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番外編 カスタムパートナーズ・クロス(Ⅲ)

本日二回目の更新です!

前の見てない人は、ちょっと戻ってから見にきてね!


それと、三話で収めるつもりが出来なかったので、今日中にもう一話更新しまーす!


▽▲▽


「【木遁:韋駄天】!」

「おらぁ、【無刀両断】!」


 濃霧の森の中、カイトとナガマサはクワガタ軍団と戦闘を続けていた。

 【木遁:韋駄天】で加速したカイトは、その速度を活かした飛膝蹴りで【足軽クワガタ】の顎ごと頭を叩き割り、ナガマサはスキル【無刀両断】で迫りくる【武者クワガタ】を真っ二つにする。

 この場で戦う二人の戦闘形式は、まるで正反対と言えた。

 カイトは劣るステータスを、機転と戦闘スタイルを工夫することで補い、戦う。

 攻撃を当てられぬように常に走り回ってかく乱し、相手の弱点や行動を予測して、臨機応変に立ち回る。

 一方、圧倒的なステータスを誇るナガマサの戦闘スタイルは、まさしく一撃必殺だ。

 相手の攻撃を完全に見切り、いなし、最小限の動きで無効化して一刀のもとに叩き伏せる。

 そんな相対する二人は、即席とは思えない意外なほどのコンビネーションで、次々とクワガタたちを屠っていく。

 

