表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/29

第25話「クール系×けなげ少女前編」

さぁ、どんどん更新!

「アヅ〜〜〜イイイィィィ!!!」

陽介が屋上でだれている。

「うるさいぞ、暑いのは皆同じ、忍耐が足りんな」

はじめはソフトクリームを食べながら日陰で寝転んでいる。

「アイス食っといて忍耐がないなどとよく言えるな?俺は一様先輩だぞ?アイスぐらい買ってきてくれてもいいんじゃねぇか?」

「それなら悠里に頼め、あ奴なら喜んで買いに行く」

「別に買ってもいいですけど絶対喜びませんよ!全く、何を言うんですかはじめさんは」

悠里が呆れたように言葉を返す。

「・・・そろそろ、依頼がきますわね」

花鈴が扇子を仰ぎながら言うと、麗治と茜とこころと麗佳がドアから出てきた。


「今回は!クールガイとがんばり屋さん!!」


・・・やっぱり伝わりにくいって、その称名。


和田わだかなめ、ハンド部2年、同級生からの印象は「クール」「冷たい」「冷血漢」など、新井あらいたま、バトミントン部1年、同級生からの印象は「がんばり屋さん」「けなげ」「親友」など、まぁそんな所だ」

麗治が簡潔に説明する。

「ちなみに相談者は珠!恋人である要との破局を止めて欲しいんだって」

茜がサラッと大事な部分を説明した。


「ちょ!破局寸前なんですか!?」

悠里が困った顔で言う。

「ふん、一度終わりと思ったらとことん終わるものだ、さっさと別れた方がいいぞ」

陽介がひどい台詞を吐く。

「そんな・・・よう君、ひどいよ」

麗佳がボソッと言う。


「ふ、冗談だよ、さ、その破局寸前の二人に会いに行こうじゃないか」


陽介がころっと態度を変えて屋上を出ようとした。

「まてまて、相談者とは話をして昼放課に落ち合う事になっている、それまで待て」

麗治が陽介の頭を掴みながら言った。

「とことんここにいる人達は先輩をなんだと思っているのか疑問で仕方ないよ」

ぶつぶつと文句を言う陽介だった。


 昼放課

校庭の木陰に相談者の珠と恋人の要がいた。

「やっほー、一緒に食べにきたよ〜」

「あ!待ってたよ〜、こっちこっち!」

茜が声をかけると、ショートカットのかわいい笑顔の相談者が手を振って答えた。

「要先輩、私の友達の茜ちゃんです」

珠が要に茜達を紹介する、


「・・・俺、うるさいの嫌いなんだよね」


鋭い眼つきで茜達を一睨みする要、

クールと言うべきか、性格が悪いと言うべきか、

「・・・ご、ごめんなさい、で、でも!弁当はみんなで食べた方が良いし!」

笑顔を絶やさず話しかける珠、要はフーンと言ってそっぽを向いた。


《感じわるっ!!》

《ありゃ相当性格悪いな・・・》

《・・・・ムカつくな、喧嘩師の俺だったらケンカを吹っかける所だ》

《なんで珠さんはあんな男好きになったんだ?ありゃDVの可能性があるのに》

「・・・チッ」

《あれ?・・・今花鈴の方から舌打ちが聞こえたような?》

それぞれが要に悪意を感じながら弁当を食べ始める一同。


「・・・・・・」


だれも喋らない・・・・。


≪麗治さん、なんでだれも喋らないんですか?≫

≪しるか、俺に聞くな!≫

こころが心配しながらそこら辺を浮遊する。

そして要の前で止まってみる。


「・・・・うせろ」


麗治ははっきりと見た、要がこころを睨んで罵声を浴びせたシーンを。

≪れ、麗治さ〜ん、あの目つきの悪い人がうせろって・・・う〜≫

泣きながら寄ってくるこころ、

≪いや、お前その前に見えてることに驚けよ!!≫

結局、その日の昼食は気まずく暗い空気のまま終わった。


 屋上

「なんだあの最低な男は!!」

陽介が叫ぶ、よほどムカついたのか、暑さすら忘れている様だ。

「あんな男と別れたくないのかお前?」

麗治が一緒に来てた珠に聞いた。

「はい、だって!・・・私は、先輩が好きだから・・」

顔を赤くしながら言う珠、

「全く、どんな神経してるんだよお前」

陽介が苛立ちに耐えれず声を荒げる。

「ちょっと、珠に怒ってどうすんのよ」

茜が陽介を抑えようとして言う、

だが陽介は構わず言った。

「大体、本当にお前ら付き合ってるのか?カップル同士があんな空気で弁当食う事自体おかしいっつーの、案外あのムカつく男だって実はもうあんたにうんざりしてるんじゃねえのか?」

「陽介先輩!言いすぎですよ!」

悠里がそう言ったが、既に遅かった。


「・・・そっか・・・そうですよね」


珠が顔を下に向けて呟いた。

「気にするな、悪いのはそなたではないぞ」

「いいえ、やっぱり、私が悪いんですよ、先輩に告白した時だって、受けてくれたけど、嫌そうだったし、一緒にいるとき、一回も笑ってくれなかったし、なんだか私に冷たいし・・・・・私、最低だ、嫌われている事、知らないで、彼女だなんて・・・浮かれちゃって・・・すみませんでした、もういいです、依頼はこれで、終わりにします」

悲しそうな笑顔で、珠は屋上を出て行った。


静かになる屋上、


気まずい空気、


そして、全員が一斉に陽介を睨んだ。


「・・・・すまん、頭がどうかしてた、ぜひとも殴ってくれ」


土下座をする陽介、

「いや、あんたには殴る価値すらない」

「せいぜい今日犯した罪を一生背負う事ね」

「我も殴る相手を選ぶ、お主は殴ると我が拳が汚れるゆえ殴る気がせん」

「最低です先輩、とりあえず首吊ってください」

「・・・・かける言葉もないわ」

「うぉい!!やっぱひどいな君達!第一俺だって好きで言ったわけじゃねぇよ!!考えてもみろあの要とか言う彼氏の態度!!明らかにおかしいだろ!!あんな奴と付き合っている珠がかわいそうだとは思わないのか!?」

陽介の反論に、全員がハッと気付いた顔をする。

「・・・確かに、それはそうかも・・・」

茜が腕を組んで考える。


「よし!ここは一つ!彼氏さんの気持ちを確かめよう!!」


そう叫んだのはこころだった。



感想評価待ってるよ〜 byこころ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