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ある能力者の異世界放浪記  作者: arandora
王国の英雄誕生
4/21

第4話都市襲撃前編

やっと、登場人物が増えるけど、その分頭が痛い(涙)

裕也達の帰還から遡ること2日、スノウが都市を脱出した直後の事。



「くそ、もう少しであの娘を我がものとできたものを、たかだか護衛風情が機転を利かせおって。なんの為にわざわざ他の都市の貴族のツテを頼りに手に入れた奴隷の首輪を旅人、商人、浮浪者から、あらゆる経路を使ってワシとは無関係に映るよう細工して、金も仲介人を3人も通しそれぞれに払わせ、文句が出ないよう運ばせたというのに。そして、キャロル家で働く下働き操作して情報を集め、やっと直接手に入れられると思ったら横からチャチャいれやがった。くそが、あの顔と未成熟の体を思い出すだけで猛ってくるわ!おい、何人使っても構わん、護衛も生きている必要などない、あの娘を生かして捕えてこい。生きてさえいれば多少使っていたとしても見逃してやる、その方がやる気も起きるだろ。ただし、顔は傷つけるなよ、見る影無く変形してたら萎えるからな。解ったらいけ。」


あとはキャロル家に脅しをかけて、そうだあの娘には姉がいたな。


18歳だが妹と同等の容姿で若干胸がある分色気が強くて結構いい女だったな、家を脅す序に妹の代わりに姉をいただくのもいいかもな。


それと、あの家は公爵家とも懇意にしてるんだったな、公爵の長男と当主のセバス・キャロルが歳の差の割に仲がいいから厄介だどうにかできんもんか。


「とりあえず、キャロル家に取引の途中にお前の所の娘が急に怒って護衛と一緒に出ていってしまったからどう責任を取ってくれるんだと抗議に行って来い、もしかしたら何か言いに来るかもしれん。もし、だれか来たらそいつをとらえて人質にして姉のほうを呼べ、妹の代わりに甚振ってくれる。クックック」


さあ、どうなるか楽しみだ。


そして、伯爵の使者がキャロル家に訪れると。



「おい!手前のとこの娘が家に旦那んとこから急に怒って出て行ったぞ、よってどう責任を取ってくれるんだと顔を真っ赤にして怒り狂って待ってる。早くこんとこの家が後々どうなっても知らんぞ?それじゃあな、ちゃんと伝えたぞ?」



「なんだと!あの豚、いうにことかいて急に怒って出て行っただと?どうせ奴自身が自制できずに襲って

逃げられたって所だろう。とりあえずクロス公爵の所のダンテ君にお願いしてスノウが帰ってくるまで豚伯爵から匿って貰えるようにお願いの一報を通信魔道具で連絡をしてくれ」


「解りました」


私が言うと使用人は返事をして知らせを入れに魔道具の保管場へと入っていった。


「さて、スノウは無事逃げ伸びてくれただろうか、生きているならできれば遠くの都市へ行って幸せになってほしい、ここではあの豚に狙われたら最低侯爵位に保護して貰わないと幸せになれんからな。無駄に顔は広いから無闇に処刑できないから困る、魔物にでも襲われてくれんものか。」


・・・この呟きが現実になり、この都市自体がさほど間を開けずに襲われるとは、このときは誰も知る由もない。


一方、キャロル家で色々と指示が出されていた頃、ドレイク家では。


「おお、やっと来たか。遅かったじゃないか、お前の幻惑魔法を使って色々とやって欲しいことがある。とりあえず他の者たちに追いつき、お得意の魔法で娘のほうは無傷で手に入れてくれ。その際、多少なら好きにしても構わん。ただし、他の物にも言ってあるから早い者勝ちになるから、その辺は理解しておけ。」


そういうとこの男は。


「了解、他に依頼はあるかい?なければ早く食べに行きたいんだけど。」


なんてぬかしやがった。


たしかに、早く捕まえてきてくれるのに問題はないがこちらにも安全対策が必要だ。


そのための能力もこの男は持っている、使える奴だが出来すぎて少々扱いに困るが。


「お前の操る魔物をこの都市の近くに待機させておいてくれ、キャロル家の娘に対しての交渉に使いたいから出来るだけ肉眼では分かりずらいが強化させれば見える範囲の位置でな。」


