初めて光が差し込んだ瞬間
体育の授業が終わり、今日の最後の授業は特活。担任の先生がやる授業だ。
「今日は校外学習での役割や周り方を班で考えるように。」
『はーい!』
体調悪いのにうるさい班のメンバーで話し合いをしなければいけないのはしんどい。そう体が反応して上手く動かなかった時。大西先生が近づいてきた。
「谷。体調良くない?保健室いってもいいからな。校外学習もあるし無理しないようにな。」
私はなぜ先生がそう思ったか分からなくて戸惑っていたら先生がそれを察して言った。
「谷さ、体育の時から顔色悪かったし歩いてる時に少しフラついてたからさ。心配で。」
「大丈夫です。」
「無理すんなよ。」
体調が悪いはずなのに初めてこんなに心配された気がして笑顔になっていた自分もいる。
「おい。谷。」
「なに?瀬戸。」
「体調悪いんだったら俺が話まとめるから休んでて。」
「ありがと。」
私と去年もクラスが一緒の仲のよい男子。瀬戸は頭は良くないし運動も上手な方ではないが、友達も多くいつも明るくてムードメーカーのような存在。そんなやつとはいつも喧嘩みたいな荒い言葉遣いでしょーもないことを話してるような奴だから心配してくれると思わなかった。
「じゃあもうチャイムもなるからキリがいい事で終わって帰る準備して。」
「終礼始めるぞ〜。明日は校外学習だから体調管理もしっかりしてな。あ、明日は掃除できないから今日ちゃんとやるように。じゃ号令。」
今日の掃除は机運び。微妙にめんどくさい担当だけど家に帰りたくないから机運びが1番好きなんだけどね。




