神
10話分までくらいできてるけど、一気に投稿する方法わからんから、3日くらいかけて順次投稿していきます。
「あ、聞こえてる?神だよ!」
……頭痛い。
とりあえず状況を理解しよう。
寝て起きたら森の中にいて、唯一電話の繋がる神に電話したらよくわからん男が出てきた。
うむ、よくわからん。
「おーい!繋がってないのー?」
「繋がってますよ」
「あ、よかったぁ。聞こえてるようだね」
とりあえずしっかりと会話は出来ているようだ。
そのことに一安心しつつ、とりあえずこの人は誰なのだろう……?
そう聞こうと思ったら、唐突に、男が言った。
「とりあえず、君、死んだよ」
………は?
「まぁ実際は死ぬから、直前に魂と肉体引っ張ってこっちに持ってきたんだから、死んでは無いよ!よかったね!」
「よくねぇよ!そもそも魂と肉体引っ張ってとか、よくわからんことより……」
「あ、時間無いから、さっさと説明済ますよ?」
俺の言葉はぶった切られ、質問する間も無く、神(仮)が喋り出す。
「とりあえず君は元の世界から消した。ここは異世界だよ。もうこれはこれで理解してね?」
できるか!?
「できなくても、ここは異世界ってことだけわかったらいいよ。ここは君らが言う剣と魔法の世界。細かい説明は省くけど、まぁ有名なファンタジーの世界のまんまを想像してくれたら大体合ってると思うよ」
声を挟む暇も無く、神(仮)は話を続ける。
「それで、君をここに送った理由は簡単。君には世界を動かしてもらうよ。そのために必要な能力は渡したし、そうしてもらわなくちゃ僕が困る。とりあえず能力を使ってみて?」
能力……?
そんなこと言われたって使い方なんかわからな……。
そこまで言って自分の体の異変に気がついた。
脳に、記憶に何かがある。
その強烈な違和感は意識すると案外あっさりと解消し、それは簡単に理解することができた。
俺は試すようにベットにかかるカバンに手を入れる。
すると、いつもの感覚でカバンに入れた手にこれまた強烈な違和感。
まるでカバンに入れた手が無くなっているような……いや、無い。
感覚も存在感も全て無くなった感覚に耐えきれなくなり、思わず手を引き抜く。
すると戻る感触。そして手に握られた、カバンから取り出そうとした物。
コルトM1911ガバメント
日本人の学生のカバンに入ってることなどあり得ないものを、俺は取り出したのだ。
そう、これが俺の能力。
カバンからモノを取り出す能力。
現代兵器はもちろん、医療関係の道具などの戦闘に関係するモノ全てを取り出すことができるらしいのだ。
「うん!うまく発動したね。不都合は全て消せるから、後は君が改良してね!」
未だに信じられない俺を置いて神は話を続ける。
「最後にもう一度言うよ。この世界での君の目的は'世界を動かすこと'。そのための時間や行為は問わないし、自由に生きてもらっても全く構わない。けど、絶対に目的だけは完遂してね?」
おちゃらけた、だけど、有無を言わせないような奇妙な威圧感に襲われる。
額から汗が流れる。その雫がそのまままつ毛に落ちてくるが、気にならないほど神の言葉に傾注していた。
「それじゃ!君の新たなる旅路を祈っているよ!………あ、そういや君の存在消えた時に君の記憶も消えてるんだっけ?名無しは可哀想だから名前だけは教えておくね!バイバイ!トーヤ君」
ツー、ツー。
声が無機質な音に変わる。
……理解が追いつかねぇよ……。
それから、神の話した事を処理するのに数分の時間が必要だった。
登場兵器の説明いります?