第6話英雄爆誕
やっと主人公活躍(少しだけ)サブキャラで戦闘シーンの方が書いてて面白い
さて、挨拶は済んだことだし。
「じゃあ、椿さっきも言ったけどスノウの護衛よろしく、スノウは知り合いがいたらその人も椿の傍にいてもらって。そんで椿は念話で、何か変わったことがあれば知らせる事。解った?」
「はい、多分そこに腰を抜かしてる人は公爵家のダンテさんだったはずです。そのお隣は、・・・闘技大会で見たことあると思いますがハッキリとは・・・、あっ思い出しました、今年の大会で守護家の方に敗れはしたもののそれまでは、圧倒的な強さで勝ち上がって準優勝した人です。流石です強い人はこんな戦いにも呼ばれるんですねー。それに、他の方たちもそれぞれの貴族たちの護衛の人だと思います、たまに公爵家でみたことがありますから。」
「へー、やっぱり都市を守るとなったら守護家の護衛とかだけじゃなく貴族の護衛も駆り出されるのか、まあ当然っちゃ当然か。流石に住んでるとこが無くなれば貴族だなんだって言ってられないもんな。そんで、スノウ、それだけ知ってみる人がいたんなら家族はいた?商人の家族なら責任者の一人くらい回復薬とか魔道具とかを配るのに駆り出されててもおかしくないけど?」
いうと、スノウは辺りを見渡し、少し嬉しそうに。
「あ、お姉さんがいました・・・おーい!ねーさーん!」
と言って駆け出した、それを見て微笑みながら俺は。
「さっきも言ったが、知ってる人たちを集めて椿の傍にいてくれ。戦いが終わったら、改めて色々相談しよう。スノウから少しくらい話してくれてても手間が省けて助かるから構わない。椿もさっき言ったように何かあれば、その時に必要だと思えば念話で連絡と確認よろしく。」
「了解だ、マスター。」
「じゃ、またあとで」
「解りました」
そういってから、椿とスノウは離れた所にいるスノウの知り合いの元へ向かった。
さてと、さっきから話してる間中ずーとこっちを睨んでるやつがいるけど、その前に今にも襲いかかってきそうな魔物どもを少し黙らせるか。このままじゃ、考え事もできん。
そうして俺はやや鬱陶しげに。
「gruuuuuu」
「garuuuuuaaa」
「少し黙れ、<<サイレント>>でもって、<<地よ>>」
俺がそういうと、魔物が黙り、次いで俺たちと魔物の間に高さ20mはあろうかといった鉄の壁が左右に50m位伸びて攻撃を遮る形となって現れた。
それにしても、魔操術とやらは奴の記憶で見たけど結構便利だよなー。
一度成功したら、その魔物は相手の意思に関係なく、まるで刷り込みのように魔物を従わせることが出来る。そして、リスクも術者が生きている時は特になし。ただ、仲間がいるときはそいつらになるべく注意をして置かないと、今回みたいな無差別破壊を引き起こす。けど、いっちゃー何だけど、自分の死んだあとの事まで責任とれなんつーことは俺も言えないから仕方ないかねー。
と思っていたら突然。
「おい、貴様は何者だ?そして、今何をした?あんな魔法は見たことがない。それにあれだけの詠唱であれだけの威力の魔法、相当な魔力を消費するはずなのにお前の魔力は減っている様子さえないそこいら中の魔力の残滓を使っている風だとはいえ異常すぎる。そして、あの少女はどこかで見た記憶があるからこっちの都市の人間だとは解るが、あの大きな狼は見たことがないししゃべる魔物など聞いたこともない」
なんて聞いてきたので
「俺はとりあえず旅の者だ、そんでさっきみたいな魔法をこの世界で俺にしか使えない理由を探すために旅をしてる。まあー色々と聞きたいことはあるだろうがこの魔物の群れを片づけてからにしないか?」
と答えた、そしたら、少し考えた後
「仕方ない、ではこの魔物の群れの掃除の協力を頼めるか?」
といわれ、俺は笑って
「いいぜ、さっきのこの護衛の契約にも含まれてるから喜んで協力するぜ!」
「では、お願いする」」
「了解」
といって、俺は両手を広げ
左手で
「<<炎よ>>」
右手で
「<<氷よ>>」
そして、前方へ解き放つ
「<<氷炎地獄>>」
そして、魔物の群れに襲いかかる
まず、片方の群れが炎で焼かれ、もう片方が吹雪に覆われる。
ジュワーーーー!! ビューーーーー!!
そして、次に炎に焼かれた魔物がそのまま凍り付き、吹雪に覆われ凍り付いた魔物が凍っていて抜け出せない状態から炎で焼かれる。
ビューーーーピキピキ!!! ピキピキビキビキジュワワワーーー!!!
