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4 伏在

 『どんな困難な状況にあっても、解決策は必ずある。救いのない運命というものはない。災難に合わせて、どこか一方の扉を開けて、救いの道を残している』


 かの有名なスペインの作家であるミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラはこう言った。


 彼の遺したこの言葉を正しいとするならば、異世界に飛ばされるという困難な状況に置かれた(トウヤ)にも救いの道があるということになる。その救いの道というのは、地球に帰還する道か、はたまたこの世界での道なのかは、いずれわかるだろう。


 ◆


「ギャーッ!! ギャーッ!!」


 うるさい黙れ。

 何なのだろうこの鳴き声は、すっかり目が覚めてしまった。

 窓から外を見てみると何羽かの鳥が飛んでいるのが見えた。


「……ニワトリじゃん」


 そう、日本でもお馴染みのあの鶏である。

 何を思ったのか数羽のニワトリは羽をバタつかせながら、それはもう逞しく空を飛んでいた。

 この世界のニワトリは元の世界(ウチ)のよりも活発みたいだ。

 レッド〇ルでも飲ませてあるのだろうか。


 そんなどうでもいいことを考えながら、早起きしてしまった俺はリビングに行くことにした。



「あらおはよう。随分早起きね」


 リビングには既にラティがおり、朝食の準備をしていた。

 まだアンは起きてないみたいだ。

 もうあのニワトリの鳴き声には慣れているのだろう。


 まあどのような形であれ、居候している身に変わりはないため手伝えることはなんでも手伝うことにした。


「何か手伝うことはありませんか、ラティさん」


 そんな俺に、彼女は予想だにしないことを言った。


「いいえ、それよりもトウヤ。あなたはもう家族の一員なのだから私の事をラティさんと呼ぶのは止めて頂戴。普段は敬語もダメよ」


 まさか俺を家族の一員として見てくれているのか。

 それが嬉しくもあり、何故か恥ずかしくもあった。



「分かったよ、母さん」


「それでよろしい」

 

 そう言いながら朗らかな笑顔を見せてきた。

 本当にいい人なんだなと心の底から思った。


 特にすることもないので、椅子に座って朝食が出来るのを待つことにした。


 待っている間、俺は昨日のことを思い出していた。


 件の魔術師兄さんのことだが、アレは王都配達サービスというもので、王都の市場に出回っている生活必需品や食品などを近くの街や都市、農村に至るまで住所と欲しいものを書いた紙を魔鳥を使い王都にある本部に送りつけるだけで送料はかかるが配達してくれるという。


