表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある能力者の異世界放浪記  作者: arandora
王国の英雄誕生
1/21

第一話プロローグ

読みやすい書き方がわからない

「もう!何なんだよこの力は、菫や徹にはあんなカッコいい魔法が使えるのに、なんで俺は物を出し入れする変な力しか出ないんだ!まあ・・・便利っちゃ便利なんだけど。俺もカッコいいこと言いながら手から火や水だしてみたい!」


俺は隣に控える執事に今日遊びの中で成功した魔法と、友人の柊兄弟の使った魔法を説明すると、執事は呆れたようにため息を吐き俺に説明した。



「いいですか?裕也坊ちゃん、あなたは立花家の中でも魔法に関する才能はずば抜けています。それは歴史上立花家の創始者である立花史郎様のみとされていた光と闇の両属性を詠唱破棄して詠唱したのと同等に使える事からでも解っています。


それに何と言っても、わずか5歳でその他の転移やサイコメトリーに治療魔法までも習得成されているのです。ご両親はいつも近所に自慢していますよ?」


そう言って執事、後藤は俺をいつものように宥めようとする。



「そうは言ってもさ、やっぱり見た目派手な方が良いと思わない?近所の人に自慢するのも解りやすい魔法のほうが説明しやすいし。・・・その点、菫は水と土と物質強化で、将来富豪の住むレベルの庭園を作る仕事が約束されているし、徹も爆発物の威力調整や鍛冶場、建築物の破壊など熱を操る仕事が今の段階で予約が一杯だって両親に褒められて嬉しいって言ってたよ?俺はまだ闇魔法でも人より大きくなると収納できないし、生き物はダメだっていう制約まである。光魔法も威力はあるけど明度の調節ができないから眩しくて何がすごいんだかわからない、他のは全部人の為にはなるけどとにかく地味なのばっかだ!俺も、もっと目に見えてすごいと解る魔法が使いたい!」


俺の叫びに、執事は一言。



「修練あるのみですな。第一、習い始めてひと月で坊ちゃんほど上達したものなど私の記憶にはございません。話にある、柊のご兄妹でさえ1年修練してやっと今の魔力量と強度を手に入れたのです、しかも得意なものにのみ集中してです。それを考えると坊ちゃんの才能は異常としか捉えられません、お二人に変な目で見られることは無いでしょうが周りは解りません。場合によれば立花の跡継ぎ処か変な考えをした輩に命を狙われて今のうちにと、誘拐、監禁や最悪、暗殺まで話に上ってもおかしくないのです。お二人と離れたくないのなら程よく手を抜き、実力を知られないようにするのも知恵ですし」



ここまで言うと後藤は少し口角を上げ囁くように


「何より、その方がカッコイイですよ?」と言ってきた。その囁きに俺は一瞬で舞い上がり


「ホントか?」


と聞くと、なんと親指をもちあげ顔の前で無言でサムズアップしてきやがった。...こいつは俺の扱い方が解っていると驚くと同時にあきれ果て、もう何も言うまいと家路についたのだった。


あれから1年、午前中は兄妹と一緒に魔法の訓練、午後は家の道場で護衛の実力アップも合わせての乱捕り稽古をするようになった。


もちろん、乱捕りでは魔法なし武器なし道着などの掴みとれる服装のない場合を想定した、一種の無手異種格闘技から国家を代表した会議に出席した場合に備えての無駄に掴みどころのある服装での取り組みまで、実に多岐にわたる。その甲斐あって今は魔法でも魔法を封じられた環境でも、大抵の人間には訓練でも実践でも後れを取らなくなった。


そして、今日予てから菫と予定していた、転移での集団移動(今日は内緒なので二人で)の実験をしに二人の秘密の空き地に来ていた。(徹は何か気を利かせて無理矢理一人での用事を入れてた、...解りやすくて菫も顔を赤くしてたけど)