そして最後にその二つの現象が渦を巻き炭と化しあとから吹く風によって灰となって消えて行った。
ビューーーゴーーーーズゴーーー!!! サラサラヒューーー
残ったのは2割ほどで、魔物たちも動きを止めて唖然としていた。
その光景を驚愕の表情で見ていた者たちがふと示し合わせたかのように一斉に裕也の方へ振り向くと、裕也は少ししまったーという表情で
「あっちゃーやりすぎた。あんだけ数がいたから素材とかを回収するのにもうちょっと使う魔法選べばよかった。めんどいからさっさと終わらせようとしたけど失敗したなー」
というと、フランクは堪え切れんという風に
「クックック・・・・アッ八ハッハ・・・・ワーッハッハッハ・・・最高だ、最高だよお前。・・・そういやまだ名前を聞いてなかったな、俺はフランクだ、フランク・アーサー。お前は?」
と涙を指で拭いながら聞いてきたので、俺は素直に。
「俺は裕也、立花裕也だ。さっきも言ったが旅をしている、と言ってもし始めたばかりだがな。一応今はここに来る前に、この砂漠を抜けた森の中でこの都市の中の貴族の刺客に追われて逃げていた、というより既に襲われていたさっきの女の子、スノウを助けてこの都市まで護衛して着た所だ。そして、これもさっき言ったことだが、防衛に協力するのは護衛の予定範囲内で、前金についてももう貰っているから残りの奴も掃除をするつもりだから安心してくれ。まー、魔物共もいきなりでまだ状況が理解しきれてないみたいだから、こうしてゆっくりしゃべってるんだがな。」
俺はそういうと、苦笑しながらチラリと魔物の群れに目を向けた。
いまだにすべてが状況の変化に追いついていない、そこで俺は少し見てみたいことが出来たので、フランクに尋ねた。
「そういえば、俺は今までさっき言った森とは別の森で親と生活してたんだが、この世界の人の力がどの位か刺客のと親のしか知らないから、今から大きく散らばった魔物を一か所に集めるからさっきまでの仕返しと憂さ晴らしもかねて、思いっきりやってくれ。それと、他の奴も適当にやってくれ俺の中でデータとして覚えときたいから、あ!もちろん魔力量が回復してるやつだけでいいよ?してない人はいってね少しなら回復させられると思うから。」
そこまでいうと、フランクが
「まあ、なんだ。色々とまた聞きたいことも増えたから後にするとして、とりあえず、二つだけ。まず散らばった魔物を一か所に集める、なんてことが出来るのか?魔道具の性能は基本魔法と同じだ、だから、魔法以上のことが出来る魔道具は存在しない。そして、俺はそんな魔道具は見たことも聞いたこともない。次に魔力量を多少でも回復させられるといったな?魔力量は普通、液体もしくは個体、まあ具体的には食事(魔力回復薬など、魔素を詰めた所謂錬金術士の調合した薬と魔素の詰まった魔物の肉。)からしか回復を図れないはずだ。口から体内の魔力を巡らす血管、魔血管に補充することで回復しその人の器、この場合才能によるがそれを超える量はどんなに食事してもとれない。辺りに漂っているだけの魔素では密度が少ない、それを回復する手段が本当にあるのか?」
と、なんとも疑わしい目で見てくる。
まー、その眼の中に期待と好奇の感情があるのは見て取れるが。
それにしても詳しいな、親でもそこまで詳しくは教えてくれてないし、刺客の記憶でもそこまでの情報はなかったのに。(親は当たり前のことで知識というより感覚で食事をとっていて教えるのを忘れていた。
裕也は魔力量がありすぎて肉から回復させるといった初歩の行為を失念していた。刺客はそんなことを記憶に残すほど意識していなかった。あと、まだ多少摂取の仕方はあるが色々ありすぎてここでは言わない。)
そんなことを思いながら裕也はニヤッと笑い頷くと
「ああ、可能だ。ただ、食事ほどは回復させられるわけじゃないからそこは勘違いするなよ?あと、魔物は・・・見た方が早いな。対象魔物<<生物集合>>」
俺の詠唱でぽっかりと空いた魔物の群れの空間に再び魔物の群れが集まった。
とはいっても、最初の数に比べたら埃がゴミになったといった感覚だが。
そして
「<<加重力>>」
で、集まった魔物の動きを止めて。
「それじゃあ、いくぞ。<<魔素収束・人体結集>>」
そういった瞬間、辺りの魔素が目に見えるほど密集して器の大きな人の体に吸収される。
それを見てフランクが一言。
「非常識が・・・」
と呟いた。
それから、才能の低い(強いか弱いかとは別次元)人たちの間でもざわめきが起きる。
「・・・おい・・・どうなってんだこれ・・・」
「・・・自分の体なのに・・・信じらんねえ・・・」
「・・・これは・・・回復薬より・・・効果あるんじゃねえか?」
「・・・いや。流石に、そこまではねえだろうけど。それでも、こんなことが出来る奴がいるってことが信じらんえ・・・」
「「「そこは皆の総意だ!」」」
