第17話「幽霊君×おっとり少女前編」
ひさかたなりbyはじめ
「みんな、幽霊って・・・いると思う?」
茜がイタズラな笑みで言う。
・・・いるじゃん、こころが。
「な、なんですか茜さんいきなり?」
悠里がもっともな発言をする。
「実は!今回の依頼は幽霊騒動なんです!」
とうとう恋愛相談から外れたよ。
「依頼人は菊咲麗佳、歴探同好会部長3年、以上」
「れきたんとは、確か歴史探偵同好会ですわね」
「フム、聞いたことない」
「え?はじめさん生徒なのに知らないんですか?」
「フッ、こころよ、この文校にある倶楽部全てでいかほどか分かるか?」
「ん〜?今まで見たのはサッカーとか園芸部ですから・・・20?」
「部、同好会合わせきっかし64倶楽部なり」
「・・・・中途半端に多いですね」
[珍しく同意見だな]
「で、依頼内容はというと!・・・ずばり幽霊の正体を確かめて欲しいということなの!」
「まて!恋愛でもなんでもない依頼をなぜ引き受けるんだ!」
さすがに納得のいかない麗治、
「こっちは何でも屋みたいに何でもするわけじゃねぇんだよ!一応縁結びなんだからそういう仕事しかしねぇよ!それに幽霊だと?いるわけないだろこの科学の世の中によ!!」
「え?いるじゃん、こころちゃんが?」
あっさりと返す茜。
[ちっ、気づいたか]
「あ、今麗治私のことを馬鹿にしたでしょ」
究極の勘で心の声を察知する茜。
「ん?何の事だ?ほらさっさと依頼人の所へいくぞ」
どうも様子のおかしい麗治だったが一行は依頼人の下へ。
歴史資料室
昔の古文書やら書物やら絵やらが置いてある歴史資料室。
また歴探同好会の部室でもある。
「どうも、依頼人の麗佳です」
花鈴とよく似た上品なお嬢様気質の人に見える。
そして周りには同好会メンバーが3人ほどいた。
「それで、幽霊騒動ってどういうことです?」
早速麗治が本題を切り出す。
「はい、一週間前の事です・・・」
―――――――――――――――――
つい中国の陽帝に関する文献を研究していたら遅くなってしまって。
ここの部屋校舎の一番奥ですから見回りもめったに来ないんです。
外が真っ暗だって気づいてすぐ帰ろうとしました。
資料室を出るともう電気は消されていて、
夜の学校は真っ暗で本当に不気味でした。
でも帰らなければならないので廊下を歩いていると、
自分のとは違う足音がしたんです。
先生かまだ残っている生徒だと思ったんですけど、
その足音変なんです。
妙に響くと言うか、普通の足音じゃないんです。
「コツーン・・・コツーン」
ゆっくりでしたけど、近づいてくる感じがしました。
私、怖くなって走りました。
すると、足音も急ぎ始めたんです。
「コツーン・・コツーン・・・・コツーン、コツーン・・・・」
なんだか、不規則と言うか、バラバラな感じな足音で、
振り向きたかったんですけど、どうしても振り向けなかったんです。
怖くて、本当に怖くて、
そして、また、異変があったんです。
いくら進んでも、真っ暗な廊下があるだけで、
どんなに進んでも下駄箱にすらたどり着けなくて。
もう、怖くて泣いていました。
そして、助けてって、強く思ったんです、そしたら、
「こっちだ!」
誰かが前のほうの教室のドアから手を振っていたんです。
男の子の声で、姿も普通だったから、生徒だと思いました。
すぐその子の元へ走って教室に入ったんです。
「しっ!静かにして」
その子の言う通り泣き声を止めて息を止めました。
そうして、何かが教室の前の廊下を通っていました。
あいからわずの足音で通り過ぎてホッとしました。
男の子は震えていた私を抱きしめていてくれて、
「もう、大丈夫だよ」
そう言ってくれました。
「下駄箱に連れて行ってあげる」
その声を最後に、私は下駄箱に立っていました。
いきなりでビックリしたんですけど、周りには誰もいなかったんです。
あの男の子も・・・。
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「・・・・」
なぜか沈黙している麗治。
「あ、あの?どうかされました?」
麗佳が声をかける。
「ん?なに?麗治固まってるの?」
「だ、大丈夫ですか!?」
悠里が麗治を揺さぶる。
「ふむ、深手を負ったな」
「も、もしかして麗治さん・・」
「怖いの苦手なんですか〜?」
こころまで声をだしてしまった。
だが麗佳は気づかなかったようだ。
「う〜ん、仕方ないわね、ほっときましょ」
茜はあっさり見捨てる。
「で?依頼はその幽霊を捕まえるの?」
茜の質問に麗佳は慌てて答える。
「いいえ、捕まえるんじゃなくて、できれば、男の子にお礼を」
「お礼と申しても、霊魂なのであろうそやつは?」
「でも、やっぱ忘れられなくて」
「うんうん、じゃあ!まかせて!早速今夜学校に乗り込むわよ!!」
「まてこら!!!」
飛び起きる麗治。
「あ、起きましたね麗治さん」
悠里の言葉を流して麗治は言った。
「俺は今回降りるからな!!!!!」
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