21話 闘乱
時代は戦国時代ってとこか・・・俺の強さは、時代すらも超越するんだよ!さあ、狩の始まりだ・・・!!
(今回も、切られるだけでいいからな!)
黒「今回も人を殺せる・・・殺せるぞ!!あっははははははっ!!」
(斬殺されるだけでいいって言われただろ!!)
黒「俺は、前回のミッションもその前のミッションも誰1人殺してなかった!!ダメだ・・・欲が抑えきれん・・・!!」
(欲求不満かよ・・・)
黒「いざ、参ってやるぜっ!!うおーーーーー!!」
(やれやれ・・・さっきも、言った通り今回のミッションは斬殺だ。制限時間は6時間。難易度もEASY。舞台は戦国・・・そして、今はいくさの真っ最中だ。単純に殺されればいいっていうミッションなんだが・・・そんなことを、黒は聞くはずもなく、敵を迎え撃ちに行ったのであった。)
ズシャッ
ザクッ
ズシャッ
ザクッ
黒「あっははははははっ!!人間なんて所詮、足元にも及ばないぐらい弱いな!!もっと俺を楽しませろよ!!」
(ただの兵士が、ここまで強いと異様に感じるな・・・もう1人で20人は倒してるぞ・・・)
そして俺は、敵陣地にどんどん攻め込む。途中、仲間らしき奴らも殺したが、俺にとっては関係ない。人間は全員敵だ。
敵将軍「何を敵1人に時間を掛けておる!?かかれー!かかれー!」
ふっ、きたか・・・敵の群れが俺に集中攻撃を浴びせようとする。こんな時は・・・
黒「奥義!!ダークオリジン!!」
(お前、適当につけただろ。)
ズシャッ
ズシャッ
ズシャッ
黒「軽く剣を振り回しただけで、10人は死んだなっ!!俺って、殺人鬼のセンスあるかもな!!」
(発言がすでに、殺人鬼なんだが・・・まあ、ほっとけばこいつもいずれ死ぬだろう。さすがのこの人数相手じゃ・・・)
(って、数十分前まで思っていた自分の発言を撤回したい・・・)
もう敵は目の前だ!!はぁ・・・はぁ・・・血しぶきを浴びた俺って、なんてかっこいいんだ!!
敵将軍「何をしている!?後衛部隊、撃てーーー!!」
バンッ
バンッ
バンッ
いくつもの銃弾が俺を襲う。だが、そんなものは効かない・・・
黒「銃弾が遅れて見えるぜ・・・」
シュバッ
シュバッ
シュバッ
飛び交う銃弾を全て切り落とす。
黒「次は、お前らの番だ。」
兵士「いつのま・・・」
ブシャッ
ブシャッ
ブシャッ
背後を取り、兵士の首を次々と切り落とす。もう兵士は残っていない、あとはあいつ1人だ・・・
敵将軍「・・・」
敵将軍は殺せと言わんばかりに、膝をついて目を瞑っていた。
黒「おい、クソ人間。お前に聞きたいことがある。」
敵将軍「なんだ?」
黒「どうして世界からは争いが消えない?お前みたいなエゴイズムの働く人間がいるからじゃないのか?」
敵将軍「戦わなくてはいけない時がある・・・戦わなくては手に入らないものがある・・・戦わなければ守れないものがある・・・だから、わしは戦ったのだ・・・」
手に入れなくてはいけないもの・・・守れないもの・・・こいつには、そういうものがあるんだな。
黒「俺には何もないからわからねえな。強いて言えば、"白の未来"を導いてやりたい。」
敵将軍「お主にも、あるじゃないか・・・」
黒「悪いが、俺はこんなところで止まるわけにはいかねえんだよ。じゃあな。」
ブシャッ
(お前ってさ、なんでそんなに強いんだ?訓練でもしてたのか?)
黒「わかってねえな・・・」
(あ?)
黒「俺は憎しみの数だけ強くなるんだよ。俺の人間に対する憎しみは、マリアナ海溝よりも深いんだよ。」
(お前、最近ネタ挟むようになってきたよな・・・で、その憎しみとやらはゲームクリアの時に全てがわかるんだよな?)
黒「そうだ、お前は俺の憎しみを知る権利もあり、知らなくてはいけない。」
(まあ、少し気になってきたところだ。クリアしてやるよ!)
その勢だ白。お前はこのゲームを何としてもクリアしろ。そして、"あいつ"に会い、思いを伝えるんだよ。それがお前のミッションだ。いいな。
(・・・)
白と喋ってたら、いつのまにか味方陣地に着いたな。今日は殺すのに飽きたから、白の真似でもして臨機応変にいきますかね。
黒「将軍!!敵陣地を奪還しました!!」
将軍「・・・」
黒「将軍?」
将軍「お前は、奪還したことは誉めたたえよう。だが、仲間を殺した罪は重い。」
黒「え?」
将軍は、腰に巻いている刀を引き抜いた。
将軍「よって、打ち首だーーー!!」
黒「なにっ!!」
スパンッ
あれ、世界が回っている。あ、違う。俺が回ってるのか・・・ちっ、やっぱりこいつも殺しときゃよかった・・・少しでも、人間に隙を見した俺がバカだった。俺の負けだ・・・
(首をはねられたのは、おまえの自業自得だろ?それに、死ねたんだからお前の勝ちだよ)
【ミッションクリア。クリアタイム05:35。これより転送を開始します】
【斬殺:切られてその場で死ぬこと】
殺戮ちゃん「黒くん、あんな戦場で傷1つなく帰ってきたのはすごいわね♡って言っても、最後には将軍に首をはねられたけどね♡」
黒「ゲームルームでのバーチャル空間は、必ずしも同じ時系列とは限らないんだな。」
【はい。今回のような斬殺では、現代にはあまりないものですから】
そろそろだな。
黒「おい、女。俺は次のミッションで少し降りさせてもらう。」
殺戮ちゃん「どういう意味よ?♡」
黒「俺ばかりやっていてもあれだからな。そろそろ白に交代させようと思ってな。」
殺戮ちゃん「・・・わかったわ♡」
(ああ、その時が来たら任せろ!)
俺の最後のゲームになるかもしれない・・・もし、その時がきたら、あとは任せたぞ、白・・・!!
どうも、今からあなたは死んでくださいの作者ゆいたんです!今回も黒くんは、強かったですね!そして、黒くんの最後の言葉は一体、なんだったのでしょうか?次回に続きます!
タイムスリップの案は、書いている当日まで悩んでましたねwでも、モニターちゃんの言っていた通り、斬殺は現代じゃ難しい部分があるので、舞台を戦国時代にしたという裏話ですww