表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/81

エピローグ ―青龍―

次回からまた投稿時間が16時に戻ります。


「ギンコ、お手」


 がぶり。


「痛ってえ!!」


 あの激闘から一晩明けた今日。

 カイトたち三人は、草原エリアに来ていた。

 理由は、昨日の【“青冠”の嶺兎】戦でギンコを手懐ける条件が整ったのかを確認する為であったが、結果としては案の定手懐けることはできてなかった。


「うーん、“予兆”の二つ名なんて十分な脅威を退けたのですから、普通はもう言うことを聞いてもいいと思うのですが」


「あれじゃない、カイトの人徳が足りないんじゃない?」


「馬鹿な。レナをも手懐けることができた俺に人徳が無いわけがない!」


「ちょっと待って、また変なルビ振らなかった?」


「わかってるじゃないか、レナ」


「――大学で友達いないくせに」


「高校ではいたからいいんだよ。大学でも高校でもゼロ人のお前とは格が違う!!」


「はっ、たった三人じゃん!」


「三人()だ! ゼロ人のお前と比べたら三倍――いや、ゼロに何をかけてもゼロか、HAHAHAHA!!」


「おっと、それを言ったら戦争だよ?」


 そういって、無言のままそれぞれの得物を取り出す二人。

 いつの間にかいつものノリを始めた二人の間に、あわててナギが入る。


「お、落ち着いてください二人とも! それとカイトさん、ギンコには多分、追加で何か条件があるんだと思います」


「追加条件?」


「はい、多分ギンコはわたしのコナタたちと違って特別製みたいですし。そうでなければ、やっぱり【“青冠”の嶺兎】を倒した時点で何とかなってるはずです。」


 特別製といわれても、未だ初心者であるカイトにはわからない。

 しかし、あのジライヤがただの妖魔を優勝賞品に据えるのもおかしな話だ。

 そう考えるならば、ナギの言葉にも信憑性がある。


「そうだよね、私たちなんだかんだで“予兆”の二つ名なんてとんでもを、倒しちゃったんだものね」


 しみじみとした表情で、レナが呟く。


 そう、カイトたちは、見事にあの【“青冠”の嶺兎】を討伐せしめたのだ。

 倒した瞬間を見ていないカイトからすると実感はなかったものの、落とし穴の底から後で救出されたときに、自分の身に入った大量の経験値と、討伐報酬を確認したことからもきちんと倒せたらしいと思ったそうな。


「まぁ、あの時は言い忘れていたが、よくやったなナギ」


「い、いえいえ。カイトさんたちの御活躍のおかげでわたしも頑張れたので」


 そういって縮こまるナギを見て、くすりとレナが笑う。

 

「いや、あの時のナギちゃんすごくかっこよかったんだよ! カイトよりかっこよかった!」

「悪かったな! 穴の中で昼寝してて!」


「え、でもあの時のレナさんすごく取り乱して――」


「ナギちゃんストーーップ!!」


 そうやってわちゃわちゃし始める女子二人を横目に、カイトは懐からあるものを取り出す。

 それは、碧色の招待状だった。

 実は、この招待状こそが、【“青冠”の嶺兎】討伐報酬であった。


「しっかし、これはいったい何の招待状なんだろうか?」


「生憎、まだ中身は見れませんね。多分(キタ)る日がくれば開けられるのでしょう」


「そうか」


 そう呟いて、カイトはその招待状を太陽に透かすが、やっぱり中身は見えなかった。


「それと、カイトさんがいないうちに、今回わたしたちが得た情報は、“予兆”を探ってるグループの人たちに報告しておきました」


「――ん? なんか情報得たっけか?」


 カイトはそう本気で言った。

 彼からしてみたら、何か“予兆”といえど次のクロニクル・クエストにつながる情報を得た記憶はなかったからだ。


「いえ、あの【“青冠”の嶺兎】の名前が、最大の情報です」


「名前?」


 レナがそう呟くのを聞いて、カイトもナギが言わんとしていることに感づいた。

 【“青冠”の嶺兎】の名前は、示していたのだ。


「そうか、次に来るクロニクル・クエストの内容を示していたのか!」


「はい、それに“影の国”所属のわたしたちが遭遇したということは、襲来するのはこの国です」


「え、どういうこと?」


 いまだに何のことを言っているのかわかっていないレナに、ナギは小さく深呼吸をしてこう核心を言った。








「次のクロニクル・クエストの内容は、【“極青冠”討伐戦】。――“影の国”に襲来する、史上三体目のレイドボス【“極青冠”セイリュウ】の大規模討伐戦です」







――to be continued



今回で、約一カ月に渡る二章が完結です。


お疲れ様でした&ありがとうございます。


さて、前回告知しました通り「俺の私のさいきょー奥義(仮)募集!」の企画結果発表をいたします‼︎


対象者は…

片岡透翼さん、βめちゃっしー%さんの2名です‼︎


当初は一人だけの予定でしたが、とても甲乙付けがたいのが2名いましたので、同時採用とさせていただきました。


お二人が原案となるキャラクターは、三章後に発表します外伝で対決します。


お楽しみに‼︎


五月上〜中旬頃発表予定

『虎狼外伝 イズモ侵略戦線〜"剣士殺し"と災禍の姫"〜』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
colink?cid=39326&size=l
cont_access.php?citi_cont_id=592259473&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