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ACT.67 “俺たち”の戦い(Ⅲ)

 ▽▲▽


 放たれた二つの光の奔流が激突し、弾ける。

 威力を減衰させないまま弾けた光は周囲に、散弾のように弾け飛んだ。


「不味い!」


 散弾の様にはじけた光は、一切威力を失っていない。

 それはセイリュウⅡの身体に降りかかるとともに、カイトたちにも降り注ぐ。

 予想外のその光景に、全員が退避行動を取る中、一人それが取れない人物がいた。

 ――ナギだ。

 未だに極光を放ちセイリュウⅡの攻撃を相殺し続ける彼女は、回避ができない。


「私が行く!」


 そこに赤い影が、彼女に覆いかぶさった。

 深紅の着物を靡かせ、レナが怪腕を広げてナギを庇う。


 そして、双方の攻撃が尽きたその時、弾けた光からナギを庇い続けたレナの怪腕は、ボロボロに崩れかけていた。


「レナさん!?」


「ナギちゃん大丈夫?」


「大丈夫ですが、で、でもレナさんが!」


 レナによるこれ以上の戦線維持は不可能だと、この場にいる全員が察した。

 それ故に、レナは叫ぶ。


「あとはお願い!」


「――任せろ!!」


 そう言ってカイトは、走りながらクナイを投擲する。

 狙いは一点、その喉笛だ。


「青いオーラで守られているとはいえ、元から防御力が低い部位なら、たかが知れているだろ!」


 今、奴が放っている青いオーラが防御力を底上げする効果のものなら、元から防御力の低い部位を狙うしかない。

 しかし、そんな狙いがセイリュウⅡにわからない訳ではない。

 奴は、首の位置をずらしてクナイを避け、代わりにしなる尾を振るう。

 紙一重で避けた先で、カイトはにやりと笑う。

 尾を避けた先、地面に映る彼の影の中から二枚の巨大な手裏剣が瞬時に現れた。


「【陰遁:影通し】、上手くいきましたね!」


 ライガの術で彼の影とカイトの影をトンネルの様に繋げたのだ。

 その影の中を通ってきたのは、スズハヤの手裏剣。

 上からの攻撃なら迎撃される可能性が高かったが、このように不意打ちの形なら迎撃される心配はない。

 事実、その刃は青いオーラ越しでも、セイリュウⅡの身体に大きな傷をつける。


『GryueeeeeEeeeEE!!』


 叫ぶセイリュウⅡにすかさず追撃をする為に、カイトが更に距離を詰める。

 迫るカイトに向かって、セイリュウⅡは大きく口を開く。

 熱戦を吐く予兆もなく、そんな不可解な行動にカイトは一瞬困惑するが――次の瞬間。

 奴の口内から、凄まじい速さで舌が放たれる。

 弾丸の様な速度を持つそれは、確実に致命傷だ。

 それに、今のカイトは【奥義:黄泉ノ凱旋者(イザナギ)】が使えない。

 クールタイムが、まだ終わっていないからだ。

 しかし、咄嗟のことで避けることができないカイトは、敗北を悟った。


「くそっ!」


 しかし、その時だった。

 カイトの懐から、突如銀色の何かが飛び出し、セイリュウⅡの舌弾を弾き、カイトの身を守った。

 その銀色の正体は――。


「――ギンコ?」

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