 なんとこちらが何か売却したい時も、その場で鑑定して承ってくれるそうだ。

 因みに移動には魔法を使っているという。


 これで疑問に思っていた出稼ぎに行く理由が分かった。

 こんな村で貨幣を持っていても意味無いじゃん、と思っていたが普通に意味あったわ。


 この村で育てている作物はたったの2種類。

 1つはアマラという、黒い実をもつ植物で、これをベースとした酒を作るのに使うらしい。

 もう1つはベネティークという、あるポーションの材料になるらしい。

 この村に住んでいる人たちは、主にこれを育てて例の配達人に売却してお金を得ているらしい。


 本当はそれだけでも十分食っていけるらしいが、より良い生活を求めた者が出稼ぎに出ているという。

 アンは、自分の父さんは半分は王都で売られている本を買ったり読んだりするためにに出稼ぎにいってるというジョークを言っていたが。


 そして昨日他にも色々わかったことがある。この世界の仕組みについてだ。


 まず時間についてだが、日が登り、沈むサイクルが地球と全く同じであるからなのか、時間の制度も地球と何ら変わりはなかった。

 因みにこの世界にもカレンダーがあり、1年12ヶ月、1ヶ月30日という周期がこの世界では設定されていた。

 これらに関しては本当地球と同じなので特に問題は無いだろう。


 そしてこの世界の通貨は共通してリンという単位が用いられるらしい。厘ではない。

 相場は1リン約10円。

 これは魔術師兄さんが商品と共に置いていったカタログから推察した。


 とまあ、こんな感じで基本的なことは理解出来たと思う。

 しかし絶対的にわからない事が1つ。

 なぜ俺はこの世界の言語を理解しているのか。

 まあ結局のところ、例の天界人が何とかしてくれたのかもしれないと思うことにしたのだが。


 他にも知らないことは色々あるとは思うが、魔法については今日アンに聞いてみたいと思う。

 あと彼女の白い体質についても。


 俺が顔を上げると、いつの間にか朝食が出来上がっていた。


「さ、出来たわ……アンを起こしに行ってくれる?3人で食べましょう」


 俺は了解したと言わんばかりに頷き、アンの部屋へ向かった。



「……ここだな」


 アンの部屋の前に来た俺は、ノックをしようとした。

 その刹那、部屋のドアが勢いよく開き、俺の顔面に衝突したことはとても不運であると言える―――



「ホントにゴメン!!」


 俺の額にたんこぶをこしらえた張本人ことアンは手を合わせながら謝ってきた。

 一方俺はこの世界にも手を合わせる習慣はあるんだなと呑気に思いながら額を冷やしていた。


「気にすんなって。この程度ならすぐ治るから」


 俺は苦笑しながら先のアンの話を思い出していた。

 どうやら窓の外から侵入してきた虫がアンの服の中に入っていたらしく、起きた時にそれに気づいてパニクって慌てて部屋から出たという。

 

 なんと運の悪い。


 朝っぱから天文学的な確率を引いた俺は自分の不運を恨みながら朝食をとることにした。



 今朝の朝食はドルセのソースがかかったホットケーキであった。

 ふっくら焼けていてとても美味そうだ。

 日本でもよく食べていた。

 人間の考えることは同じなのな、と俺は心の中で呟きながらホットケーキを口に運んだ。


「……美味い」


 なんというか、今まで味わったことのない植物特有の甘さがホットケーキとマッチしており、非常に美味い。


 気が付けば、3人とも無言でホットケーキを食べていた。



「美味しかったよ、母さん」


 と、俺が言うとアンが意外そうな目をしながらも


「もうすっかり私たちの家族だね」


 と、笑いながら言ってきた。


 俺は赤くなった顔を隠すことができなかった。


 ◆

 俺の名はペルダム。妻と1人の娘をもつ夫だ。

 今俺は建設工事魔術師として王都エブロビットで働いている。

 農村にいる妻と娘の為に王都まで出稼ぎに来ている(半分は本の為などということは出来ないが)。

 月給もいいし、王都には巨大な図書館もあるため非常にこの地を気に入ってる。


 宿に帰る途中、ふと王城に隣接するある建物を見上げた。

 エブロビット高度魔術師育成学院。

 次の入学試験は約半年後だったはず。

 この学院に俺の娘、アンが次の入学試験をうけることを希望しているらしい。


 ……無事通過して欲しいものだ、まあ無理だったとしてもしょうがない。

 例外なくどの魔術学院の入学試験も通過できるか否かは、個人の才能に委ねられているのだから。


 ◆

 朝食を食べ終えた俺はアンと共に村の周辺を探索していた。

 探索といっても特に何も無いので散歩してるだけだが。


 俺は兼ねてより疑問に思っていたこの世界の魔法についてアンに聞くことにした。


「なあ、魔法について教えてくれるか?」


 俺はその場に立ち止まって単刀直入に聞いてみた。

 もっと質問の仕方はあるのだろうが、この世界の魔法の知識を全く知らない俺にとってはキホンのキから教えてもらう必要がある。

 彼女も立ち止まり、少し悩んでからこう言った。


「……魔法?そっか魔法かぁ……私もホントに基本的なことしか知らないけど、それでもいい?」


 構わないと俺は頷いた。

 彼女は暫く腕組みした後、こう聞いた。


「魔力のことは覚えてる?」


 俺は首を横に振った。

 無論ゲームとかでも魔力というワードはよく聞いたが、この世界における魔力がどう定義されているのかは当然知らない。


「魔力ってのはね、常に私たちの周りにあるものなの。もちろんそのまんまだと目には見えないんだけどね?で、魔法っていうのはその魔力を利用して様々な現象を起こすことが出来るの」