「ねえ裕也、今から転移の実験なんだけど、あんたの転移は自分以外は各個人から直接魔力を抽出して移動させる。いうなれば強制転送みたいなものだけど、私の魔力量で大丈夫なの?悔しいけどあんたの魔力量の半分もないわよ?」


と今になって菫が心配そうに言ってきたので、笑って



「心配ないよ、言っちゃー何だけど菫の魔力量が少ないんじゃなくて、隠してる俺の魔力量が馬鹿みたいに多いだけだから」


と言ってやると、菫は別の意味で微妙な顔になり、呆れてた顔をして



「何かそこまで自信を持たれたら返す言葉が見つからないわ、じゃあ気を取り直して最初だから用心をするということで魔法陣を書いて始めましょうか?」


といきなり真剣な顔になり、実験を促してきた。



そして魔方陣を書き終わり、菫のほうを見ると震えながら逆側を見ながら


「ねえ、裕也」というと。


「まだ初めてないわよね、実験」


と言ってきたので「ああ、今からだ」と返すと


「なら、あの景色は何?」


と返ってきた、なので改めて菫の視線の先を見ると...見知らぬ光景が広がっていた。



「!!なんかヤバい、菫!お前はすぐに戻って皆に報告、今からお前だけを屋敷に飛ばすから皆を連れてきてくれ!何かわかんないけどここに居たらやばい気がする」


というと、俺はすぐに菫を屋敷に飛ばすべく


「間に合ってくれ<<転移>>」


そう言った後、菫は消えていた。飛ばす前になんか行ってたがそれよりも目の前の状況をどう判断するかだ。

多分菫が誰かをここに呼んだとして小一時間かかるだろう、それまでに目の前で光り続けている光景が変わらないとは思えない。

しかたない、諦めて、どうなるにせよ受け止めるしかないか...と、呟いた。気がかりなのは一つ「幸せになれよ、菫」ということだった。


~~~~~~~~~菫サイド~~~~~~~~


「待って裕也、アンタはどうすんの?」


と、私は気が付くと一人立花家の庭で虚空に手を伸ばしていた。・・・は!そうだ、早く皆に事情を説明して裕也を迎えに行かないと。

多分叱られるだろうが、あんな光景見た後じゃ急がずにはいられない、そう思うと皆を探すべく走り出した。


そして、皆を集めてあの場所に戻ってきたときに見たのは.....丁度魔法陣があった場所が半円状にくり抜かれただけの広場の跡地だった...。


私は思わず


「どこ行ったのよ!言われたとうりに皆連れてきたのにあんたが居なくなってたら意味ないじゃないの!・・・馬鹿ーーーーーー!」と泣き叫んでいた。


~~~~~サイドend~~~~~


「ん・んん!」なんだ?ここは。


あの広場じゃないし、あのとき広がっていた光景の場所でもない、あれはもっと平原って感じだったから、こんな森の中じゃないはずだ。

いったい何処だ?と、思っていると転移は使えるかなと思って「<<転移>>」と言ったが反応なし。

やはりだめか、いくら俺の魔力でも世界が違えば法則が多少は異なるので物は試しということで、帰れるかどうかやってみたが結果、ここが異世界ということが判明しただけだった。

さあどうしよう?と思って、歩き出すと突然後ろから声がした


「ん?なんでこんなところに小さい子供がいるんだ?迷い込んだにしちゃあ少し奥まで来すぎてるぞ?」

と言って女性が姿をみせた。


黙っているわけにもいかないので


「理由はあるけど信じてもらえるかどうか~、自分で言っても多分自分で信じられませんから」


というと。


「ンなことは聞いてからこっちが判断する、子供はありのままを話な」といってきた。


「それでは」と、前置きして俺は話し出す。




数十分後


「よし、解った。それじゃあ裕也、これからあたしがこの世界の母親になってやる。あたしはこの森に住んでいて夫と二人暮らしだけどまだ子供がいないんだ、夫も子供好きだから喜んで親になってくれるさ、そんでみっちりこの世界の事を教えてやる。言っとくが、この世界は魔物と呼ばれる生物がいるからあんたが居た世界より遥かに危険だよ。そこで生きていかないとなんないんだから厳しく指導するから、か・く・ご!すること、いいね。」


