テスト放送だよ!
ゆのみ「ねぇねぇ、みかん」
みかん『なんですか?』
ゆのみ「今度さ、部活に入らない?」
みかん『部活ですか……、残念ながら帰宅部に入っています』
ゆのみ「そっかー、じゃあ放課後は忙しいんだね」
みかん『そうです、狩りでとても忙しいです。』
ゆのみ「だったら昼休み限定の部活なんてどう?」
みかん『それなら可能かもしれませんが、一体どんな部活なんです?』
ゆのみ「それはね、DJ部だよ」
みかん『DJ……デンジャラスジャパン』
ゆのみ「日本に危機迫る、じゃなくてディスクジョッキーだよ」
みかん『なんですかそれ? ディスクシステムなら知ってますけど』
ゆのみ「ディスクジョッキーというのはね、つまりラジオ司会者なんだよ」
みかん『だったらラジオ部でいいじゃないですか』
ゆのみ「むー、それじゃインパクトないでしょ。DJだから、わぉインパクトある、でしょ」
みかん『いやいや、インパクトあったところで内容が分かんないですよ』
ゆのみ「じゃー、どうすればいいんだよー」
みかん『そうですね、大丈部とかどうです?』
ゆのみ「大丈夫?」
みかん『そうです、みんなに心配される部活です』
ゆのみ「それならインパクトありそうだねー、でも心配されてどうするの?」
みかん『心配料を納めてもらうんです。』
ゆのみ「しんぱいりょう……?」
みかん『他人を心配することで、自分は安堵を得る。その対価をもらうんですよ。』
ゆのみ「なるほどー、つまり私たちは見世物になるってことだね。」
みかん『……それは嫌です。』
ゆのみ「えー、提案しておいて、拒否しないでよ」
みかん『それはこっちのセリフです。提案しといて、部名を考えさせないでください。』
ゆのみ「うーんじゃあ、ラジオDJ部でどう?」
みかん『無難ですね、というかDJの部分は固定なんですね。』
ゆのみ「そーだーよー、もうDJ部として書類出しているからね。」
みかん『えっ、申請しているんですか?』
ゆのみ「うん、昼休みの時間を使って放送していいって」
みかん『放送って、これはマジな話なんですか?』
ゆのみ「うん? 冗談だと思っていたの?」
みかん『はい、ゆのみさんの話の八割は冗談で出来ていると思ってました。』
ゆのみ「ひどいよー、せめて六割にして」
みかん『それでもほとんど冗談ですね』
ゆのみ「まったくだよ、でも今回は珍しく本気なんだよね」
みかん『ほぉ』
ゆのみ「だって昼休みをジャック出来るんだよ、ジャック、ジャックだよ!」
みかん『そうですか……』
ゆのみ「あれ、あんまり乗り気じゃないの?」
みかん『だって、見ず知らずの人に会話を聞かれるのは、ちょっと……』
ゆのみ「大丈夫その訓練はすでにしているんだから」
みかん『? 訓練ってなんのことです?』
ゆのみ「だから、これはテスト放送なんだよ」
みかん『テスト放送……、って、もしかして、ここ放送室に誘ったのは……』
ゆのみ「そうだよー、放送するためなんだよー」
みかん『なんてことを……えぇ、これは宇宙人の仕業、これは夢……』
ゆのみ「なっ、なに、そんな怖いこと言っても放送してるんだから」
みかん『日本が滅びればいいのに』
ゆのみ「デンジャラスジャパン!」
ゆのみ「ということで、来週の月曜日から放送開始です。お昼休みの12時から放送するので、ぜひ、聴いてくださいね」