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カバンの中には現代兵器  作者: アンケン
29/75

集結

「戦場の女神様は無慈悲だな」




 思わずそう呟く。

 前方に辛うじて目視で見えるくらいの距離まで迫ってきた敵軍。



 そこに撃ち込むのは戦場の女神こと砲兵の武器である大砲。

 99式自走155mmりゅう弾砲である。

 陸上自衛隊の特科(砲兵)部隊に配備されているこの兵器は155mmりゅう弾を40km先まで撃ち込むことが出来る自走砲であり、世界でも珍しい自動装填で射撃することが出来る。

 おかげで、射撃するだけなら俺1人でも出来てしまうのだ。





「凄い威力だね……敵が吹き飛んでるのがここからでも見えるよ」




 分間に6発のペースで撃ち込まれる砲弾。

 敵との交戦距離が近い為、ほぼ水平に撃ち込んでいるため、ダイレクトに敵に届いてしまう。

 だから……うん、リナの言ってるように敵兵が言葉の通り吹っ飛ぶのが良く見えて、ちょっとグロい。






「……お、騎兵隊のお出ましか。さすがにあれはこれじゃ狙えんかなぁ……」





 そんな中、前に突出してきたのは、騎兵隊。

 数百ほどの馬がこちらに向かってきていた。




「リナはこれ使って取り逃がした敵を頼めるか?」




「わかったー」






 俺は99式から降りて、リナは備え付けられているM2重機関銃の銃座に着く。




 そして、本日3台目となる戦闘車両を取り出す。


 名前はゲパルト自走対空砲。

 ドイツが開発した対空戦車で、エリコン35mm対空機関砲KDAを2門装備して毎秒9発の弾幕を張ることが出来る。




 さっそく乗り込み、目標を定める。


 デジタル画面に映し出される騎兵隊の映像。

 標的を定め、コンピュータによる偏差などの計算の後、砲塔が移動して、照準が定まる。





 トリガーを引く。


 ダダダダダッ!と連続した砲声が響き、99式と同様水平に撃ち込んだ弾幕は騎兵隊に襲いかかる。





 着弾。

 35mmの砲弾の雨に降られた騎兵は回避する間もなく馬と共に倒れる。


 続く射撃。


 5秒ほどのバースト射撃で次々と騎兵隊をなぎ倒す。

 1kmほどの距離になるとリナの射撃も開始される。



 中には500mに迫ろうかという騎兵もいたものの、回避はほぼ不可能の弾幕を超えることは出来ず、結局自分の攻撃範囲には届くことはなく、10分も経たないうちに騎兵隊は壊滅し、残った騎兵は反転し、撤退を開始した。



 ゲパルトを降りてリナの元へ向かい、Tホークの映像を確認する。


 既に最初見た黒い津波のような集団は無く、逃げた騎兵が森へと入るのが見えた。

 どうやら歩兵も撤退したようだ。






「勝ったな」




「そうみたい…だね」





 終わってみれば何とやら。

 敵の敗走により、帝国の侵攻は失敗に終わり、俺たちの勝利が確定した。


 

 だが、本来なら諸手を挙げて喜ぶべきなんだろうが……あまりにも一方的過ぎる戦闘に微妙な達成感が合わさり、2人して何とも言えない表情になるのだった。

これ書いてて作者が一番何とも言えない顔になりました。

何でしょうか……思ってたのと違う!何でだろうか……

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