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丁寧なコミュニケーション

昨日は更新できずすみませんでした。筆者の冬休みが今日までなので、明日以降更新頻度が下がります。ご了承ください。

 さて、大久保が生存しているので新年早々彼の内務卿就任イベントが発生しました。歴史的な背景は割愛しますが、ゲーム的な効果としては日本の政体が独裁寄りにうごき、国民不満度が上昇する感じですね。

 これで自由民権運動家が吹き上がっているからなのか、お父様からは憲法についてのご相談がきました。重臣の皆さんが憲法についての勉強をしているけど、自分もした方がいいかなあということだったので、「ドイツ憲法を学ぶべき」を選択します。大久保を生存させていて中央集権的な体制が強まっているので、ベルギー憲法とかの方向に誘導する意味はないですね。いくらお父様でも失脚すると思います。


 そして2月には太平洋戦争がはじまりました。名前で勘違いしやすいですが、こちら硝石の鉱脈を巡るチリとペルー及びボリビアの戦争となっております。まあどちらにせよ日本との関係は良くも悪くもないので気にしなくてOKですね。

 このRTA的に重要なのは、お父様との会話に硝石の話題を自然に出すことができる点にあります。早速お父様に話題を振ってみると、案の定、ほぼチリに頼ってる硝石の供給を不安視していますので、硝石の原料になる硝酸を人工的に作る方法があることを伝えましょう。そんなのがあったら苦労しないよと言われますが、化学知識が一定以上あると出現する「オストワルト法を説明」を選択します。


「白金でアンモニアを燃やす……? そして出てきた気体を水に溶かせば硝酸になるって……?」


 お父様全然わかってなさそうですが、英梨子ちゃんがこれまでに脚気の治療法を発見したり、白熱電球を発明したりしているので、この状態でも東大の学者に確認するように言うと、本当に問い合わせてくれます。

 帝大のロバート・ウィリアム・アトキンソン教授は賢いので、白金に水素などの可燃物を吹きかけると勝手に発火することはご存じです。なので、アンモニアももしかしたら燃やせると思い、勝手に実験してくれます。そんなに難易度が高い実験ではないので、少し経てば……成功ですね、日本が初めてオストワルト法の開発に成功した旨が表示されました。道孝お父様が困惑していますが、好感度が下がったわけではないので問題ありません。

 とはいえ、アンモニアを安く大量に作る方法がまだないので、硝石は依然として重要な資源の座に居座っています。この時代では化学肥料にも火薬にもなる万能資源なので、さっきのチリのように戦争まで起きる始末です。さっさとハーバー・ボッシュ法まで行きたいのですが、反応条件が過酷でオストワルト法のようにちょっとした実験で実証できるものではないため、今のところ他人にやってもらうルートは開発されておりません。必要物品をそろえて「アイデア」の実行を目指しますが、もうちょっとかかります。


 4月になって学習院に放り込まれた後、琉球処分イベントが起こります。琉球王国を恫喝して併合するイベントなんですが、清は琉球に対して請求権を持っている扱いになっているので、清との友好度が悪化してしまいます。TASではここで日清戦争を始めるルートが主流ですが、これはRTAなので意図的に戦争はしません。逆に日本が日和るのも名誉点が下がってしまって問題ですが……お父様の言動を見るに、史実通り突っ張るようなので問題ないですね。


 と、ここで疫病の流行イベントが起こります。ランダムでも発生するイベントですが、今回のコレラが流行するものは固定イベントです。そのまま放置すると10万人以上の死者が出て国力に影響が出るので対処しましょう。石黒軍医正に経口補水液の概念を伝える手紙を書いて送ります。コレラで一番怖いのは、下痢によって水分と塩分が失われることにありますので、水だけでなく適量の塩分と糖分も補給できる経口補水液を与えることでだいぶ死亡率が緩和されるという理屈のようです。副次的に熱中症の死亡率も下がるので、陸軍の暑熱耐性が多少上がったりもします。

 また、経口補水液のアイデアが有効にできるステータスを整えておくと、自分や身内がコレラにかかったときに使えます。自分が死ぬと当然ゲームオーバーですので、リカバリーの手段としても持っておくのが無難ですね。


 さて、7月7日は誕生日イベントです。今年はドイツ語の教科書をもらいましょう。この時代最も化学の研究が進んでいたのはドイツなので、今からドイツ語技能を上げておくと、後々論文投稿などで便利だからです。


 あと、この時期は岩崎弥太郎が家に来ていることがあるので、見かけたら媚を売るのを忘れないようにします。これは別にかわいい幼女を見たいわけではなく、お父様と8月に設立する保険会社の打ち合わせをするために来ているのですが、タイムのために顔をつないでおきましょう。お前の都合なんか知らねえ。


 無事に夏を越すと史実通り大正天皇誕生イベントが発生しました。何もしていないと、この後すぐに鉛白おしろいによる脳膜炎にかかり、後遺症デバフを受けてしまうのですが、お父様経由で鉛白おしろいの毒性を皇室に伝えているので、この世界線では健康に育ってくれるでしょう。これに関連して、史実では鉛中毒で夭折した大正天皇の弟や妹が生存するようになります。彼らはいずれもステータスが平均以上に設定されており、無事に成人すれば頼もしい人材になってくれますが、本RTAでは大多数が活躍し始める前にタイマーストップになってしまいます。ぜひ通常プレイで活躍させてあげてください。


 さて、しばらくバイオリンの練習かドイツ語の勉強にいそしんでいると、鷹司からお呼び出しがかかりました。行先は東京砲兵工廠ですね。序盤の魅せポイントですので是非ご注目ください。

※歴史的な背景

史実での大久保暗殺の直前、天皇親政を行う準備として、大久保が内務卿と宮内卿を兼任し、天皇の考えを政府に浸透させるという構想があった。権力が一時的だったとしても大久保に集中するため、板垣退助ら自由民権運動家からの非難は免れなかっただろう。


※ベルギー憲法

大日本帝国憲法がドイツ憲法の影響を受けていることは義務教育でも習う話であるが、ベルギー憲法を模範として作る案もあった。君主よりも議会の権力が強く設定されていることが問題視され、前述のとおりドイツ憲法を模範とする方針になった。


※白金

触媒材料の代名詞。今も昔もとってもお高い。触媒作用が認識されたのは1820年代なので、作中では発見から60くらいしかたっていないことになる。


※オストワルト法

高校化学で学習する硝酸の工業的製法。白金触媒でアンモニアを大過剰の空気で酸化し、冷却することで二酸化窒素を合成する方法。二酸化窒素を水に溶かすと硝酸になる。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] 大日本帝国憲法には大きな欠陥があり、その為軍部(官僚組織)の暴走を停められず、日本破局の遠因となっています。 是非、この点は修正しておくべきでしょうね。
[一言] ハーバー・ボッシュ法といえばエレクトライド触媒をこの時代に作れたらとんでもないことになりそう、
[良い点] 岩崎弥太郎の所で「見かけたら媚を売るのを忘れないようにします」からの「お前の都合なんか知らねえ」の流れに思わず笑ってしまいました。 [一言] ベルギー憲法を模範として~という話は存じません…
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