というと、男は嫌な笑みを浮かべ。


「あんたも屑だな、この都市自体交渉の材料にするとは。まあ、俺は楽しければいいから問題ないけど。けど、一つだけ。追いかける娘に味方する奴で危険な奴はいないだろうな、万一俺が死ぬ時は、魔物は近くの物を、今回の場合、魔物の標的はまず間違いなくこの都市になる。よって今回の企みは俺とあんたはほぼ一蓮托生だ、まあ、あんたと、というよりこの都市とになるけどな。だから、不安要素は黙っておけば身の破滅だぞ?」


などといってさらっと脅してきやがった。


まあ、単に快楽主義の軽いやつでないだけ逆に信用できるということだが、少しばかりムカつく事も否定できないから。


「護衛はいるが大して優秀な奴じゃない、この屋敷にいた使用人レベルの者たち相手に逃げの一手しか打てない程度の騎士とも呼べん護衛だ。お前さんなら幻惑魔法で一瞬で葬れるだろう。」


そういってやると。



「それなら余程の間違いがない限り大丈夫そうだな、じゃあ行ってくる。せいぜい妄想でもして、期待して待っててくれ。」


といってその場から消えた。


おろらく、都市の外にでも転移してそれから探しに行くのだろう。あとは、キャロル家の判断次第で姉妹一緒に自由にできると思うと今から楽しみだ。


そう思いワシは笑みを浮かべながらこれからの事を想像する。


ある意味男が忠告した事態になるとは夢にも思わずに。



男が都市を発って1時間が経つ頃公爵家では、キャロル家当主セバス・キャロルがクロス公爵家長男ダンテ・クロスの元にドレイク家から匿って貰うための交渉に来ていた。


「そういうことなので、もしこの件が一段落したら仕入れた魔道具を優先で回せるように手配するのでどうかドレイク家の脅しから守って貰えないだろうか。この通りだ」


私がそういって頭を下げると、ダンテ君は笑って。


「ハハハ、頭を上げてください、セバスさん。私もドレイク家には何かとムカついていたのです、今回の事でもしかしたら奴の家を失脚させることが出来るかも知れません。なので出来る限りのことはやらせていただきますよ。」


そういってくれたので、私も


「ありがとう」


と、再び頭を下げ礼を言った。


そして、男が発ち5時間もしたころ都市を警備する巡回員は砦の監視台にて外に多数の群れとなっている魔物の影を遠隔視で見ていた。


しかし、なぜかその魔物の群れはそれ以上近づいてくることはなく、不自然に思いながらとりあえず通信魔道具で守護家当主の回線に合わせると。


「こちら、都市巡回員です。つい今しがた都市の外、・・・おおよそで約5キロmのあたりに大型と思しき魔物の群れを確認。しかし、こちらに近寄ってくることもなく離れるわけでもないため判断に困っている状況です。なるべく早めにこちらまで映像添付型魔道具を待機兵に持たせ、転移魔道具か自力での転移で来させることを謹告いたします。それでは、こちらは監視に戻りますので通信を終わります。」


と、報告し監視を再開した。


そして、報告を受けた守護家ことフランク家では当主フランク・アーサーが執務室で3枚の報告書に頭を悩ませていた。


1枚目は、他の都市であるが商業都市オロンにて、こちらの都市の伯爵ドレイク・ノートが奴隷の首輪を買った痕跡が見つかったというもの。

かなり巧妙に手を回しているらしく、つい先日その商品を扱っていた商人の変態趣味が酒の勢いで露呈し、その酒が別の国の王族が好んで飲んでいた物で、その王家の酒蔵監視者が「目の前でいきなり消えた」といって大慌てで主に幻惑魔法の使い手を指名手配していたところ、その商人が旅の商人だと名乗る男から買い取った言うことで、他の取引先も序に調べていると件の伯爵とかなりの頻度で取引していたらしい。

その際に見つけたのが日付が最近の物でこの都市では違法としている奴隷の首輪で、すでに受け取り印も付いている書類があったとのこと。手遅れかも知れないが注意するべしという内容だった。


2枚目は、傭兵国家トールから、お抱えの傭兵が砂漠の近くでドラゴンを見たのと、それがこの城塞都市の方角に進路をとっていたので警戒と、早い段階での援軍要請をとの事。


3枚目は、つい先刻の都市巡回員からの至急判断求との内容の報告書。


「とりあえず、巡回員には転移用と遠隔視兼都市内限定緊急通信の魔道具をダラに持たせて渡しに行かせろ、あいつなら自分の転移と遠隔視で状況を正確に確認できるはずだ。」


俺は、報告書を持ってきて傍に控えていた息子のレイクに告げると、3枚目の紙の上に2枚目を乗せた。


すると息子は


「確かにダラさんなら偵察用の魔法の才能は家のというよりこの都市の中でも卓越してますから適任ですが、あの巡回員とは魔法の種類が似ている事もあり、どちらが上だという言い争いが絶えませんよ?」


