)

 何言ってんだこいつは。前回、お前を酷い目に合わせた張本人だぞ。

 黒「消しゴム・・・ロッカー・・・妨害・・・思い出したか?」


 あ・・・



 やばい、バリケードが!教科書のバリケードを破られた。まずい、このままだと・・・!!だが、俺は消しゴムで擦り付ける。もう少しで・・・!!もう少しで・・・!!

 熱血教師「おい!!」


 ガシッ


 クソッ!消しゴムを持っている方の腕を掴まれた。

 白「離せッ!!消しゴムに熱い情熱を注いだ男だぞ!俺は消しゴムを愛しているんだ!消しゴムと一生愛していくって誓ったんだーーー!!」

 手の疲れで、まともな言葉が出てこなかった。

 生徒A「何あいつ・・・」

 生徒B「気持ち悪い〜!」

 まあ、そうなるでしょうね。

 熱血教師「そんなに消しゴムが好きなら、お前の頭を消しゴムにクリアにしてもらえ!」


 熱血教師「廊下に出ないなら、ロッカーにいろ!!」


 ガシャンッ


 白「うっ!」

 そして、俺はロッカーに閉じ込められた。



 あの時の体罰教師か。


(よし、黒。そいつをぶちのめしていいぞ。そいつを人類に残してりゃ、死者が出る。)

 黒「了解。」

 俺は拳を握りしめ、力を込める。

 黒「くらえ。我が漆黒に輝く闇の力、解放!!うおーーーッ!!」

(また、厨二かよ・・・)

 拳を引き、敵の近くまで行き、つく!!

(だが、さすがの体罰教師も黒には勝てないだろう。)


 ガシッ


 黒「何ッ!?」

 俺の拳を小指1歩で止めただと・・・!?

 熱血教師「甘かったな、白。熱いものの近くにいる俺は、何10倍もの力を得ることができるんだよ。」

 黒「人外かよ・・・」

 熱血教師「くらえ!熱血スタイル、バーニングインファイト!!」


 バコバコバコバコバコッ


 何発もの拳を食らった。俺にはやつの拳には炎が見えた。

(教え子を殴るとか体罰でしかないから、そんな解説をしなくていいぞ。はぁ・・・お前は休んでろ。)


 白「よっと!」

 体罰教師により倒れ込んだ俺は立ち上がる。

 熱血教師「まだ起きてられるような体力を持っているようだな。」

 白「それは完全に悪役のセリフだぜ。」

 俺は挑発的なセリフで相手を煽る。

 熱血教師「貴様!二度とその口を開かないようにしてやる!」

 体罰教師は拳を振り上げた。だが、俺には秘策があった。制限時間はたっぷりある。やれる。

 白「待てやクソ教師。ここで一つ勝負を変えないか?」

 熱血教師「変えるだと?」

 それは・・・

 白「サウナでどちらが長く入ってられるかだ。」

 熱血教師「・・・ッ!?」

 まあ動揺するよな。だってこいつは・・・

 白「どうしたんですか、先生?もしかして、負けるのが怖いんですか?熱さが取り柄の先生が?そんなはずありませんよねえ?」

 まず作戦の1つとして、こういう性格はプライド第一だ。だから、引けないのだろう。

 熱血教師「い、いいだろう。俺の炎との共鳴の力を見してやる!」

 こうして、俺と体罰教師の熱きサウナ対決が始まるのであ・・・


 熱血教師「先生もうだめだ。降参!」

 白「早えよ!まだ、1時間も経ってねえぞ!」

 だがこいつが負けるのも当然だ。それが、もう一つの作戦だからな。こいつを最初に見たとき、すでに体が赤かった。きっと、何時間も入っていたのだろう。そんな時、俺が現れ勝負を挑まれた。そして断ることもできず、その勝負を受け、こいつは負ける。それが俺の作戦だったのさ。

 熱血教師「お前が教室で火事に巻き込まれた時、俺はドアを壊し、お前を連れて逃げ出した。今のお前があるのは俺のおかげだ。感謝しろよ!」

 熱血教師はどうだと言わんばかりに言い張る。

 白「じゃあなんでさっき殺そうとしたのにも関わらず、そん時に助けたんだよ?」

 熱血教師「仕事だからだよ!」

 白「クズかよ・・・」

 待てよ、あの時たしかに俺は死んでミッションをクリアした。なのになぜ、助けられたということになっている?もしかすると、俺が死んだ世界線と俺が生きている世界線の分岐があるのか?二度目にあった連中は皆、俺が生きている前提で話をしていた。なるほどな。このゲームのシステムをまた1つ理解した。

 熱血教師「うっ・・・あぁーーーッ!!」

 なんだ?


