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番外編 カスタムパートナーズ・クロス(Ⅰ)

コラボ番外編、はじまるよ‼︎





▽▲▽


「――クソ、参ったな」


 カイトは、濃い霧のかかった薄暗い森の中で、そう呟いた。

 今日、カイトはレナと共にいつものようにログインし、何かのクエストをしようかとターミナルのクエストカウンターを漁っていたのだが、その時、見慣れないクエストをレナが発見した。

 そのクエスト名は『未知との遭遇』。

 ところどころフォントがいつものとは違っていたり、詳細が読めなかったりで怪しさ満点だったそれを、カイトが止めるまもなくレナが選択。

 通常なら、クエスト選択して『門』を出ないとそのエリアに行けない筈が、クエストを選択した瞬間に何故かエリアに転移させられてしまった。


「しかも、レナと別々な場所からスタートとか、つくづくやばいクエストじゃないのか?」


 さらに、まずいことはもっとある。

 このクエストは、どうやらリタイア不可らしい。

 メニュー画面のリタイアボタンが消失していた。

 つまり、このエリアから脱出するにはクリアしかない。

 

「クリア条件が『クワガタ系モンスター 100pt分の討伐』ってまずクワガタ系モンスター自体初耳だし、ここのエリア――“ストーレの森“なんてのも初耳だし、どうなってるんだよ!!」


 既にもう半ギレになりながら、ずかずかと霧の中を進んでいくカイト。

 そして、そんな五里霧中な森を進むこと数分。


「――。」


 カイトは、何者かが自分の跡をつけていることに気が付いた。

 おそらく、妖魔モンスターではない。

 この背中に感じる視線は、おそらく人間のモノ。

 一瞬PKかと警戒したが、それにしては殺気がない。

 害意がないならほっとくべきかとも思ったが、後ろを付けられっぱなしも、いまいち気分がよくない。

 だから、カイトは立ち止まり意を決して話しかけることにした。


「――後ろにいる奴、なんのつもりだ? 出てきて話し合おうぜ?」


 すると、後ろの濃霧の中から、一人の青年が現れた。


「ごめん、悪意とかがあったわけじゃないんだ」


 天ぱ気味の髪に、見慣れない西洋風の装備を身に着けた青年だ。


「俺の名前はナガマサ。ちょっとこの霧で相棒とはぐれてしまって、よかったら一緒に探してもらえないだろうか?」


▽▲▽


「カイト―、ねぇどこー?」


 一方その頃、カイトとはぐれたレナは、半泣きに近い状態で濃霧の森を彷徨っていた。


「う、うぅ、こんなことなら受けなきゃよかったかな」


 そんなことを言ってももう遅い。

 ほぼ自業自得である。

 レナはカイトと違い、幽霊は平気であるが、心細いのは苦手なのであった。


「――、―――!」


「ひっ!?」


 そんな中、前の方から突然女の子の声がした。

 声はどんどん近づいてくる。

 それと同時に、レナの心拍数も上がる。

 どきどきしながら声のする方を向き直ると、その濃霧の中から、中学生くらいの少女が現れた。


「モジャモジャー、どこー?」


 相手が自身より明らかに年下の少女だとわかってほっとしたレナ。

 そして相手も、レナの姿を見つけて駆け寄ってきた。


「おー、誰かいたー」


 人懐っこそうなその少女の笑顔を見て、内心更に安堵したレナはこう少女に話しかける。


「はじめまして、私はレナ。君はどうしてこんなとこにいるのかな?」


「おー、はじめまして! タマはタマだよ!」


「そっか、タマちゃんって言うんだね」


「うん、それでね、モジャモジャがタマとはぐれちゃったから、探してたの!」


 その話を聞いたレナは、この少女が調教テイムした妖魔が、この森で迷子になってしまったのだと把握した。

 ゲームだし、ここでこの子をほっておいても危険はないのだが、何となくそういう行動をするのは、良心がとがめた。

 その為、レナはタマにこう提案する。


「そっか、じゃあおねえちゃんも手伝ってあげる」


「ほんと!」


「うん、ホントだよ」


「わーい!」


 まぁ、カイトだってこれくらいの寄り道許してくれるはず、そう思ってレナはタマと手をつないで歩き出した。


▽▲▽


「成る程、じゃあそのタマという子を探せばいいんだな」


「協力してもらって大丈夫か?」


「あぁ、こっちも相棒を探していたんだ、そのついでだと思えばいいさ」


 レナたちは合流したころ、カイトとナガマサもお互いの事情を把握し協力体制を敷くことに成功していた。


「まぁ、俺たちはナガマサさんたちと違って、合流した後もクワガタとやらをたくさん狩らないと帰れないんだけどさ」


 そういってまだ見ぬクワガタ系モンスターとやらのことを考えて、深くため息を吐くカイト。


「クワガタ? それって足軽クワガタとか武者クワガタとか?」


「え、知ってるのかナガマサさん?」


 そんなカイトの言葉にナガマサが反応する。


「いや、知ってるも何も、“ストーレの森”といえばクワガタ。クワガタといえば“ストーレの森”みたいなところがあるだろ?」


「――ん?」


 ここで、カイトは微妙な齟齬ソゴを感じ取った。


「いや、俺としては“ストーレの森”自体初めて聞いたんだけどさ」


「え、ストーレの街にいるのに知らなかったのか? じゃあ今までどこを狩場にしていたんだ?」

「――ん?」


 カイトはストーレの街という言葉すら初耳だ。

 しかし、目の前の青年はソレが常識であるように話す。

 微妙に感じていた齟齬が、大きくなった瞬間であった。


「あと、少し気になっていたんだけど、カイトの装備」


「これが、どうかした?」


「そんな忍者みたいなの初めて見たからさ」


 その言葉に、カイトの頭に特大の疑問符が付く。


「いや、いやいや! ナガマサさんだってシノビでしょう!?」


「俺が? 俺はそんな職まだ見たことないんだけど」


「――――。」


 嘘や冗談をいっている風ではないナガマサの言葉にカイトは絶句した。

 この世界のプレイヤーは、もれなく全員がシノビだ――そこに例外はない。

 そんなことを考えたところで、カイトの脳裏にある予感がよぎった。


「まさか、まさかだよな」


「どうしたんだ、カイト」


「ナガマサさん、いっせーのせで、この世界のタイトル言ってみません?」


「え、まぁいいけど」


 カイトは、まさかと思いながらも、その不安を払拭するためにそう発案する。


「せーの」


「CO-ROU・THE・CHRONICLE!」

「カスタムパートナーオンライン」


 ――――――――――。


「「――ん?」」


 そして、その予感は見事的中してしまっていた。






「クロスオーバーとか、やってみたいなー」とツイッターで呟いたところ、快く引き受けて下さり実現しました!

作品は、俊郎先生の「ゲームで第二の人生を!~最強?チート?ユニークスキル無双で自由に楽しく生きていく!スローライフ風味のまったりのんびりハチャメチャライフ!?~」です。


https://ncode.syosetu.com/n9420fe/?p=2


ユニークチートな主人公の愉快痛快な第二の人生が魅力的な作品です!

私の執筆力では、先生の力量を再現できてはいないので、興味を持たれましたら、是非本編に遊びに行ってみて下さい!


また、向こうにもカイトとレナが遊びに行ってるので是非是非ご覧ください‼︎

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