とあからさまに嫌そうな顔をして言ってきた。だがそれがどうしたとばかりに俺が


「このような状況で言い争いをするほど二人も馬鹿じゃあるまい、そんな奴を俺は雇っているつもりはない。もし、何か言ってきたらそう言ってやれ。その切り替え位はできるだろう。」


と言ってやった。


その答えに呆れたように、「優しくないなあ・・・」と呟いて


「解りました、それでは通信室に行ってまいります。」


というので、おれは


「ああ」


というと、再び書類に目を落とす。


さて、一枚目と二枚目は緊急性はないが嫌な予感がプンプン匂ってくるな、こりゃあ豚伯爵を呼んで詳しく吐かせた方が良いか。


「とりあえずドラゴンについては監視の強化で対応しなけりゃどうすることもできんから、豚・・・もといノート伯爵を通信魔道具で呼び出せ。文句を言ってきたら、「他都市の商人との違法取引の証言を掴んでいる」と言って力づくで連れてこい。その時に屋敷で魔石探査用の個体識別出来る奴を使ってこの番号周波の魔石を使った奴隷の首輪を見つけたら持って来い。証拠物件としてあの豚に突きつけて天空囚人監獄バスクーダに送ってやる。そして、あいつに狙われた奴に恩を売れれば好都合だ。クックック・・・」


俺はそう笑うとすぐに豚を送る手配をしに通信室に向かった。



一方そのころドレイク邸では、町に買い物に出かけていたキャロル家長女シリル・キャロルが護衛連れでドレイク・ノート伯爵に連れられて向かい合っていた。


「それで、連れてこられたのは何かしら理由があるとしても、この物騒な連中は何なのでしょう?わたしはあなたに何かしたという記憶は一切ないのですが。」


わたしはそういうと部屋の中を見回した。


入り口に二人部屋の4隅に一人ずつ、わたしが動けばそのたびに移動してさりげなく脱出を妨げている。


恐らくこの男に言われているのだろう、場合によっては好きにしろとでも。


その証拠に彼らのわたしを見る目は、いかにもといった感じの女性の体を値踏みするかのような嫌らしい目つきが大半であった。そうして考えを止めると。いきなり怒り出し、顔を真っ赤にしがらわたしを指さし



「貴様の妹がワシとの取引の最中にいきなり怒りだし、殴った上に帰って行ったのだどこへ行こうというのかわからんがこの都市の近くは魔物がうろつきやすい環境が多い、よって直ぐに頭も冷えて逃げ帰ってくるだろうが、貴様も商人の娘なら商売を台無しにしてタダで済むとは思ってないだろう?」


そう言って少し口角を上げニヤニヤしながらこちらの反応を待っている。わたしは、ため息を吐きながら


「で?わたしに一体してどうしろと?」


といった。そしたらまた、突然怒り泡を吹きながら



「どうしろも、こうしろもない、貴様の身内のしでかした失態の後始末をするのに決まっているだろう。その方法は貴様がじっくり考えろ、まあワシが一つの考えを提示してやることもできるがな?どうする、優しいワシが体を使って教えてやろうか?」


と、また笑って私の答えを待っている。


...欲望を隠そうともしていないその態度に私はハッキリといった。



「妹がい・き・な・りというのが気になりますね、私は流石に姉なだけありあの娘が何の理由もなく怒り出すとは思えません。まずはその時の会話をあなたとスノウの双方から聞かないことにはわたしからは過干渉になります。なので、わたしはまずあの娘とあなたの間にそのような事があったとこれからこの<<転移>>の魔道具で父に報せに行きます、その後父の判断次第ですがこちらに過失がありましたら我が家の取引先の最重要相手として便宜を図らせてもらいます。それと共に妹を説得して貴方の元に奉仕に出させますその方が貴方の考えとも釣り合うでしょう?もちろん妹が戻るまでの損失はすべてが終われば要求を出来る限り呑むという風に妹いも父にも言い聞かせますので安心してください。」


そこまでいうと、最初は呆気にとられていた伯爵の顔がだんだん青くなって行き、不意に周りに目くばせした後嗤いながらいってきた。



「そちらの対応に関しては良くわかったがこの屋敷からはどう出るつもりだ?ワシはあの娘の責任について連帯責任で貴様にこの場で少し払って貰おうと言っているのだ、その支払いを終えなければこの屋敷からは出さんぞ!」


