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僕の番が見つかって一週間が経った。


彼女がいた(あずま)の国は僕の住む国と余り国交がなく、風習がよくわからない。

でも、まだ幼い彼女を妻として迎えた男にはとても我慢が出来なかった。

形だけの妻ならまだ良かった。

それなら話を通すだけで終わったから。

彼女の家は東の国では歴史ある家系だったらしいし、政略結婚なんて普通だ。

でも男の目を見てわかった。

男は彼女を愛してると。

しかも幼い彼女とすでに体の関係にあったらしい。

まだ12歳の子供だ。

体の出来上がってない成長途中の彼女に手を出しただなんて、とても許せることではなかった。

彼女を手離そうとしない男を見て僕の本能が抑えられなかった。

彼女は僕の番だ。

僕の大切な愛しい彼女が僕以外に愛されるなんて許せるわけがない。

気づいたら風の魔力に馴染みの良い剣を横になぎ払っていた。

交渉の場に男の頭が落ち、首からは血が吹き出した。

悲鳴をあげる彼女の両親に一言添えた。

「彼女はもらっていくよ」


そうして、彼女は僕の元に来たのだけれど…


「僕、彼女に嫌われてる気がする…」


「当たり前だろう」


公爵家の当主である兄が僕の溢した言葉に答えた。

仕事中である兄の執務室で僕は口を開く。


「なんで!?」


「血みどろの現場から拐って来たからな。彼女は男を愛していたと聞いている。」


兄の仕事ぶりは完璧で、既に彼女の情報は全て掴んでいるのだろう。公爵家である以上、他国との関係は良好でないといけない。


「でも僕の番だよ!!?」


僕は当たり前であろうことで口答えをする。


「人族にはわからないだろう。…事後処理が面倒になったことへの謝罪くらいしたらどうだ。この俺に。」


正論すぎてぐうの音も出ない。


「それはごめんって思ってる。僕が出ると逆にもっと面倒になると思うし。」


彼女が他の男の妻であったことと向き合うとか絶対無理。


「はぁ…。で、彼女と話せたのか?」


ため息を吐きながら、兄は僕に聞いた。

そう。彼女は僕と出会ってから、一度も口を開かない。

僕が側にいるとその黒曜石の瞳で睨みつけてくるんだ。

僕を見てくれるだけで、この世に存在してくれてるだけで、僕は嬉しいんだけど…やっぱり声を聞きたい。


「まだ話せてない…。彼女の興味がどこにあるのかもわからないんだ…」


「興味か…」


顎に手を当てて考えてた兄は思い付いたと声を出した。


「異世界から来た下働きがいなかったか?お前が召喚した。異世界人の話なら興味を引くんじゃないか?」


「異世界人…。」


それは良い考えかもしれない。

非日常な世界の話はきっと聞いてて面白いはずだ。

なんで僕は思いつかなかったんだろうか?


「兄上、それはとても良い考えです。」


彼女が喜ぶ顔が見れるかもしれない。

そう思ったらいても立ってもいられなかった。


「じゃぁ、僕はこれで!」


「え、おい!」


急に立ち上がって部屋を出て行こうとする僕に慌てた兄の声が届く。

それでも立ち止まらずに僕は部屋を出た。





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