キャロル家にて
一応区切りが悪いので、これと、次のアーサー家での2話と3話構成です(因みに、ネタバレですが最後に次の話の舞台が少し出ます。)
宴が終わり、今はフランクの所に行く前に、スノウの無事を伝えるためと魔道具の販売、製造、普及についての相談をしにキャロル家に来ていた。(場所があの男は何故か知らなかったのとシリルが個人緊急避難用のしか持ってなかってため、歩いてきた。)
「とりあえず、ご両親は家に戻ってきてるんだよね?いきなり見知らぬ人が入ってもいけないから、シリルが入って、伝えてきてくれる?これからの事は俺が相談するから、とりあえず、スノウが襲われてたのを俺が助けて護衛して来たのと、俺から相談事があるから聞いてほしいってこと、この二つ。」
そういって、説明を任せたのだが
「解りました。これから裕也さんとキャロル家の交渉ごとは私が担当しようと思ってますので、それ位お安いご用です。他にも出来る限り便宜を図らせて頂きますから、役に立つ私をドンドン使ってやってください。」
うわー、何か聞き方によったら凄く卑猥に聞こえるぞ…。・・・もしかして、狙って言ってんのか?
「・・ま、・・まあ、説明よろしく頼む。」
それから、シリルは「はい、畏まりました。」と頭を下げて家に入っていった。
それから、数分たち俺とスノウは家に迎え入れられた。
「話はシリルから聞きました。親として改めてお礼を言わせてくれ。スノウを助けてくれてありがとう、そればかりかシリルを含めこの都市全体を救ってくれて、本当にありがとう。そして裕也君、これからも、スノウの事をよろしく頼む。キャロル家からも、道中に便利になる魔道具を優先で融通させてもらう。」
そういわれて、俺は考えていたある提案を申し出る。
「では、早速なのですがセバスさん、俺から商売の提案とお願いがあるんですが。今から良いですか?」
俺が言うとセバスさんが
「勿論、何なりと。」
というので、俺は話し始めた。
「・・・・という事なんですが、できますか?」
俺が聞くと、セバスさんが驚いた顔をして
「出来るかどうかはこちらの交易関係の相手にも依りますし、工房もアーサー家に聞かないと許可されるかは私どもだけでは判断できませんな・・・。話に聞いている、フランク様の様子なら、喜んで許可してくれそうですが・・・前例がない分どうなるか・・。しかし、裕也君の方は可能なんですか?それを造るのは大量の材料が必要になるだけでなく、多少、今までの魔法陣の概念を覆すような理論が必要になるはずですが。・・・当ては有るのですか?」
セバスさんが疑問と心配の入り混じった顔をして聞いてくる。
それに対して俺は、ニッコリと笑い
「ええ、魔法陣に関しては父が魔法陣を用いた魔道具を好んで造っていて、知識だけは凄いので材料が集まれば喜んで協力してくれるはずです。ただ・・・ちょっと変わっていて、何を開発するにも、途中で出来なくなって中途半端になるのが嫌なので材料が予定している3倍は無いとアイディアを考える気すら起こらないそうなので、まずは、スノウと旅に出て良さそうな材料を片っ端から回収するのが先ですね。なので、キャロル家もできるだけ、それに必要そうな材料は商売に影響のない程度に確保をお願いします。あ、交易ルートは他に開発した時用に連絡お願いします、工房については今からフランクの所で話し合うつもりだから。それに、国の重鎮も呼ぶみたいなんで場合によっては、材料がそろったら国を挙げてのプロジェクトになると思うんで、一気にキャロル家の交易先が広がる可能性もあるから用心していてくださいね?」
俺が警告をすると、セバスさんは神妙な顔になってしばし「ん~?」とうなって、ハッとした顔で
「なるほど、そういう事か、解った。そのことに関しては商人の領分だ任せてくれ。・・・では、早速各地の知り合いに飛ばすメッセージを書くから、失礼させてもらうよ?・・・あと、今から行くのなら仕方ないが、娘たちを使ってくれるなら、防音の結界を敷いた部屋が右に有るので何時でも空けとくよ。」
といってくる。・・・この親は心配じゃないのか?・・・と思っていると、何かを察したのか親指を上げてサムズアップしてきた。・・・そして、部屋を出て行った。
ハハハ、こりゃー、帰ってきたら朝まで宜しくするしかないな…。
「じゃ、結構時間もたって、向こうも準備出来たろうからそろそろ行くか?」
そう二人を促すと
「「はい、お供します」」
と元気よく返事が返った。
つづきをどうぞ^^