 バキバキバキバキッ


 体罰教師は腕を抑えている。

 熱血教師「お前に黙っていたことが1つある。」

 今更なんだよ?どうせそれを聞いたところでどうでもいいんだがな。

 熱血教師「俺の熱さでパワーアップする、通称熱血パワーは後の代償がでかいんだ。」

 うん。本当にどうでもよかった。

 熱血教師「不覚だが、認めよう。お前のパンチが効いたってことだよ!」

 白「そーかいそーかい。で、なんで腕を抑えてるんだ?俺が殴ったのは小指だぞ。」

 まあ、黒だけど。

 熱血教師「腕の骨が折れたんだよ。殴ってから約1時間後に遅れて痛覚に刺激がくるんだよ。」

 なんだそのゲームにありがちな設定は・・・ていうか、腕1本折ったのは単純に黒がすごいよな。

 熱血教師「クソッ!生徒を殴るためにある腕が折られた今、俺は生きる道を失った。」

 白「お前は生徒を殴るために教師をやっていたのか?」

 熱血教師「・・・」

 白「そんなはずはない。だとしたら、お前の人生を全て否定することになってしまう。考え直せ、あの大学入試はなんだったのか、あの研修はなんだったのか、あの生徒の笑顔はなんだったのか。」

 熱血教師「・・・」

 白「お前にもまだ未来はある。今からその腐れきった根性を直して、また、教員生活を一からやり直せ。」

 熱血教師「俺が間違っていた。」

 俺は体罰教師の人生を変えた。俺の一言で間違った道から抜け出せるならこんなに素晴らしいことはない。

 熱血教師「俺はなんのために教師になった!?生徒を殴るためじゃないのか!!」

 俺の聞き間違いかな?今、生徒を殴るためだって・・・

 熱血教師「そのために嫌いな勉学に励んだ!!上司の小言だって聞いてやった!!安い給料だろうが、生徒の汚ねえ笑顔だろうが我慢してきた!!全ては体罰のため・・・俺の快楽を満たすためだーーー!!」

 あーあ、こりゃダメだ。

 熱血教師「これまで何人殴ってきたかわかるか!?転勤もその1つの楽しみだ!!人を痛ぶってこその教師だ!!暴力で理解してこその社会だ!!そして、この俺こそが暴力社会でトップに立つ、なおかつ、これからの社会を引っ張っていくリーダ・・・ぐはっ!!」


 ドンッ


 白「てめーには腹が立った。教師ってものは生徒を導いてやる存在でなくちゃいけねえ。それを、お前が道を外してどうする。道を外したら導くどころか、教えてやることだってできねえんだぞ!」

 体罰教師を投げ飛ばして言うことだけは言ってやった。

 熱血教師「へっ、俺には理解できねえな。」

 しばらくすると立ち上がり、ドアの方へと歩いていった。

 熱血教師「さっきの言葉は取り消しだ。これで俺の勝ちだ!これが教員人生、そして、人生で最後にする体罰だ!!」

 体罰教師はドアに倒れかけ、出口を塞ぐ。

 白「最後の最後まで自分の意思を貫くってか?だがな、俺にも大切なやつから貫くことの大切さを学んでんだよ!だから俺はここで死ぬ。これは諦めでも逃げでもない。未来への大いなる1歩なんだよ!」

 熱血教師「・・・」

 体罰教師は息をせず黙り出した。

 白「バーロー。俺の勝ちだぜ・・・」

【ミッションクリア。クリアタイム01:02。これより転送を開始します】


【暑気にあたって死ぬこと】

 白「あれ?あいつは?」

 待機ルームに戻ると、金髪女の姿は消えていた。

 白「おい、モニター。あのクソ金髪女はどこいった?

【ゲームマスターでしたら、ポテトチップスが無性に食べたくなったと言って買い物に行きました】

 白「なんだそりゃ。」

 そういえば、こいつとまともに喋るのも初めてだな。もしかすると、こいつからは情報が聞き出せるかもしれねえ。

 白「あんたの主人であるあいつは何者なんだ?」

【それはゲームマスターにより、言わないようプログラムされています】

 まあ、そんな簡単には言わねえよな。

 白「じゃあ、あんたは逆らうこともできないのか?」

【はい。私はゲームマスターには逆らえません】

 こいつも可愛そうなやつだ。逆らうことができない。それは、あいつに全て操られていると言っているのも同然だ。だったら、俺にできることといったら1つしかない。

 白「俺がお前を解放してやるよ。俺がゲームクリアをすればお前は解放される。お前の仕事がなくなるからな。さすがに、ゲームオーバーをしてお前を解放したとしても俺はお前に何も言えずに死ぬだけだ。だから、俺がゲームクリアをするまでの辛抱だ。一緒に頑張ろうぜ!」

【白様・・・ありがとうございます。二人でこのゲームを絶対に乗り切りましょう。そして、なんとしても無事に元の世界に帰還してください。"彼女のため"にもです】

 俺にはこいつが笑って見えた。彼女・・・それは誰のことを指しているのかはまだわからないが、俺はたった今、"こいつを解放する"。そして、"元の世界に帰る"というミッションをこいつから受けとった。だったら、そのミッションをクリアしないとな。

 白「そのミッション、クリアしてやるぜ!」

どうも、今からあなたは死んでくださいの作者ゆいたんです!あの教師には本当に腹が立ちましたね。でも、白くんが皆さんの怒りをやつにぶつけてくれたのでもう大丈夫です!そしてもう一つ、ただ操られるだけの存在、モニターちゃん。そんな中、白くんはモニターちゃんに解放をすると約束しました。それを笑顔で受け取ったモニターちゃん。果たして、この物語のラストには、白くんはその約束を守れるのでしょうか!?

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