 あれ?魔力って身の回りにあるものなのか。

 ついゲームの先入観で魔力というのは自分が持っているものだと思っていたが、どうやら身の回りに無数に存在するものらしい。

 ということはあれか?呪文さえ唱えれば幾らでも魔法を使うことが出来るということなのか。


「そこで重要になってくるのが魔力効率。魔力効率って言うのはどれだけの量の魔力を操ることが出来るかを表すものね。魔力効率が高ければ高いほどより多くの魔力を使う事ができ、強力な魔法を行使することが出来るってわけ。確かそんな感じだったと思う」


 ……操る?

 彼女の話を聞く限り、なんか魔法を使うためには魔力をコントロールしなければならないらしい。


 しかしそれでも魔力は身の回りにいくらでもあるのだからやはり魔法は幾らでも使えることになる。

 まさか制限なく使えるわけないだろうし、魔力を操るときに体力でも消耗するのであろうか。


 ふむ、彼女の曖昧な話を聞く限り魔法の知識についてはアンもそれほど詳しくないようだ。

 なんというか、人伝に聞いた話という感じがある。


 問題は魔力効率だ。

 もしその魔力効率とやらを持っていない人がいたとしたら、その人は魔法を使えないということになる。

 俺はこの世界の住人ではない、魔力のない世界から来た人間が魔力効率などもってるとは思えない。


 あれ?これ俺魔法使えない感じ?

