全投稿者に関係がある「AI利用状況の設定の必須化」は「紳士協定化」しそう――でも、効果があると言えることについて
このサイト利用者の多くの方が「AI作品について懸念」を示していることはエッセイジャンルで「生成AI作品について批判的な作品が上位に上がる確率が上がっている」ことからも明らかです。
そんな中でついに運営さんが一定の指針を示してくださいました。
https://syosetu.com/site/ai/
詳しくは上記のガイドライン「AI利用状況に関して」というURLで確認して欲しいことですが、簡単に言ってしまえば26年6月9日以降の「全ての作品に対してAIを利用しているかどうか」を示さなくては投稿が出来なくなっていくのです。
※投稿済み作品については何もしなくて良い。連載中作品は26年8月31日までは未設定で更新が可能であるものの9月1日より設定が必須になります。
つまり6月9日以降は投稿者全員に該当するという事です。
具体的な区分としては。
1 AI直接使用――AIが生成した文章をそのまま貼り付けて使用している箇所がある作品
⇒ 作品情報ページ、キーワードにも「AI直接使用」と反映される。
ただし、「生成したテキストを本文欄全てにそのまま使用する行為」はそもそも投稿が禁止されていることに注意
2 AI間接使用――作者の表現に置き換えるための下書きや素材として「間接的に」AI生成物を利用している作品
⇒ 作品情報ページに「本文の創作に、AI生成物を下書きや素材として間接的に利用している(単なる誤字修正やアイデア出しは除く)」と表示される。
3 AI補助的利用――作品のアイデア出し・資料調査・誤字脱字やスペルチェック等、AIが作品本文の執筆そのものに関与しない、補助的な利用に留まる作品
⇒ AI補助的利用を設定した場合、第三者には作品情報ページなどで公開されません。
4 AI不使用――作品の創作工程(構想、プロット、執筆、校正の全て)で一切AIを使用していない作品
⇒ AI不使用を設定した場合、第三者には公開されません。
ということのようです。
◇ 「隠れAI補助的利用」が増える
つまり、6月9日以降は、
「AI直接使用」
「本文の創作に、AI生成物を下書きや素材として間接的に利用している(単なる誤字修正やアイデア出しは除く)」
これまで通り(上記2つの表記無し)
の3パターンで作品情報ページに表記されることになるという事です。
しかし、現実問題としてAI作品が忌避されている現状、「AI直接使用」と表記された作品の閲覧の確率は下がります。検索でも除外する方を選択する方が出るでしょう。
そうなると「AI作者」からしたら「隠す」と考えることがごく自然でしょう。
2の「本文の創作に、AI生成物を下書きや素材として間接的に利用している(単なる誤字修正やアイデア出しは除く)」と長々と表示されるのだって何となく嫌な気持ちになります。そして、2の場合は特に間接利用かどうか外部で判断することは困難であると言えます。そうなると正直な方で無ければ2と設定しないでしょう。
そうなると起きるのは「隠れAI補助的利用」になるでしょうね。
「AI不使用」と全く同じ扱いになりそうな上に仮に運営から追及されても「アイディアの相談に使っただけです」と主張すればいいだけですからね。
(もしかしたらチアスコアやリワード変換の際に不利になる可能性はあるかもしれませんが)
https://blog.syosetu.com/article/view/article_id/5154/
さらには上の5月28日のQ&Aの解答では
『当社側での運営対応の有無にかかわらず、虚偽設定を行っていたために発生したトラブルについては、設定したユーザ側が責任を負うものとなりますのでご注意ください。』
『「自身の作品、及び執筆方法がAI利用状況のどの区分に該当するか」といったお問い合わせを複数いただいておりますが、恐れながら具体・個別のケースに関するご質問は原則回答を行っておりません。』
と事実上AI利用状況は自己責任・自己判断になっているんです。
つまりは自己申告制の「紳士協定」なのです。
そして前々から僕は言っていますが「AI作品であるか100%の精度で判断する方法は無い」ということです。
勿論今後も新たな対策があるでしょうけど、
ランキングや新規投稿や更新としてトップページに載る時間などには影響が出るために根本問題は解決しないのではないのか? と言う懸念は短期においては残り続けることが予想されます。
※短期で問題を軽減するのであれば「投稿制限」が良いのではないか? と言う論調は変わっていません。https://ncode.syosetu.com/n9133me/
◇「AI利用状況の設定の必須化」の本当の意図は?
ではこのあんまり意味が無さそうな「AI利用状況の設定の必須化」は何のためにあるのか? それは、
「企業様のため」
です。
最近利用規約が改訂されましてhttps://blog.syosetu.com/article/view/article_id/5132/
業務委託先などに対してテキストを提供できるようにしたり、
なろうパートナープログラム
https://blog.syosetu.com/article/view/article_id/5148/
というメディア化に対してのサポートが手厚くなっていきます。その際に初めて「AI利用状況の設定の必須化」について言及がありましたしね。
恐らくは、広告を出している企業やメディアや書籍化を担当している企業からもきっと「AI作品について対策はどうなっているんだ!」と問い合わせが殺到しているのでしょう。
しかし、なろうさんから見ても正直なところ、判定の責任をサイト側では取れないため「責任の所在」をユーザー側に振り分けたという事でしょうね。
「AI直接使用」と正直に申告してくれた作品についてはあまり考えなくて良いので除外して、申告が明らかに怪しく、コメント欄でも騒いでいるような作品に関して「調査」すると言った形になるのだと思います。
『(AI利用状況の設定について)虚偽の設定を行った場合は、運営対応の対象となりますのでご注意ください。』
というのもありましたからね。こういう断定的な口調は「隠れAI補助的利用」の抑止にもなると思います。
ですので、コメント欄やコメント欄が閉じている場合は運営に対して報告する事は恐らくは「効果」があると思います。
監視社会風でちょっと嫌ですけど、AI作品であることを虚偽表示している疑惑がある作品を「通報」するような専用システムも必要なのかもしれません(イチイチお問い合わせで返信するのは大変でしょうし)。
ただ「嫌いな作者の作品」に対して「通報」することもあり得そうなので、「虚偽通報者」に対してもペナルティがあるともっと良いのかもしれません。それはそれで恣意的になりそうですけど……。
ともあれ、「紳士協定」ではあるものの明らかにAIと分かる作品に関しては長期的に見れば減っていく可能性があるのではないのか? と言うのが僕の見解です。
「AI作者側」も収益を剥奪されたり出版を取り下げられないようにするために「文字数が多いのはこれまで書き溜めていたからだ!」「私はAIに似た作風なんです!」などと主張して死に物狂いで訴訟などで抵抗はしそうですが、その抵抗する労力を考えたら生成AI作品は次第に下火にはなるのではないか? と思います。
第一感ではイマイチかも……と思いましたが、色々と考えていくうちに追加措置次第では良い方向に向かいそうかな? と少し前向きになれましたね。
皆さんはどう思われましたか? よろしければご意見をお聞かせください。