といわれ、俺は反射的に「お願いします」と、答えていた。



あれから、十年の月日が流れる



そして、現在



 「あ~あ、また来たか」 少年はため息と同時に呟いた。森の家から出て数日、出会うのは人のような形をした魔物、尻尾の数が9本ある獣、水が固まってできたようなもの迄あるが自分と同じ種類(人族)は零。 いい加減、親の言ってたことを確かめてみたいと思うのも仕方ないと思う。

そもそも、「もう教える事もあまりないから少し一人旅でもしてきな」とか言って、いきなり転移魔法で明らかにそれまで自分の住んでいた森とは違う森に飛ばされたら、だれでも文句の一つも言いたくなるだろ、っていうか言わせろ。

おまけに、問答無用で襲いかかってこられたら返り討ちにするしかないんだから死にたくないのなら来るなっつういの。



「GYAAAA!」...っと、懲りないっこて。<<光よ>>...呟くと光の檻が三つ首の全長4m程ある狼を閉じ込め、徐々に小さくなりあとには血まみれの毛皮が残った。



「血は浄化魔法で落としてっと...よし、あとは<<闇よ>>」...これで収納完了。

それにしても自分の才能が怖いね~これだけ魔法つかってんのに魔力を使った形跡どころか残滓すら残らねえんだから。


とはいっても


「普通は魔法使ったら魔法の才能があるやつほど辺りに漂ってる残滓を感じ取れる、それとは別に、自分の使う魔法の残滓を極力減らして効率よく使うことが可能なんだ。けど、全く残らないなんて聞いたことがないよ、才能あるにも程があるよ。」


なんて言うのは、親しか知らない俺には確かめようがない事だから早く人と接触したいもんだ。


                           

 「まあ、とりあえず魔物ばかりも鬱陶しいから今まで会ったやつより強そうな威圧感のある<存在>を召喚しますかね~」....そう呟いて俺は地面に魔法陣を書く、俺はまだ召喚魔法は修行不足で無詠唱やら詠唱破棄が出来なくて地面や空中に魔法陣書かないとある程度以上の知性や実力を持った<存在>を召喚することが出来ない。

まあ、召喚術事体使える奴が少ないって両親が呆れていたがね。

けど、俺の魔法にも色々制約(攻撃用はほとんど無詠唱できないんだよな、転移も自分はいいけど相手飛ばすのは相手の魔力を使用しないといけないし、まあこれは魔力の量が比較的少ない商人みたいな人以外は問題なく使えるからいいけど)があるから万能じゃないのに。



「最初は人語を話せする奴がいいかな...一人は寂しいし」...やばい、口に出すと涙出てきた。

まあいいや、狼みたいなのにするか人型にするか。

まず町に着いたらと考えて、宿だと人型だと二人分払う必要が出るか~。

よし、ペットとして扱える狼にしよう、確か狼はこの部分を..っし出来た。


あとは。

 

「我裕也が命じる、冥界の門よりいでし番人フェンリルよ、我が魔力を喰らいてこの地に降り立ち我を守護する役割を成せ」...すると、魔法陣が回転しやがてそこから黒い炎を纏った狼が現れた。



「我を呼んだのは汝か?」と聞いてくるので、「ああ、これからよろしく。」といって微笑んだ。


すると、「了解した。マスター、汝を守る盾となろう。」


と言われたので


「そんなに深く考えないで、話相手にでもなってくれたらいいよ。まあ、忙しくなってきたらもう少し友達を増やそうと思うからその時は仲良くね?」



「承知した、我も大勢のほうが楽しいので異論はない」...あと何かあったかな~。


「あ、そういえば大きさって自在に変えられる?何時になるかはわかんないけど人里とかに入ったら、言いたくないけどおおきすぎるよね?」...そう、何を隠そうこのフェンリル、体長3m、体高も2m後半という、いかにもな大きさなのだ。


