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詩歌集

寄生花


 花が咲く

 花が咲く


 私の体に

 花が咲く


 それはそれは美しい花

 その花が私の体に寄生した


 その花のたまごはとてもとても小さい

 そして、軽い


 その花は風に種を乗せて

 ふわふわ漂う


 そして

 人間の体内に入り込む


 喉を通り

 胃に落ち


 小さな種は

 その人間が食べたものを栄養に成長していく


 人間は食べても食べても

 その花に全ての栄養を奪われる


 だんだん

 その寄生された人間は栄養不足で弱っていく


 その間

 花はその人間の体内で茎を伸ばす


 むくむくと

 光の方へと向かって伸びていく


 人間は食事も摂れなくなり

 ただ、弱っていくだけ


 人間が弱った分だけ

 花は元気で


 光を目指して花は茎を伸ばす

 胃を抜けそして、食道を通り


 そして

 花は、人は─


 

 ウ ぐ ぁ あ あ あ ぁ あ あ あ あ あ あ あ あ


 

 花はその人間の口を無理矢理こじ開けるようにして

 口から蕾を出す


 花は口から出てきて

 光を浴びると


 ゆっくりと

 花びらを開く


 大きくて美しい

 大輪の花を咲かせる


 だけど

 花が咲いたら最期


 その花に寄生された私は

 もう─────…



 

※このようなお花はないのでご心配なく…たぶん。

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― 新着の感想 ―
[一言] この花は、 実は恋心、 という名前であっても通じるな、 なんて思いながら読みました。 途中の呻きは 抑えきれないものに 身悶えてる感じ? 一人で勝手に2度美味しい感じでいただきました。 …
[良い点] ちょっと不気味ですが、こういう作品好きです。 美しさと不気味さが同居している感じですね。
[良い点] そんな花あってほしくないけど、同時に見てみたい気持ちもあります。 きっとさぞかし綺麗なんでしょうねぇ。
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