『KIKIKIKI!!』


 だが、クワガタたちもただのザコではない。

 【楽師クワガタ】の演奏によるバフを受けた【足軽クワガタ】と【武者クワガタ】は、見事な陣形をもって二人を責め立てる。

 この統率された動きは、ナガマサが依然戦った時には見られなかったものだ。

 おそらく原因は、神輿の上でふんぞり返っている【大名クワガタ】のスキルだろう。


「――くっ」


「大丈夫か、カイト!」


 やはり多勢に無勢。

 徐々に二人は押され始める。


「レナが居れば、アイツらまとめて焼き払えるんだがな」


「タマが居れば、アイツらなんて瞬殺なんだが――」


 背中を合わせて軍勢をしのぎながら、言葉を交わす二人。

 話題は、自然とこの場にいない相棒の話になる。


「ナガマサさんの相棒は、そんなに強いのか?」


「あぁ、俺なんてくらべものにならないくらい強い」


「――それ、なんて化け物?」


 ただでさえナガマサの強さを知っているカイトは少し戦慄した。

 正直、ナガマサは強い。

 まさしくカイトとは天地の差だ。

 カイトを見捨てさえすれば、このクワガタ軍団から逃げ切ることもたやすいだろう。

 だが、ナガマサはソレをしない。

 ナガマサが本来持っているやさしさゆえに、カイトを見捨てることだけは、しない。

 そんなじり貧の中、ナガマサはあることに気が付く。


「そういえば、なんだが」


「ん?」


「あの【大名クワガタ】、仲間を全然呼ばないな」


「え、待ってくれ。この状態でもきついのに更に仲間呼ぶのか!?」


「ほかのクワガタ上位種はみんな呼ぶのに、アイツだけ呼ばないのは不自然だなって思って」


 その言葉を聞いて、カイトは少し考える。

 呼べない味方、呼ばない援軍――いや、もしや呼べないのでは。

 ならば何故、ナガマサのいういつもと何が違う。

 そう考えた時、カイトはある仮設にたどり着く。


「そうか、ジャミングか」


「どういうことだ?」


「この霧がジャミングの役割をしているんだ。ソレでナガマサも【大名クワガタ】も仲間が呼べない」


 そう考えるなら、辻褄は合うとカイトは語る。

 そう不自然なこの濃霧が、自分たちのみに何か悪影響を与えてるわけではない。

 言ってしまえば奴等も被害者だったのだ。


「――まぁ、被害者だからといって同情はしないけど」


「違いない。それで、原因わかったけど、どうする?」


「――なぁ、ナガマサさん。そのタマさえくれば、あのクワガタどもの増援が来ても大丈夫なんだよな?」


「大丈夫だ、アイツは最強だからな」


「OK。じゃあ、さっさとこの霧を晴らすか!」


 そういってカイトは腰に下げていた中型の瓢箪を手に取る。


「え、カイト何する気?」


「ちょっとすごいことするから、驚かないでくれよ!」


 そういってカイトはにやりと嗤う。

 悪だくみをした子供のような笑顔だ。

 そしてカイトは、その瓢箪を目の前に迫るクワガタ軍団に向かって投げつけた。

 クワガタ軍団の真上に到達したソレに向かって、カイトは右手の中指と人差し指を揃えた形で指す。


「【火遁:狐火】!!」


 指先から迸った熱火球が、空中の瓢箪を割り砕く。

 次の瞬間。


「ナガマサさん、伏せろ!!」


「!?」


 その瓢箪から、紅蓮の炎が地獄の如く炸裂した。



▽▲▽


「――な、なにが」


 一瞬何が起こったかわからないまま、地面に伏したナガマサが身を起こすと、そこは見渡す限りの大惨事と化していた。

 焼け焦げ、燃える木々に、じりじりと煙をあげる地面に、ばらばらになったクワガタたちの死骸。


「――よし、ナガマサさんは無事みたいでよかった」


 ナガマサの上からそんなカイトの声が聞こえ、見上げるとそこには――。


「カイト!!」


 ――重症を負ったカイトが、ナガマサをかばうように覆いかぶさっていた。


「痛ってぇな、クソ」


「お前、一体何を!?」


「火薬がマシマシに詰まった瓢箪を起爆させた」


「は!?」


 しかもそれはただの火薬などではない。

 レナがジライヤ杯で儲けた金を使って購入した、高性能液体爆薬をナギの【奥義:願イハ誰ガ為ニ】で可能な限り圧縮した超一級の危険物だ。

 そんなものを、クワガタ軍団に向けて爆破させたのだから、周囲は地獄のような様相になっていた。

 当然、その爆風からナガマサをかばったカイトのダメージはシャレにならない。

 文字通りの満身創痍だ。


「早く、早く手当を!!」


「俺はいいから、早くタマを呼ぶんだ!」


「――霧が!」


 そう、カイトがそんな強硬策を取ったのは、何もクワガタ軍団をまとめて始末する為だけではない。

 大爆発が起こした強烈な爆風で、周囲を覆っていた深い霧は一気に晴れていた。


「早くしないと、【大名クワガタ】が」


『KIKIKIKI――!』

『KIKIKIKI――!』


 そういってるうちに、その【大名クワガタ】が奇声を発し仲間を呼ぶ。


「くっ!」


 ナガマサは、カイトをかばうように前に出ようとしたその時。

 ナガマサたちのその近く、辛うじて生き残っていた【武者クワガタ】が、その顎を模した太刀を動けないカイトめがけて振り下ろした。


「――!」


 直前でナガマサが気づくものの、間に合わない。

 その瞬間だった。


「やー」


 そんな、ナガマサには聞きなれた幼い声が響き、その【武者クワガタ】の身体が木っ端みじんに砕け散った。

 カイトの危機に駆け付けたのは、カイトが初めて目にする幼い少女だった。



「おー、やっとみつけたぞ、モジャマサ!」








「クロスオーバーとか、やってみたいなー」とツイッターで呟いたところ、快く引き受けて下さり実現しました!

作品は、俊郎先生の「ゲームで第二の人生を!~最強?チート?ユニークスキル無双で自由に楽しく生きていく!スローライフ風味のまったりのんびりハチャメチャライフ!?~」です。


https://ncode.syosetu.com/n9420fe/?p=2


ユニークチートな主人公の愉快痛快な第二の人生が魅力的な作品です!

私の執筆力では、先生の力量を再現できてはいないので、興味を持たれましたら、是非本編に遊びに行ってみて下さい!


また、向こうにもカイトとレナが遊びに行ってるので是非是非ご覧ください‼︎

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