などといってきた。


...はあ、この豚...おっと伯爵はわたしがなぜこの場でこれほど落ち着いているのかわからないのだろうか...。


最後にその説明だけして笑いながら消えてやろうとわたしは話し始めた。



「言っておきますがこの屋敷の対転移用の結界がいくら強かろうと無駄ですよ?同じ道具なら、魔石を使う以上余程の職人でない限り時間がたてば量の多少の違いはあってもその違いは必ず出ます。そしてこの転移用魔道具は場所を家の館に限定したものです、しかも1度きりの使い捨てで完璧にその役割が果たせるよう簡単にではありますが説明書付きで個人用にメンテナンスの仕方が伝えられるようになっています。妹は次女故狙われる事も少ないと、渡されていませんでしたがわたしは長女故常に父に持つように言い渡されて持っています...。こんなことなら妹にも持たせるように説得してればよかったと悔やむことしかできませんが、でも一瞬で発動できるのであなたたちがどう動いても意味はありません。では、「ま、待て少しはな・・・」今度は恐らく別の場所でお会いしましょう、さようなら」


と、魔道具を発動しわたしは家に戻った。


すると、いきなり現れたわたしに父がビックリしたように


「おお、シリルどうした?魔道具で帰ってくるとはなんかあったか?」


と、聞かれてノート伯爵邸での事を父に話した。



その頃、伯爵邸では


「ま、待て少し話を聞け、そんな態度で後でどうなっても・・・っち、帰りやがったか。しかし、まずいな、姉のほうを人質に妹を手に入れる事は多分無理だな、あとは奴の操る魔物に期待するしかないが、未だに外で何の騒ぎにもなってないところを見ると・・・


「おい、伯爵!お前に他都市との違法商売の疑いの証言書が出てきた、よって屋敷内を検知器を使って調べさせてもらう。疑いの品は奴隷の首輪だ!」」


いきなり入ってきた都市の守護家直属の治安維持部隊が屋敷内を探しだした。


まずいな・・・流石に物を見つけられれば言い逃れはできんと思いワシは側近に目くばせをして首輪を隠させるよう指示を出すと。



「なんだと?誰がそんなデマを流した。ワシはそんな物は知らんぞ・・・おい!そこを勝手に...「・・・おい、これは何だ?これが此処にあるという事が、貴様の違法商売の動かぬ証拠だと思うが?まあ・・・詳しくはご当主様に弁明をして少しでも刑が軽くなるように交渉することだな」うぐぐ・・・」


ワシはその場でへたり込んで


「奴の魔物が間に合っていれば」


と、恨み言のように呟いていた。



「ん?なにかいったか?まあ、どちらにせよお前はもう終わりだ。我らを指定の場所に運びたまえ<<転移>>」


そして、この後別の場所で裕也によって男が凶悪な魔物に殺され、その制御を失った数千という魔物が一番近くにあるこの都市に徐々に近づいて襲撃してくるのは裕也が森を出たときだった。



一方公爵邸では先ほどのシリルとの会話をセバスがダンテに話して意見を聞いていた。


そして微笑むと


「安心してください、私が知る限りでもスノウちゃんはあの歳にしては聡明でいきなり怒り出すことなどありませんよ。大方伯爵が難癖つけてスノウちゃんに迫り逃げられたので、彼女が帰った時に断られないように家族のほうを脅迫しようと思ったというところでしょう。まあ、あの豚に捕まる前にこちらで保護できれば後は私に任せてもらえれば、すべて解決しますよ」


とダンテ君は、笑いながら言ってくれた。



「では、スノウちゃんの事も気になりますし、こちらで砂漠に慣れた者を中心とした捜索隊と転移魔道具と魔道具の使い方に特化した者を中心とした護衛を出し急いで救出するようにします」


と早速行動してくれた。


なので、


「ありがとう」


と頭を下げた。



守護家であるアーサー家当主から偵察兼監視を命じられたダラ・マークは突然魔物の群れが都市の方に進路を向けたのを隣の巡回員と一緒に眉をしかめながら見ていた。


「こりゃー何かあったな、一番考えられるのは魔操士が何かの準備で待機させていたのが誰かに殺されたって所だが、それは今は関係ない。問題はあれだけの数を相手に結界を挟みながら戦えるか、だな。見たとこ数千、・・・3千ってとこか、よくもまー、あれだけの数を従えてる奴を殺せる奴がいたもんだ。場合によっちゃーそいつのほうが脅威だぞ、そんでもって・・・おい!俺はフランク様にこの状況を知らせてくる。お前はこの転移魔道具で放送台に行き各貴族のお抱え護衛トップ10並びに各商人の同じくトップ10を南の強化エリアに召集させ、魔物を足止めさせておけ。その間にフランク様と一族の方で大規模