 折角異世界に来たのに……まあそんなに甘くないかぁ、と自分で勝手に納得した気分になった俺は根本的なことを質問した。


「大体分かった。で、魔法は何処で学ぶんだ?」


 魔法を教える人がいない限り魔法なんて使えるわけないだろうし、何処かに学校でもあるのかだろうかと思った。


「魔術学校よ。ここから1番近いのは王都エブロビットにあるエブロビット高度魔術師育成学院ね。」


 やはり魔術学校があるのか。

 王都エブロビットといえばここから出稼ぎに行ってる人が働いている場所だ。


「入学試験には触れた者の魔力効率を解する魔道具を使って行うらしいわ。魔力効率が無かったりあまりにも低い人は入学できないとか」


「今まで俺に話してくれた事、誰に聞いたんだ?」


「以前お父さんから聞いたの。まあ私も小さい頃に聞いただけだったから詳しくは知らないけどね」


 となるとアンの父親も魔術師なのだろうか。

 是非会ってみたいものだ。名前知らないけど。


……そう言えば入学試験は何歳から受けられるのだろうか。

 それを聞こうとした瞬間、アンが俺に聞いてきた。


「入学試験を受けられるのは17歳からなの。確かトウヤは16歳って言ってたわよね?誕生日は覚えてる?」


 あ、と俺は思った。

 確か件の事件が起きたのはあちらの世界では9月8日。

 もしこの世界で目覚めたのが次の日の9月9日だと仮定するならば、今日はあちらの世界では9月10日、こちらの世界では月日は違えど今日は俺の誕生日ということになる。


 正確には分からないが事件が起きてから目覚めるまでそんなに時間はかかってないだろう。

 そう判断した俺は今日を俺の誕生日にする事にした。


「記憶違いでなければ誕生日は今日だったはずだ」


「え、そうなの!?だったら家に帰ってお祝いしなきゃね!」


 そういうとアンは鼻歌を歌いながら歩き始めた。

 ……そんなに人の誕生日を祝うのが嬉しいのだろうか。


 少し疑問に思いながらもアンの隣を歩いていると、俺らと同じく散歩している大柄で活気そうな村人と出会った。


「よお、アンちゃん!と...アンタがトウヤってやつだな?俺はヴァンだ、よろしくな!」


 威勢よく挨拶してきたその男性に、俺は軽く会釈した。

 どうやらもう既に殆どの村人に俺の存在が知られているらしい。


 ヴァンと名乗ったその戦闘力(物理)の高そうな男性は俺の顔を見るなり怪訝な顔をして俺に聞いてきた。


「……どうしたそんな額にタンコブなんてこしらえて……あ、もしかしてアンちゃんと夫婦喧嘩でもしたんだな?」


「ち、違います!何でそうなるんですか!」


 アンは頬を紅くしながら言い返した。いいぞもっと言ってやれ。


 てっきり俺の黒目黒髪のことについて聞かれるのかと思った。

 よかった。その質問を上手く誤魔化せるほどの返答は持っていなかったからな…



……あ、ここの村の人達は俺が記憶喪失になってる事を知っているのか。ラティの所為によって。

 というかもし聞かれても記憶喪失であると返せばいいのか。


 我ながら自分の頭の回転の遅さに自嘲しながら彼をみた。

 茶髪に……茶色い目をしている。チラッとアンの方を見た。


「ハハッ!冗談だよ。ま、仲良くな?」


 そう言ってヴァンはどこかへ行ってしまった。

 言うだけ言われたのが悔しかったのか、頬を膨らませながらまた歩き始めた。

 そんな彼女の様子に苦笑しながらも俺は考え事をしていた。


(今の村人も他の人も皆茶髪で茶色い目をしていた。そういう人種なのか、それともこれがこの世界では普通なのかは分からないが...)


 と考え、再度アンの方を見た。

 やはり先天性白皮症(アルビノ)だろう。

 魔法がある世界だ、何かしら紫外線対策はしているのだろうが一応確認することにした。



「「おめでとー!!」」


 夕食の席についた俺は2人から温かいお祝いの言葉を受けていた。


「いやぁ、しかしビックリしたねぇ、まさか今日がトウヤの誕生日だったなんて。これなら魔術学校の試験も受けられるわね」


 ラティは熱い紅茶をティーカップに注ぎながらそんなことを言った。


 どうやらその王都にある高度魔術師育成学校の入学試験が半年後に行われるという。アンも受けるつもりらしい。


 しかしどうやら試験というのは名だけであって、実際は当人の魔力効率とやらを測って入学できるか否かを判断するだけらしい。

 17歳になった俺は受験資格を満たしているし、母の許可ももらっているので受けようと思えば受けられるのだが、気になることがあった。


「母さん、入学できる程度の魔力効率を持ってる人ってどれくらいいるの?」


 これは非常に気になっていた。

 これがかなり多ければ自分も入学できる希望があるかもしれないと何となく思ったからだ。


「確か10人に2~3人くらいだったと思うけど」

 

 ガッデム。なんて非情な世界なんだ。

 少ないということは覚悟はしていたが、予想以上に酷かった。

 やはり不安になってきた、地球人の俺に魔力効率などあるのだろうか。


 今は新しい家族に巡り会えたし、別に魔法を使えなくても問題は無いのだが、折角この世界に転移してきたのだから魔法を使いたいという気持ち、そして何かしらアンとラティに恩返しをしたい気持ちがあり、入学したいという気持ちは強かった。