そんな話を聞いていたフランクが、こちらを見ながらため息は吐き
「では裕也、これから回復した俺たちは一斉に攻撃を仕掛ければいいのか?」
「ああ、一人づつでも一斉にでも、それは任せる。けど、俺もあまり犠牲者が出るのを見るのは賛成できないから離れた結界のこちらからの魔法のみで頼む。結界の威力がわからんから多少の誤差はあるが予想の範囲内だと思うから。」
そいてフランクが皆に大きな声を出していった。
「皆!近くの者は聞いていたな?今度は我々が彼に俺たちの実力をみて貰う番だ。あまり不甲斐ない者はあとで皆から笑われるかもしれんから思いっきりいけ!そして、散々手こずらしてくれた魔物どもに最後の仕返しをしてやらうじゃないか!では、皆それぞれの判断で構わん思いっきり魔法を目の前の哀れな魔物にぶつけてやれ!攻撃・・・開始!」
そういうと皆が詠唱に入った。
「「「我の前に立ちふさがる愚かな敵を焼き尽くしたまえ・・・」」」
「「「大地は凍り、後に残るは銀世界、吹雪よ荒ぶれ・・・」」」」
「「「来たれ海より生まれし潮流、押し流せ泥を含む濁流・・・」」」
「「我の前に立つ物に地獄の業火、永遠の安らぎを与えたまえ・・・」」
「我が前には清涼の風、愚かな敵には冷たい刃を・・・」
そして、一斉に解き放つ
「「「<<ヘル・エンド・フレイム>>」」」
「「「<<ダイヤモンド・ダスト>>」」」
「「「<<ウォーター・ウェーブ>>」」」
「「「<<ヘル・アンド・ヘブン>>」」
「<<エンド・オブ・カッター>>」
ゴーーーーーーーーー!!! ドーーーーーーン!!!
そして、濛々と立ち上る煙が晴れると、そこには地形は変わっているものの、魔物は一切存在していなかった。
そして、人々からは徐々に
「・・・終わったのか?・・・」
「・・・終わったよな?・・・」
「・・・終わっただろ?・・・」
「・・・終わった!・・・勝ったんだ!俺たちはあの魔物の群れに勝ったんだ!!!」
「そうだ!勝ったんだ!!よっしゃー!!!勝ったぞーーー!!!!!」
「「「「俺たちの勝利だーーーーー!!!!!」」」」
「打ち上げだーーー!もう浴びる位のんだるぞー」
「ハハハ・・・」
「と、いう事だから裕也も勿論出席してくれ。誰が何と言っても、今回はお前が居なければこの都市いや、最悪傭兵が来ても倒し切れずに国が亡ぶことになっていた。そして、お前が助けて護衛して来た少女はキャロル家の人間だったようだからな。そちらにからも感謝されるはずだから、お前が断っても強引に出さされると思う。・・・というよりこの場でお前に感謝していない人間はいないだろう、だから悪い言い方をすれば強制だ。そうだろう?皆!」
いわれて振り返ると皆笑顔で頷いてる。
まー、言っとかないといけないこともあるし、ちょっと位ならいいか?
「解った、どうせスノウからも残りの報酬を貰う約束だから、あと数日この都市に滞在する予定だからな
。それとこの都市の上層部と貴族達に注意とか色々することがあるし、場合によればだけど最低ひと月はこの都市にいるから、込み入った話はその時にするか。じゃー打ち上げの宴会には出席という事で、あそうだ、この都市に王族いるか?もしいたら、警告があるから取次頼みたいんだが?」
そういうと、少し微妙な顔になり、うーんと唸ってから
「いや、この都市には居ない。王族は万一に備えすべて王都でいる、ここにいるのはこの国でそこそこの実力のある貴族、商家の家族とその護衛だ。とはいってもここは、あの{黄泉への入り口}とよばれる強力な魔物の蔓延る森の近くだからな、ほとんど最前線の最初で最後の要の砦だ。そのためこの都市では防御壁に他の都市では有り得ないほど強力な結界を張ってあるし、通信設備も充実させている。今回の様な事が起きても万一の備えとして、すぐに王都へ避難要請を出しに行けるように、王家の直系に認められたものしか使えない王城直通の転移装置もあるし。日々鍛えるように年の初めに大会を開いて都市を守る守護家を決めている、住民は誰でも参加できるから、その気になって頑張れば王族と謁見できるというわけだ。他にもいろいろあるがそれは打ち上げの終わった後にするか、俺もお前に少し依頼したいことがあるし。」
ほう、なんだろ?ある程度は想像はつくが。
「ま、何にせよ。お前の参加意思も得られたんだ、それでは・・・。おい!野郎ども英雄殿も参加される、今日は無礼講だ!皆騒ぐぞーー!!」
「「「「おおーーーーーーーーー!!!」」」」
「動ける奴は準備しろー!広場を解放し宴だーーー!!!」
「「「「よっしゃーーー!!!」」」」
こうして、英雄は誕生した。
主人公が強過ぎるのは読んでて面白いけど、書いてるとつまんないことを発見(わたしだけでしょうか?)だから、この作品は続けますが、並行して別も書こうと思うので今よりも遅くなります。読んでくれている方、誠に申し訳ありませんが気長にお待ちください