殲滅魔法を準備していただく、ただしあの数だそれだけで大丈夫だとは思えんから傭兵国家への応媛要請をしてもらう、うまくいけば時間稼ぎをしてる間に間に合うだろう。」


というと巡回員も頷いて早速という具合に消えて行った。


・・・奴とも色々いさかいがあるが流石にこんな状況だ、素直に従ってくれるだけ有難い、そう思いながら俺もフランク様の所へ転移した。



所変わって放送台、早速とばかりに各貴族に指示を出す。



「こちら、放送台、巡回員のマクレーンだ。緊急事態が発生した、一度しか言わないからよく聞け。今から約半日もすればこの都市は魔物の襲撃が予想される、時間がないので冗談は一切なしだ。各貴族は最低限の身を守る護衛を残しトップ10を南の強化エリアに召集させ、魔物が攻撃範囲に入った所で攻撃を開始できるよう準備と魔道具の用意をさせてくれ。その時間で守護家の方に集団魔法を準備して住民の地下への避難の時間を稼いでもらう。あとは傭兵国家からの増援頼みだ。だが勘違いするな、増援はあくまでこれからの事を考えての保険だ。恐らく、魔物との防衛戦には間に合わんだろう、よって腕に自信のあるものは防衛戦で活躍すれば噂になりどっかの貴族のお抱えになれるチャンスがある。不純な動機だがそれを利用して貰ってもいいと思うほど驚異的な数だ、少しでも多く集まることを期待する。それでは強化エリアで会おう」


と言って、俺は放送を切りその場を後にした。



一方、放送を聞いた公爵家では、皆不安に顔を歪めている。



「まさかの、最悪のタイミングで魔物の襲撃ですか。まあ、安心してください。既に捜索隊は出しましたし、我々が地下に行って戻るまでの護衛もトップ10ほどではありませんが選りすぐりです。総力戦になれば他の40人の方が間違いなく強いですから。・・・では、私は皆に渡す魔道具と我々で使う物の準備をしますので、・・・そうですね。たしか、シリルさん「はい」あなたは魔道具にそこそこ詳しかった筈ですのでお手伝いをお願いします。これから、忙しくなりますよ?「はい、解りました」それではついてきてください」


そういうと二人で準備に行ってしまった。


残された我ら夫婦は。



「仕方ない、我らも少ないが護衛を出すか。メイサ、通信用で家に連絡を取って指示を出してくれ」


と、即座に


「もうやってますよ・・・あ、いいえ、こっち事よ。じゃあ頑張ってね、活躍してきなさい。・・・うん、じゃあね」


と言っていたので、流石だなと微笑み私も出発の準備をすることにした。



その頃、守護家では放送を聞いた4人が各々忙しなく動いていた。


そして、伯爵から話を聞いたフランクは。


作業をしながら伯爵に毒突いた


「まったく、手前を失脚させられるのはいいがこんなオマケがついてくるとは。いいか手前には護衛の全員と一緒に都市の前で戦って貰う、護衛が500人しかも100人が上位魔法を使える奴らをわざわざ威力の落ちる結界内で戦わせる必要を感じねえからな。そして生き残った奴を家で引き取る、だから、もし生き残っても安心してバスクーダで死ぬまで働き続けろ。・・・ああそうだ、それでいい。では今から向かう、少し待ってろ。・・・おい、そっちは話しついたか?」


「・・・はい、そのようにお願いします。・・・大丈夫です。皆様何とか間に合いそうです。」


あとはこの豚だが、


「・・・解ったそれぞれ指示道理に動け、屋敷の物もあとは退職金代わりだ好きにしろ、では最後の護衛頼んだぞ。・・・こっちも終わりだ。では、さっさといくか?」


「ああ、我らを指定の場所まで運びたまえ<<転移>>」



そして、半日後皆の目の前にはこの世の終わりの様な光景が広がっていた。



「まさか、ここまでとは。おー、あそこに見えるは竜種じゃないか、いくら下級とはいえ竜種を従える奴がいるとは。それに種類に全く統一性がない、とりあえず従えられる奴を片っ端からってやつだな。こりゃー骨が折れそうだ。・・・皆ー、とりあえず放送どうりに攻撃できる所にいる奴らを片っ端から片づけるように。では・・・攻撃開始!」


というマクレーンの合図で防衛戦が開始された。




次回から大規模戦闘の予定

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