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23話 再来

久々のゲームだ。この体でまともに動くのも、いつぶりだろうか。だが、準備体操なんていらねえ。俺はいつだって、準備オッケーなんだよ!!

【かしこまりました。それでは次のステージに移ります。難易度はNORMALです】

 白「生でお前の声を聞くのは久々だな。」

 前回のミッションまでは、黒がしばらくやっていたが今回からは再び俺に代わってやることになった。体も少し鈍りかけてるし、ひさびさに死にますかね・・・

【今回のミッションは縊死です】

 白「おい、首吊りのことを言ってるんじゃねえだろうな?それなら前にもやったぞ!」

 俺は前にも似たようなミッションをやった覚えがある。まあ、あの時は黒がやっていたが・・・あれは、違うのか?

【以前やられたのは刑死です】

 白「同じ首吊りでも、名前が違えばそれはもう別の死ってことか。」

 殺戮ちゃん「そういうことね♡」

【フィールドを生成し、転送を開始します】

 フィールド次第で展開が変わる。それが、このデスゲームの特徴だ。そして、このフィールド生成も楽しみの一つである。へっ、楽しみだぜ・・・


 どっかの家か?制限時間は2時間。27歳、無職。若手社長に就任するも、会社が倒産。その後の転落人生に未来を諦めようとしているか。27歳って若いんだからよお、人生諦めんなよな。って、自分に言っても仕方ないか・・・てか、俺って何歳だ?

 黒「まずは、死ぬ準備だ。縊死といったら、ロープが定番だが・・・」


 家中、あちこち探してもなかった。この際、ヒモでもなんでもいいからねえのかよ・・・おそらく、フィールドが作られた時に、ヒモというヒモを全て取り除いたのであろう。そして、その合間に見つけれた全財産、324円!!これで買えってか?足りるのかよ・・・そして、玄関に向かう。開くのかここ?また、フィールド制限で開かないとかないよな?ドアノブに手をかけた。


 ガチャッ


 白「開くのかよ・・・」

 だが、逆に言えば、これが正しいルートなのかもな。玄関に置いてあったボロい自転車に乗り、スマホのマップの音声付き案内機能を使い、ホームセンターに向かう。

 白「この自転車、かごはボロいわ、ベルは鳴らんわ、パンクはしてるわ・・・いつ事故ってもおかしくねえ・・・だが、スピードを出せるのっつったらこれしかないから仕方ねえんだがな・・・」


 白「ここまで来るのに15分掛かっちまった・・・」

 何だかんだでついたはいいが、部屋を調べてたせいで1時間は使ってる。残り時間、約45分。いけるか?店の中に入り、早速探し出す。だが、見つからない・・・こういう時はあれだあれ・・・

 白「店員さーん!!」

 俺は大声で店員さんを呼ぶ。すぐにその店員さんは近くに来て・・・

 店員A「お客様、どうなさいましたか?」

 白「あの、自殺・・・友達と綱引きやりたくてロープがいるんですよ〜。」

 店員A「つ、綱引き?」

 白「あなたも、無性に綱引きをやりたくなるときあるでしょう。」

 店員A「いや、ないです。」

 そうないわな、そりゃ。

 白「今、私はその衝動に無性にかられてるんです!」

 店員「は、はぁ・・・」

 白「というわけで、どこにありますか?」

 店員A「・・・あなた、自殺するつもりでしょう。」

 白「・・・っ!?」

 まずい、バレたか!!

 店員A「先程、自殺って言いかけた・・・というより、言っていましたよね?」

 白「・・・」

 どうする?どうするよ、俺っち!!俺は白だ!何色にも染まれる白だ!だったら、ここは俺の演技力でっ!!

 白「・・・」

 店員A「お客様?」

 白「すみません、嘘をついていました。」

 店員A「やはりですか、申し訳ありませんが、そういったお客様にはお渡しすることができま・・・」

 白「つい最近、身内に不幸がありまして・・・そいつ、飛んだロープオタクだったんですよ・・・だから、棺にロープを入れてやりたくて・・・あいつ、喜ぶと思ったんだが、これじゃあ・・・」

 店員A「・・・」

 俺は涙を流しながら訴えかける。さすがに、ダメか・・・

 店員A「すみません、お気遣い出来ず・・・」

 いったーーーーーっ!!

 店員A「そういうことでしたら、こちらになります。」

 案内され、ロープを手に取りレジに並ぶ。

 店員B「お会計、324円になります。」

 ちょうどかよ・・・これもまた、運命ってやつですかね?・・・いや、またフィールドか。


 クソっ、あの店だけで20分使っちまった。あと、25分。俺は、爆速で自転車をこぐ。


 ドンッ


 白「何ッ・・・!!」


 ガシャンッ


 石にぶつかり、自転車が完全に大破する。家まであと、500m・・・

 白「うおーーーーー!!」

 全速力で走る。叫びながら走っていたせいか、通行人から白い目で見られた。白だけにな!・・・つまんな・・・


 白「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・着いた・・・」

 脚が棒になりそうだが、今はそれどころじゃない。俺は急いで、クロスされた天井の部分に縄をかける。

 白「あとは・・・椅子を運んで・・・そこから、縄を首に掛ければ・・・」

 俺は椅子をロープの掛かっている下にかけ、椅子を蹴り飛ばし首を紐に吊るす・・・

 白「がはっ・・・・・・!!」


 ギーコギーコッ


【ミッションクリア。クリアタイム01:59。これより転送を開始します】


【縊死:一般的には首吊り死をさす。紐など(以下索状物)を首に掛けて、自身または他人の体重によって首(頸部)が圧迫されることで呼吸や脳の血流が阻害され、脳や臓器に回復不能な機能障害が起き(縊頸)、結果として死に至ることを縊死と呼ぶ】

 白「ふ〜〜・・・」

 殺戮ちゃん「ギリギリだったわね♡」

 白「まじそれ・・・これ、時間切れになったらどんな死が待っているんだ?」

 殺戮ちゃん「試してみる?♡」

 白「やめとく。」

 殺戮ちゃん「冗談よ♡体の肉という肉が!♡断片という断片が!♡弾け飛ぶ!!♡」

 白「まじかよ・・・」

 気持ち悪い死に方だな・・・このゲームやってて、初めて生きてて良かったと思たわ。

どうも、今からあなたは死んでくださいの作者ゆいたんです!久々の白くんの出番ですね!白くん派と黒くん派に分かれるんですよ、これが!wそれと、今回みたいに似たような名前のミッションも今後も登場するので、よろしくです!!

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