11話 危険
今の俺なら、どんな学力の大学入試でも合格できるぜ!そんなことよりも、"例のアレ"を作らないとな。いつまででも死に続けてやるよ・・・いつまでもな・・・
白「クソがっ・・・まだ、手が震えてやがるぜ・・・」
俺がやってないとはいえ、まだ、手が震えてやがる・・・
殺戮ちゃん「はいはい♡さっき、私が言っといたから、当分は出てこないでしょ♡」
白「そうだといいがな・・・」
前回は、こいつ曰く、俺の中にいる人物、黒によって手柄を横取りされたようなものだ。
殺戮ちゃん「でもさ、あそこで彼が動いてくれなかったら、あんた、永久にループしてたでしょ♡そういう点では、彼に感謝だよ♡」
白「うるせえ、誰かも知らねえやつなんざに感謝する覚えはねえ。」
とはいえ、こいつの言い分も一理ある。俺が奴らを殺さなければ、プログラムの世界から出られなかったんだもんな。クソっ!考えるのはやめだ。
白「次のゲームを始めろ。」
【かしこまりました。それでは次のステージに移ります。難易度は、HEARDです】
白「ぶっちゃけ、HEARDだろうがEASYだろうが変わらねえだろ。死ぬことには変わりねえんだからな。」
【今回のミッションは毒死です】
白「・・・!?」
毒死だと!?・・・へっ、俺は何を動揺してるんだか。毒で死ねばいいんだろ・・・
【フィールドを生成し、転送を開始します】
白「きやがれ、おらっーーー!!」
そして、俺は飛ばされる。大丈夫だ。ここまでの苦難を乗り越えてきた俺にとっては死ぬことなんて容易いんだよ。
殺戮ちゃん「今回のことで白くん、気づいてくれるといいんだけどねえ♡」
【はい。ここが、彼にとってのターニングポイントですからね】
なんだ、このおっさん?さっきから、同じことしか言わないが・・・
博士「いいかの〜、白よ〜。これとこれ、あと、これも混ぜちゃダメなのじゃよ〜。」
白「もうそれ、7回目ですよ。」
博士「そうじゃったかの〜?まだ、3回目じゃぞ〜。」
ボケてんのかこのおじいちゃんは。
白「2回で十分だ。」
博士「そうかの〜。じゃあわしは、月刊おかみさんを買ってくるから、留守を頼むの〜。」
なんつー本読んでんだか・・・まあ、聞いたこともない名前だし、関係ないからどうでもいいんだがな。てか、このおっさんとのやりとりだけで、20分はロスしたんだが・・・時計見るか・・・
白「制限時間は残り1時間36分。28歳研究員・博士の助手。」
なるほど、さっき、爺さんが何回も言ってたお陰で毒薬の作り方がわかったぜ。それに、ここの世界の俺は、頭がかなり回るようだ。とりあえず今、一通り部屋を調べたが、毒薬自体は金庫に厳重に保管されていて、助手の俺ですら金庫の開け方を知らない。無いなら作ればいい。さっきの爺さんが言ってたのと、俺の知識をあわせれば青酸カリを作ることができるだろう。
白「さあ、始めようか」
集中だ。集中した先に、見えたものを掴むんだ。
(2KCN +CO2H2O→K2CO3→2HCN)
頭にありとあらゆる化学式が浮かび、俺は青酸カリの化学式を掴み取る。そして、ビンの液体をビーカーに入れる。
(2AG2S +8KCN→4K +2K2S)
頭の中にどんどん文字が浮かび、俺の手は止まることを知らない。
これで、フィニッシュだ。
(KCN)
完成した。毒薬・・・これが、毒・・・飲めば死ぬ・・・念のため、鍵はかけておいた。やっぱ、今回も簡単だったな。
ゴクッ
ゴクッ
ゴクッ
さあ、俺を死へと誘・・・
白「うっ・・・息が・・・」
くそがっ!!なんなんだ、この衝撃は!!
白「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
(死にたくないんだろ?)
白「また、てめえか!!」
(いい加減、本当の自分に気づけよ)
白「うせろ!!あがっ・・・!!苦・・・し・・・い・・・」
(本当の自分にさえ気づければ、俺の正体だってわかるんだよ)
白「あ・・・あ・・・ぁ・・・」
(そのためには、このデスゲームをクリアして記憶を取り戻せ)
白「ぁ・・・・・・」
博士「うっひょひょーい!美智子ちゃんのおっぱいぷるんぷるんじゃ〜!おっと、歩き読みはよくないの〜。って、白くん!?大丈夫か!?」
爺さんか・・・
ガチャッ
ガチャッ
ガチャッ
博士「鍵がかかって開かんわい!待ってろ!今、非常用の鍵を取りに行くからの!!」
足音が遠ざかる音がした。消えたか・・・解毒薬を飲まされたら、時間切れでリアルで死んでたな。っていっても、今から死ぬんだがな・・・変な話だぜ・・・
(これで、1歩前進はしただろ。だが、ゲームをクリアするまでは全ての真実にはたどり着かない。さて、お前にこのゲームをクリアすることができるかな。)
【ミッションクリア。クリアタイム01:49。これより転送を開始します】
【毒死:毒は、生命活動に芳しくない影響を与える物質の総称で、そういう性質は毒性とよばれ、またそういう性質があるもの(物体・生物問わず)は有毒と表現される】
白「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
くそがっ!なんでこんなに泣いてるんだよ!?
殺戮ちゃん「ようやくここまで来たわね♡SECONDステージの開幕よ♡」
(死にたくない・・・死にたくない・・・死にたくない・・・死にたくない・・・死にたくない・・・死にたくない・・・死にたくない・・・死にたくない・・・死にたくない・・・)
頭が働かない・・・同じ言葉が何度も何度も表示される・・・俺はどうしちまったんだよ・・・
【これより、SECONDステージへと移行します】
どうも、今からあなたは死んでくださいの作者ゆいたんです!白くん、途中までは良かったのですが、最後、どうしちゃったのでしょうね・・・まあ、あれが本来の人間のあるべき姿なのですがねwでも、今回のお話は今後の白くんの大きな分岐点となる回だと思います!次回もいつもみたいに死ねるのか!?生きるも死ぬも、白くん次第!!それでは、また次回!!