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19話 餌食

殺すことは快楽・・・だが、俺には唯一傷つけられないものがある。それを傷つけてしまえば、俺が俺でなくなってしまうからな・・・

【それでは次のステージに移ります。難易度は、EXTRAです】

 黒「きたか」

【今回のミッションは嚙み殺しです】

 殺戮ちゃん「人間以外に殺されるなんて、最高じゃない!♡いや、人間に噛まれて死ぬのもオーケーだから♡」

 黒「俺にこなせないミッションはない。」

(調子乗りすぎると、前の俺みたいになるぞ。)

【フィールドを生成し、転送を開始します】

 殺戮ちゃん「いってらっさい♡」


 この草の平原・・・サバンナか。あたりには、木は数本生えているが草ばかりだ。そして、この空の暗闇は夜を意味する。だが、はっきりと遠くが見えるわけではない。暗闇のせいだ。情報だ・・・情報がまずは欲しい。35歳ハンターなるほどな、本来は動物を殺すジョブだが、俺は・・・


 バッファロー「ウーーーーーッ」


 ダッダッダッダッ


 黒「・・・ッ!?」

 バッファローと思われる動物が、俺に向かって突進してくる。


 ドーーーンッ


 黒「うはっ!!」

 頭が俺の腹に直撃する。そして、何mか飛ばされた。

 黒「ふざけやがって・・・これが人間なら殺していたが、俺は・・・」


 バッファロー「ウーーーーーッ」


 ダッダッダッダッ


 ドーーーンッ


 黒「げほっ!!」

 再び、ブァッファローの猛攻が始まる。

(おいどうした!?なんか、いつものお前じゃねえぞ!)

 黒「なんでもねえよ!」


 バッファロー「ウーーーーーッ」


 ダッダッダッダッ


 黒「また・・・か・・・」


 ドーーーンッ


 黒「あっ・・・・・!!」


(いつものお前ならこんなやつぐらい、で倒せるだろ!何してんだよ・・・)

 黒「俺はな・・・動物が殺せねえんだよ・・・」

(殺せなんて言ってねえだろ!気絶ぐらいの加減はできるだろ!!)

 黒「動物を傷つけろってのかよ・・・お前の言葉をちょっと借りさせてもらうが、人間以外の生物を殺して生きるぐらいなら死んだ方がマシなんだよ!」

(お前が死ぬのは勝手にしろ!だが、それに人を巻き込むんじゃねえよ!!)

 俺が死んだらこいつも死ぬ・・・だが、動物を傷つけることは俺にはできない・・・逃げようにも、この体力じゃ無理だ・・・ならどうする・・・?どうすればいいんだ・・・


 バッファロー「ウーーーーーッ」


 ダッダッダッダッ


 黒「こうなったら、一か八かだ!」

 俺はうつ伏せになり、死んだふりをする。頼む、バッファロー・・・お前を傷つけたくない・・・帰るんだ・・・


 バッファロー「・・・・・・」


 スタスタスタッ


 バッファローは遠ざかっていった。

 黒「これが俺の選んだ最善の選択だ・・・どうだ白・・・」

(なんでお前はそこまで、動物に対しての執着心がある?)

 黒「・・・なんでもねえよ、さっさと嚙み殺してくれそうな動物を探しに行くぞ・・・」


 ピキーンッ


 いって!!さっきの衝撃が、身体から離れない・・・体があざだらけだ。

(そんな傷じゃ、立つこともできねえだろ!)

 黒「・・・」

(リュックサックを見てみろ、ハンターなら万が一のことも備えて、応急手当てできる道具ぐらい揃ってるだろ。)

 黒「それも・・・そうだな・・・」

 リュックサックを下ろし、中を見る。

 黒「これか・・・」

 軽く傷を手当てし、途中で休憩もしつつ、再び平原を歩く。


 しばらく歩いていると、犬らしき生き物がいた。

 黒「犬・・・?いや、ハイエナか。」

 ハイエナの群れが木影で休んでいた。寝てるところ申し訳ないが、俺を殺してくれ。お前らの血となり肉となってやるよ。


 バキッ


 小枝を足で踏みつけ、ハイエナをおびき寄せる。


 ハイエナ「ウオーオッ!!」

 群れが近づいてくる。俺は荷物を投げ捨て、攻撃をしない意志を見せる。

 ハイエナ「ウオーオッ!!」

 ふっ。


 ガブッ


 黒「いいねいいね〜!気持ちいいよ〜!!」

 ハイエナに飛びつかれ、簡単に腕を持ってかれる。


 ハイエナ「ウオーオッ!!」


 ほとんどのハイエナが鋭い歯で耳の辺りを狙って噛みついきた。やがて痛みが、脳まで達する。


 ガブガブッ


 黒「はぁ・・・はぁ・・・」


 人間風情に殺されるぐらいなら、動物に殺された方が何倍もマシって話さ・・・


 ガブガブッガブガブッガブガブッ・・・


【ミッションクリア。クリアタイム08:39。これより転送を開始します】


【嚙み殺し:嚙みついて殺す】

 殺戮ちゃん「あなたの人間に対する憎しみと動物に対する執着心はほんと、極端よね♡」

 黒「当たり前だ。動物を傷つけて何が楽しい?まあ、人間は傷つけても楽しいがな。お前はどうなんだ?やっぱり、動物も手にかかるようなクズなのか?」

 殺戮ちゃん「そんなわけないじゃない♡あなたほどじゃないけど、私も動物は好きだからね♡」

 黒「それを聞いて安心したぜ。」

(こいつはなんでもかんでも殺すやつだと思ってたが、生き物を守りたいっていう、優しい部分もあるんだな。)

どうも、今からあなたは死んでくださいの作者ゆいたんです!黒くんは、殺すことしか頭にない人かと思いきや、その中でも、傷つけられないものがあるんですね。今回ので黒くんの人気も上がったんじゃないですか!?白くんのハードボイルドと黒くんの動物に対する優しさ・・・私は白くんも黒くんもどっちも好きですね!

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