よって、普段はというか他人が見てるところではなるべく犬猫より多少大きい番犬程度の大きさになってもらはねばならない。その説明をすると


「ふむ...では」と呟くと同時にフェンリルの上に魔法陣が現れ体と重なると、高さ1m程の見た目狼といった獣になった。「この位で良いか?」...なんとも魔界の召喚獣らしい便利生物ですこと。



「あと、念話はできるかな?もしこの世界が親に説明された物と違っていたら異端者、もしくは化け物ということで世界中から狙われる可能性があるから。」...なんて言うと


「それは無論、可能だ。それ以前にマスター「あ、念のために人前では俺が許可を出すまで念話でただのってのはおかしいけど賢い相棒ということにするから」・・・解った、その時になれば対処しよう。ただ、今までの話からっさするにマスターは世界の常識と言えばいいのか、そういったものに自信がないのか?」



「ん?そういえば言ってないな、俺は今までこの森とは別の森で親と暮らしてきてな、つい先日親からって言ってもこの世界の親からになるが{あとは実践あるのみ、基本と知識は与えたからあとはどうとでもなる}的なことを言われて住んでた森の家から転移魔法で飛ばされてきたってわけ。だからこの世界の常識とやらも正確には<親以外の人>に会ってみないと解らないってのが困りものなんだ。そこでとりあえず、もう一人は寂しいから君を呼んだんだ。そういえば、名前がないと不便だな・・・なんにしよう?」


言うとフェンリルは微笑み


「マスターのことはまだ詳しく知らないが、こっちの世界ということは別の世界のことも知っているのだろ?なら納得する名をくれれば良い」...思いやりのある召喚獣じゃないか。


これはかっこいい名前をやるか...?



「そういやー、君は雄雌どっち?」


「雌だが?なんなら人型になろうか?」


...どうしよう、とりあえず耐性付ける意味で(一応だからな、勘違いしないように!!って、誰に言ってんだ?俺は)なってもらうか。


「ん、試にお願い」


「解った」


という会話の後、再び魔法陣が頭上に現れ重なり、気付くと俺の身長と同じくらい(165位)の赤い髪をストレートに伸ばした、目も燃えるような赤い瞳の絶世のと呼んでいいくらいの美少女(胸はお椀型のちょうど良いサイズの)が全裸で立っていた。


(ん~覚悟していたとはいえやっぱり全裸の美少女というのは結構興奮するもんだな、召喚獣っていうのが無いと襲いかかってしまいそうだ)



「オーケー。もういいよ?となると、やっぱりかわいい名前のほうがいいな。・・・よし、君の名前は椿<椿>だ。どうかな?」


そういうとフェンリルは


「ふむ、なかなかの響きだ。気に入った!我は椿、これからよろしく、マスター」


...うん。セリフはいいが全裸の美少女が両腕を腰に当て胸と腰を突き出している姿は何かと目の毒だな。それより、オーケーってのが解んなかったか、いろいろこの先不安だ(涙)


「とりあえず、さっきな姿に戻って?それから出発ということで。」


「解った」


...ふう、これで少しは俺の興奮も収まる。(それにしても、獣なのに人型は普通の人と大差ないとは疑問だな)



「それでは、俺の周りを賑やかにするための人材探しと、この世界の不思議と退屈しのぎ、後は出来ればかわいい子とか美人を探す旅に出発進行ー。」


「・・・マスター・・・意外と欲求丸出しだな、とりあえず、この森の出口を探す旅でいいのでわ?」


「じゃ、そういうことで、改めて出発進行ー」


先が思いやられるな(苦笑)



・・・これがその才能故にお気楽なマスターとその召喚獣のいろんな意味での気の抜ける旅の始まりだった。

                                                                                                                                                                                                                                                              

文字数制限を見間違えて大幅追加(涙)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