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カバンの中には現代兵器  作者: アンケン
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温泉への道

「撃てっ!」





 俺の声で銃声が鳴り響く。

 SCAR-Lで5発ほどずつのバースト射撃を繰り返し、5.56mm弾が次々と魔物に着弾する。


 頭上からはリナが撃つM249軽機関銃の途切れることのない弾幕が敵をなぎ倒し、それをティアとレイシルの2人が眺める。



 ……闘えよ。





「改めて見ると…すごいわね」




「これがトーヤ様の力ですか。威力的には対人魔法と対物魔法の間程度でしょうが、攻撃距離と連射速度が比べものにならない程ですね」






 そんなことを呑気に言う2人を横目にトリガーを引き続ける。

 ダダダダダッ、と連続する銃声と共に肩へとくる反動を押さえ込みながらドットサイトの先に見える敵を倒す。

 30発の弾倉に入る弾丸を撃ち切り、ボルトストップがかかったら新しい弾倉をカバンから取り出し、薬室に次弾を放り込んで、射撃。

 その一連の動作に慣れを感じつつ、状況を確認する。






「そろそろ敵も肉薄してくるから気をつけろよー」






 そして2人に一応声をかけておく。

 攻撃は全て魔物に有効打を与えているが、さすがに数が多く、距離はすでに詰まっていた。







「もちろん……では、行きますよ!」






 レイシルが駆ける。

 手には2本のナイフ。知的な外見には似合わない凄まじい速さで敵の中へと潜り込み、カランビットナイフのように刃が三日月のように曲がっているナイフでそのまま魔物の首を掻っ切る。


 そこに周りから迫る魔物。

 2本のナイフじゃ対応できないような数が迫るが、レイシルに焦りは無い。

 メガネの縁をクイっとあげると、手を地にかざし、何かを唱える。

 するとレイシルの周りを囲むように現れる炎の壁。魔法である。


 一部の魔物はその炎に燃やされ、残ったのもナイフで体を切り刻まれる。




 ……こいつめっちゃ強い。








「私も負けてられないわね!」





 知的メガネから視線を外すと、次に見えたのは杖を構えるティアの姿。

 魔女のようなその姿から魔法を駆使して戦うのだろうと予想した通り、呪文のような何かを唱えたティアは魔法を繰り出していた。


 見た感じ、属性は雷ってところだろう。

 バチッ……という音と共に、一筋の雷跡が魔物の間を疾駆し、過ぎ去った後には一部に焦げた穴が空いた魔物の死体が転がっていた。






……あれ?ティアも結構強い。







 ナイフや魔法という異世界らしい戦い方で魔物を圧倒する2人。

 誤射に注意しながら俺も射撃を続けるが、正直、もうあの2人で良いんじゃないかと思うほど2人は強かった。



 そして、そうなればあれ程いた敵の数も次第に目減りしていき、数えられるほどになった頃にはほとんどの魔物はどこかへと逃げていた。






「ふぅ……何とかなりましたね」




「久々の戦闘だったから疲れたわ」





 少し疲れた表情ながらも、無傷でこちらに歩いてくる2人。


 後で聞くところによると、レイシルは元々軍の諜報機関で工作員として活動していたらしく、その実力は今でも王国で上位に食い込むらしい。

 ティアの方も学園の成績では上位らしく、攻城級の魔法まで使える優秀な魔術師らしい。


 ……次魔物に出くわしたらこいつらに任せよっと。






「トーヤ!お疲れさま〜」





 そんな2人を見ていると、車からリナが降りてきて俺に抱きつく。

 2人もそうだが、銃火器の使い方を覚え、今回の戦闘でも半分近くの敵を倒したのはリナである。




「リナもよく頑張ったな」




 そう言って功労者の頭を優しく撫でると、目を細めてもっと撫でてと言わんばかりに頭を押し付けてくる。

 そんな姿が可愛くてさらに撫でてやるのだが、そんな俺たちの姿を羨ましそうに見るティアの姿にはもちろん気づくことはなかった。







「それじゃ、そろそろ出発するか」




 その後、軽く休憩を挟んで、再び全員が車に乗り込む。


 目的地の温泉は、もうすぐであった。

次から温泉パートですが、予定ではほとんど戦闘がありません。

その分トーヤとヒロイン(現在2人?レイシルは含みません)との絡みを書いて行こうと思うので、シチュエーションなどで希望があれば教えてください。作者の妄想が広がれば書かせていただきますので。

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