「大丈夫!2人ともきっと受かるわよ」


 俺が暗い顔をしているのが分かったのか、そんな励ましをラティはしてくれた。



 夕食を食べた俺は自分の部屋のベッドで寝転がっていた。

 さっき彼女に先天性白皮症(アルビノ)のことを聞いたが、この世界でもその病気のことは認知されているらしい。


 なんでも紫外線を完全にカットする特殊なクリームを塗っているとか。

 そんなクリームを日本に持っていったら高値で売れること請け合いだなと考えていると、ふと本棚に目がいった。

 ズラリと並んでいる本の殆どは小説だった。


『魔法の基礎』


 俺はそんな題名が書かれたノートを本棚から手に取りだした。

 文字通り魔法の基礎について書かれているであろうその薄いノートは本と本の間に挟まっていた。


 ここに置いてあるということはこのノートを書いたのは十中八九アンの父親であるのだろう。

 よく見つけたな、と自分で思いながら開いて読んでみた。


 書いてから相当時間が経っているのか、頁はところどころ日焼けしており、破れているところもあった。



『魔法の基本』


『魔法を簡単に説明すると、魔法とは身の回りに存在する魔力を操作し、通常では有り得ない現象を引き起こすことである。魔力の操作量の限界は個々によって違う。高ければ高いほど、一気に膨大な魔力を使い強力な魔法を発動することができたり、少ない魔力で発動できる規模の小さい魔法を何連続も行使することが出来る。しかし魔法を行使した後には休憩時間(クールタイム)というものが存在する。この時間中は同じ魔法は使えない。強力な魔法ほどこの休憩時間(クールタイム)は長く、小規模な魔法ほど短い。


 魔法には例外を除いて火、水、土、風、光、闇の6属性がある。ここからは具体的な説明になるが、魔法は周りの魔力を手に集め、心の中で詠唱をし、発動させる。先に書いた操作というのは魔力を手に集めるということである。この魔力を手に集めるという行為は大変難しく、習得するのに最低でも2ヶ月はかかる。集められるようになれば、手に集まる魔力が見えるようになるだろう。しかしこれだけでは終わらない。詠唱の際に手に集めた魔力を魔法毎に違う操作をしなければならないのだ。ここでは詳しくは書かないが。それらの操作には体の疲労を伴うため、やり過ぎて自分の身を滅ぼさないように注意する必要がある。


 しかし先ほど書いた通り「例外」がある。まず魔力を手に集める理由だが、手が魔力の操作に最も適しており、仮に他の体の部位に魔力を集めることが出来たとしても、何も起こらないからである。


 これは人伝に聞いた話だが、例外は他の体の部位に魔力を集めると特殊な効果を得られる能力をもっているらしい。これは魔法というよりも自分を強化するというイメージがある。要は自分の中で魔法を使っているような感じだ。そのような例外は比較的簡単に他の部位に魔力を集めることができ、他の部位に集めるだけでその例外に因った特殊な能力が付与されるという。クールタイムも存在しない。そのような例外が使う特殊な魔法、自身の強化を特異属性の魔法と呼ぶ』



 まあざっと読んだわけだが、大体こんな感じのことが書かれていた。


 ああそうか、アンの言っていた「魔力を操る」は多分手に魔力を集めること、そして魔法毎の操作の2つを指していたのだろう。

 で、手に集めることの出来る魔力の限界量を魔力効率と言うのだろう。


 ま、仮に俺に魔力効率があったとして、今から2ヶ月間で手に魔力を集めようとしても魔術学校の指導が無ければ無理だろう。


『例外』……か。

 何か試してみようと思ったが、そもそも魔力を集めるという感覚がない俺には試しようもない。

 頭に魔力を集めたら頭良くならないだろうかとどうでもいい事を考えついた俺は、頭に魔力来いと念じてみた。


 まあ流石に何も起きないか、と思った刹那。


 俺の脳裏に、アンが俺の部屋に入ってくる光景が一瞬浮かんだ。


 ……何なのだろう今のは。

 もしかして俺は心の底でアンに構ってほしいとでも思っているのだろうか。もしそれが本当ならとんだ笑い種なのだが。

 

 そんなことを考えていた次の瞬間、アンが俺の部屋に入ってきた。


「ねえねえ、暇だからしりとりしよーよ」


 何故しりとりなんだ、いや今はそれどころではない。

 俺は驚愕していた。


 具体的には、先程脳裏に一瞬映った光景とアンが実際に入ってきた光景が全く一緒だったことについてだ。

魔鳥…魔法により人語を理解できるようになった鳥。手紙の配達に使われる。ハリー〇ッターのヘドウィグみたいなやつ。

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