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対決!? 正義のヒーローシャインレッド!! ④

 そんなこんなで対決をなんとか終えた後シャインレッドと話しているとこんなことを彼が言い出した。


「いやぁ~、お疲れ様です。それにしてもポラルミスさんのところはアポイントメント取って来てくれるので助かりますよー」


 そのあと色々話を聞いてみると結構な頻度でアポを取らずに対決を申し込んだり強襲する悪の組織系列が多くて困っているとのことだった。


「いやぁ、いろいろ漫画やテレビみたいにヒーローや悪の組織を“勘違い”している人が多くて困っているんですよー」

「ハハハ、“勘違い”したらダメですよねー」


 そう勘違いしてはいけないのである。

ヒーローといい勝負ができるという勘違いはである。

ヒーローもピンキリだが、人から逸脱した能力を持っているのがスタート地点である。

そんな超越者に対して少し強いくらいの一般人が手を出してはならないのだ。

 よしんば勝てたとしても今度は徒党を組んで報復に来たり、謎の力でパワーアップしてリベンジしに来たりするものだからよっぽどの実力がないと相手ができないのだ。

 ヒーロ側の勘違いと自分の勘違いは全く違うのだろうが別に今ここで言っても話をこじらせるだけだから黙っておくことにした。


「でも只野さん、いつもすぐ降参しちゃうだなんて少しもったいないですよ。 もう少し粘ればいい勝負になると思うんですけど……」

「いやー、あれだけで自分はいっぱいいっぱいですよ」

「そうだ! 只野さん良ければヒーロー系列のチームに入りませんか? 元怪人でもやってる人もいますし、只野さんだったらかなりいい線行くと思うんですよ!」

「いや、じぶんは……」


 やんわりと受け流そうとすると服のすそを引っ張られる。

不意に引っ張られた方向を見ると今にも泣きだしそうな顔で首領がこちらを見上げていた。

その顔を見てしまったせいだろうか? 自然と言葉が出てきた。


「すいません。やっぱり怪人として……ポラルミスに居たいんです」


 はっきりと断りの言葉を口にした。

シャインレッドに断りの意味で言ったのもあるが、それ以上に首領に“どこにも行くつもりはない”と言うために出た言葉だった。

そんな自分に気付いたのか笑いながらシャインレッドが謝ってくる。

こちらも謝り返し、幾つかの社交辞令を交え、また再戦しようと言いシャインレッドはその場を去って行った。


「只野~~~~!!」


 そう言いながら、首領が抱き着いてくる。

小さい体でこちらを逃がさまいという意思を感じる。

涙目になりながら軽く鼻を鳴らし、ようやく落ち着いたころに口を開き始める。


「ヒーロー側に行っちゃうの?」

「行かないよ、俺は首領に作られて忠誠を誓った怪人なんだから」


 そう言うと先ほどとは違い、満面の笑みで返事をしてくれる。

こうしてヒーローとの対決という短いようで長いひと時は終わりを告げるのであった。

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