私兵
7月16日 大幅に改変しました。
「と、到着が遅れたことをお詫び申し上げます!あなたが……トーヤ様でよろしいですか?」
「あぁ。その通りだ。君らが俺の私兵か?」
ティアと入れ替わるようにして現れた来客者。
全員が黒い服装で統一され、肩で光る徽章から、確かに王国軍であることが確認できる。
こうしてる今も直立不動の姿勢を保っているところを見ると、しっかりと訓練されていることも伺える軍人たちだった。
……ただ1つの疑問を除けば。
「はい!この度レイシル大佐から特別人事を受け、トーヤ様の私設部隊へと配属になりました、アイリス・セルクレス兵士長以下80名!これよりトーヤ様の指揮下に入ります!」
その言葉に整列した100名近くにもなる軍人による一糸乱れぬ敬礼が披露される。
その景色は圧巻の一言で、隣にいるリナは少し萎縮してしまっているように見える。
……ただ。
「……全員随分と若いんだな」
見渡す限り、見えるのは俺と同じほどの年であろう少年少女ばかり。この最初に挨拶したアイリスという少女も、可愛らしい顔立ちに肩まで伸びた髪を後ろでちょこんと纏めている高校生くらいの少女にしか見えない。
他も同様だ。まぁむさ苦しい男ばっかりというよりかは良いと思うが……。
「はい!私たちは全員王国軍の養成学校第128回、129回卒業生で構成されてます!詳しくはレイシル大佐から手紙を預かっておりますので」
そう言って渡される一通の手紙。
長々しく書かれた文書だが、要点を要約すると、
私兵として今年卒業した新兵を派遣しました。これはすでに戦い方を身につけた兵士よりは訓練しやすいと判断したのと、将来性を期待して決めさせていただきました。
任期はトーヤ様にお任せします。ただ、彼らは王国軍の指揮下にも入っておりますので、有事の際は招集されることがあることをご了承ください。
最後に、国王陛下が面会を希望されておりますので、時間があれば王都へお立ち寄りください。お待ちしております。
こんな感じだ。
兵士を訓練するのは新兵のほうがやりやすい……のだろう。経験がないからわからんが。
まぁ、戦い方で言えばこれまでとは全くと言って良いほど違うので、ちょうど良いのかもしれない。
さて、こうなれば後は俺次第だ。
「諸君はこんな最近現れた貴族に配属されて不満か?」
「いえ!最近現れて数々の武勲を一気に立てたトーヤ様の指導を受けることができて光栄です!」
前に立ち、心意気を確認する。
それに応える顔に嘘や偽りはなく、全員がしっかりと俺の方を見てくれている。
「ならば俺は諸君らを立派な兵士に育て上げる。戦い方がこれまでとは全てが違う、未来の戦いだ。それについてこれるか?」
「もちろんです!」
「なら結構。訓練は明日から始める!諸君らには個人装備の扱い方から初めて、最終的にはこのような……複数で扱う兵器を使いこなせるようになってもらう」
そう言って俺が行う行動に全員が驚愕する。
俺の隣に突然現れた鉄の塊。俺がカバンから取り出したM1エイブラムス戦車を見て、それぞれが一様に表情を変える。
期待、不安、様々な感情が入り混じる少年少女に俺はニヤリと笑ってこう言った。
「覚悟しておけ?」
次話から楽しい訓練の始まりです。
しばらくは訓練の内容中心で物語は少し止まります。




