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15話 流通

雷さん・・・あんたのことは、親のように思いながらこの仕事をやってきた。あんたのことは忘れない。あれが開いていたことも・・・

 白「・・・」

 感電死か・・・電気工事士っていう職業のおかげで死にやすい。制限時間は30分。今回は成人男性というだけあって、体力がそこそこある。

 雷「おい、白!考え事をする暇があったら、手を動かせ!!補強しないといけないところなんてまだまだあるんだぞ!」

 白「はいよ・・・」

 このうるさい頑固親父は、雷さん。我々の部のリーダー的存在だ。まあ、名札に書いてあっただけなんだがな。名前が職業と合ってて覚えやすい。俺は、適当に電柱を補強する。おいおい。この世界の俺は資格持ってるかもしれないが、電気工事士って資格がいるんだぜ。今の俺は持ってないも同然だ。そんな大事なことを、俺なんかがやっていいのかよ・・・

 雷「コッラーーーっ!!白!!もう少し右だ!右!!」

 白「・・・」

 雷「返事は!!」

 白「はいよ」

 雷「うむ!」

 はいよで許されるのかよ・・・ていうか、俺に指摘したところでわからねえっつうの。どうせプログラムだから、どうでもいいがな。問題はどうやって死ぬかだ。だが、それを達成するにはまず、電柱のてっぺんに登らなければいけない。そして俺は、登り始めた。大丈夫だ。下を見なければどうということはない。


 カタッ


 カタッ


 カタッ


 カタッ


 小さな出っ張りを頼りに登ったが、ヒヤヒヤしたぜ。

 雷「コッラーーーっ!!白!!降りろって言ってんだろ!!」

 白「雷さーん!俺、今日でこの仕事やめまーす!!」

 雷「なにを言っとるんだ!!ここの部に所属した時に、泣いて喜んでたのはお前だろうが!!」

 白「さようならーー!あと、社会の窓閉め忘れてますよーー!!」

 雷「え・・・うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 雷さんは膀胱を抑えながらトラックの中へと戻っていった。

 白「ふーう。雷さんのチャックが開いててよかったぜ〜」

 これで心置きなく飛べる。失敗すれば落下死だ。俺は小さな足場を利用して助走をつけた。そう、電線の中心めがけて。


 ピョンッ


 こんなに飛ぶなんて、最初の落下死以来だな。


 ガシッ


 何秒か飛び続けた後、電線に捕まった。そして、計画通り電線と俺はぶら下がった状態で下降していった。もう少しだ。もう少しで足場に着く。


 スタッ


 バチバチバチバチバチバチッ


 白「うあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 身体中に電流が流れ、筋肉に痛みが走る。意識が朦朧とする中で、吐血をしたことが最後の記憶だ。


【ミッションクリア。クリアタイム26:11。これより転送を開始します】


【感電死:通電による一種のショック死。家庭用の 100Vで死亡することはまれで,直流では 500V,交流では 300V以上が危険などといわれるが,電圧の高低よりも電流の強さが大きく影響し,50~60Hzが最も危険といわれている。心臓や脳などが通電の経路に入っていると危険度が高く,心臓や中枢神経の機能障害で死亡することが多い。雷電は電圧が高く,落雷死の死因は呼吸中枢麻痺による窒息とされている】


 白「思ったんだが、今、ショック死とも言ったよな?この場合、感電死とショック死の二つになるがクリアになるのか?」

【はい。どちらとも扱える場合はクリアになります】

 白「そうなんだ。」

 殺戮ちゃん「あなたには刺激が足りなかったのよ!♡」

 白「急になんだ?」

 殺戮ちゃん「てことで、リラックスできるぐらい、いい刺激になったんじゃないの?♡」

 白「ならねえよ!俺だからよかったが、普通あんな電流食らってたら頭おかしくなるわ!!」

 毎度のことだが、ゲームクリア後は痛いという感覚は覚えているが、傷とか精神とかはもどるんだよな。

 殺戮ちゃん「えー♡いい刺激になると思ったのに〜♡

 」

 まあ、肩は楽になった気がするな・・・気がするだけだが・・・

どうも、今からあなたは死んでくださいの作者ゆいたんです!一歩間違えれば、落下死でゲームオーバーというリスクも承知の上で飛んだ白くん・・・でも、今回も見事、ゲームクリアしましたね!


メタイ話をしますと、最近では、リアルの知人に「アイデア浮かんでる?」とよく心配されますwでも、これまた最近、一気に浮かんだのでしばらくは大丈夫そうですw

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